BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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トライアル第1戦ダイジェスト

凄惨

 

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11R

①水口由紀  29

②岸 恵子 22

③日高逸子 19

④寺田千恵 23

⑤海野ゆかり 20

⑥小野生奈 19

 

 大惨事が起きてしまった。1周2マーク、2番手の海野が水口の差しを警戒し、落として回ろうとして失速。振り込んでいるところに水口、寺田、小野が殺到して、すべてレース不能の状態に陥った。凄まじい玉突き衝突事故だ。

 

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この原因となった海野は妨害失格、水口は落水、寺田は転覆、小野はエンスト……その後の10分間ほどの光景は、修羅場と呼ぶしかない。2マークの横で乗り手のいない1号艇がくるくる回転し、小野を乗せた6号艇はやるせなく水面を漂い、無人の5号艇は小回り防止ブイの周辺を彷徨い、海野ゆかりは救助艇の中で身を横たえている。

 

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無事に難を逃れた日高逸子と岸恵子だけが、その地獄絵図の只中をゆっくりと旋回して行った。3連単、不成立。約2億5000万円という大金が、購買者にそっくり返還された。

 

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 レースに関しては、もう書くべきことが見当たらない。あっという間の出来事で、パワーを診断するのも不可能だ。V争いについて言及するなら、事故に巻き込まれた面々は明日から1日早い勝負駆けとなり、逆に完走した面々はかなり有利な立場でファイナル進出争いをすることになった。

 

穏当

 

12R

①平山智加 07

②平高奈菜 09

③鎌倉 涼 11

④三浦永理 15

⑤永井聖美 15

⑥守屋美穂 16

 

 

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 モノが違った。直前にあれだけの惨事があったというのに、泣く子も黙るコンマ07、トップS。この隊形でよもや負けるわけもなく、平山智加がインから力強く逃げきった。勝って当然の展開だったのでパワー云々は問えないが、展示時計は隣の平高奈菜を0.20も上回る6.56。これだけストレートが強力なら、インから伸び返してまくらせない足だ。あとは出足、回り足、乗り心地で納得の域に達すれば、もはや無敵モードと呼んでいいだろう。節イチと評判の日高逸子との直接対決が、いつ実現するか。それが今節の大きな楽しみになった。

 

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 2番手を取りきったのは、「足落ち」を噂されていた19号機の平高だった。私の評価も前検、今日の気配、展示時計ともに「中堅以下」だったのだが、実戦では十分に戦えそうなレベルだった。もちろん、ゼロ台のスタート&内が有利な隊形が幸いした2着でもあり、過信は禁物だが。4号艇の明日が試金石と言えるだろう。

 

 

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 3着は4カドから差した三浦永理。4コースで3着という成績に不満はないが、道中で守屋美穂にぐんぐん追い詰められたのが気になる。ストレートでは完全に守屋のほうが上だった。昨日まで伸び型と見ていた三浦だが、出足を引き出して自分向きのパワーに換えようとしたのかも知れない。だとしたら、ターン回りも一息だった今日は成功とは言えないだろう。明日からの気配をしっかりチェックしたい。

 

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 一方、グイグイ追い上げた守屋の足は軽視できるはずもない。明日も6号艇に甘んじたが、この強力な伸びが健在なら思わぬ大穴を演出するかも??

 今日の午後の気配が良く見えた鎌倉涼は、案外な結果に終わった。やや強引に握って流れたのが敗因かも知れないが、明日も1号艇の平山を脅かすには、現状のままではまだ苦しい気がするな。永井聖美はほとんどレースをしていないので、評価不能。いずれにしても、このレースでしっかり完走した6人は、ファイナル進出に大きなチャンスがあるとお伝えしておこう。(photos/チャーリー池上、text/畠山)