BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット@シリーズ――贅沢なシリーズ!

 

 

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 松井繁がシリーズを走る……やっぱり違和感がある。いる場所は変わらず住之江のピットで、松井の雰囲気も昨日と大きく変わった感もないから、あくまで「松井はシリーズ」というフィルターをかけているだけなのだが、しかし“グランプリ組を見る目”で松井を見ていないということ自体が、不思議すぎる。18名のグランプリにはいろいろな意見があるだろうが、トライアル1stの過酷さというのは確実にグランプリをより濃密にしている。

 

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 松井の心境や、いかに? と思いつつも、動き自体も昨日までとは変わらない。「最終日まで全力で頑張る」という選手紹介での決めゼリフ通りに、シリーズに回ったとしても松井は動く。朝から忙しそうに動く姿もまた、王者の矜持だろうか。その一方で、明らかに気持ちが落ちているように見えるのは、原田幸哉。シリーズだから気を抜いているというのではなく、落胆をまだ引きずっているような感じだ。昨日と比べて、ハッキリと足取りが重い。やはりグランプリ→シリーズは、グランプリ戦士のプライドを傷つける。それが残り4日間に影響しないことを祈るしかない。

 

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 それにしても、シリーズはやけに豪華なメンバーになったなあ、と瓜生正義がモーターを装着している姿を見て、しみじみ思った。瓜生に松井、今垣、田中、原田、辻、坪井、白井英治、菊地孝平って……ここ10年ほどを思えば、こっちがグランプリのメンバーのように思えてしまうのは致し方ないことだろう。グランプリにニュージェネ5人というあたりに時代の流れも感じざるをえないのだが、まったくもって、近年まれに見る贅沢なグランプリシリーズである。ちなみに瓜生は本体を整備。白井も同様で、1st組6名が加わることを考えれば、さらなるパワーアップをはかりたいところではあるだろう。

 

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 2R、平高奈菜が激戦の末に2着。吉川元浩を相手に、果敢に艇を寄せ、接触もして、粘り込もうとしたガッツはお見事の一言だった。男子相手に怯まない姿勢を見せ続ければ、いつかきっとSGでも互角に戦えるようになる。そんなレースぶりだった。

 今節は師匠の重成一人と一緒に参戦できているのも強みだろうか。二人が真剣に会話を交わしているシーンは何度も見かけるし、このレース後にも重成は笑顔で出迎えている。悔しい敗戦でも、師匠が笑っていれば、平高も笑える。平高の勝気な性格を考えれば、レース後はとことん顔をしかめているかと想像していたが、師匠効果だろうか、あるいは精一杯戦った満足感なのか、可憐なスマイルを見せていたのであった。準優進出の可能性はもちろんまだ残っている。師匠とともに予選突破だ!(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)