BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

鳴門オーシャンTOPICS 4日目

 SGファイナル常連の松井繁、山崎智也、瓜生正義、白井英治らが続々とV戦線から脱落した予選4日目。ただ、鳴門オーシャンカップは混戦模様というより、「絶対本命VS他の全レーサー」みたいな様相を呈してきたぞ。私の妄想もひっくるめて、今日の勝負駆けを振り返ってみよう。

 

THE勝負駆け①準優ボーダー争い

妄想の峰VS石野

 

 

f:id:boatrace-g-report:20171221184311j:plain

 

 まずは、石野! これっきゃない。今日の石野貴之73号機は2走①②着というタイトな勝負駆けだったが、このノルマをきっちりクリアした。実のところ1・2号艇でまんまの着順、特筆すべき勝負駆けではなかったかもしれない。10Rは差しではなく、豪快にまくりきってほしかったという未練も残る(イン池田浩二のスタートが絶品すぎ。明らかに石野の伸びを意識したコンマ04だった!)。ただ、その10Rのスタート展示で見せた行き足は、掛け値なしに凄まじいものだった。展示タイムの6秒68も出色。もはや73号機=節イチを疑うべき要素は何もなく、明日以降の大一番でそのパワーを余すところなく披露してもらうとしよう。松田祐季12号機が残念ながら予選落ちしてしまった今、私の妄想の優勝戦は「峰36号機VS石野73号機の一騎打ち」で揺るぎのないものになった(笑)。

 

 

f:id:boatrace-g-report:20171221184324j:plain

f:id:boatrace-g-report:20171221184334j:plain

 

 岡崎恭裕、赤岩善生の予選突破にも、いささか思うところがある。ともに、相応の実力と実績を持ちながら、来月の桐生SGメモリアルに選出されなかった。本人から直接聞いたわけではないが、さぞ悔しかったことだろう。「ならば、このオーシャンカップを制して、自力でメモリアルに参戦してやる!」みたいな意地もあるはずだ。そのふたりが、揃って「112356」という着だったのも何か因縁めいたものを感じるな(笑)。明日の12Rはレースタイム差で4号艇・岡崎、5号艇・赤岩。絶対本命の峰に対して、この“リベンジコンビ”がどれだけ暴れるか、が楽しみのひとつではある。

 

THE勝負駆け②予選トップ争い

ブッチギリの“無血当選”

 

 

f:id:boatrace-g-report:20171221184436j:plain

 

 ここ数年のSGで、これほどあっさりすっきりトップが決まったケースは珍しい。まず、昨日の段階で暫定1位は峰竜太の9・50、2位が丸岡正典で8・00。それなりの大差で、今日の峰は他選手の成績に関わらず②③着を獲りきればトップ当選という身の上だった。ただし、残された枠番は一気の大崩れもありえる5・6号艇。このハンデを踏まえれば、予選勝率ほどの大差とは思えなかったのだが……。

 前半の6R、峰は5コースからまくり差しで3、4番手に食いつき、2マークの俊敏ターン一発で2着を奪いきった。そのターンの正確なこと、速いこと。パワー的にも引き波をまったく苦にしない力強さで、グイッと予選トップに近づいた。この時点ですでに準優1号艇は当確(12Rで無事故完走)、とりあえず12R③着で自力トップ確定になった。

 

 

f:id:boatrace-g-report:20171221184449j:plain

 

 この6Rを終えた時点で、峰のトップを阻止できる選手は丸岡&寺田祥のふたりのみ。11Rの直接対決で「どちらかが2着以内なら、12Rの峰の結果待ち」というアヤを残せたのだが、丸岡3着、寺田5着でトップの可能性が完全に消失した。つまり、12Rの峰は無事故完走でトップ確定という身の上になったのである。先にも書いたが、混戦のトップ争いが多い最近のSGではかなり珍しい事態だ。「トップ選手が先に走り終えて、後のレース結果を待たずにトップ確定」というケースはままある。が、「1走を丸々残して、たとえ6着でもトップ当選」は珍事だ。今節の峰がどれほど強いか、を象徴するような“無血トップ当選”だった。

 

 

f:id:boatrace-g-report:20171221184504j:plain

 

 さて、12Rの峰はそれを知っていただろうか。「1着でも6着でもトップ」は妙なモチベーションになりそうなものだが、峰の予選ラストランはこれまたあっぱれだった。6コースから内の赤岩善生にツケマイを放ちながらの鋭角まくり差し。それだけの大技を繰り出しながら1マークすれすれを旋回しているのだから、そのターンの早さ、速さ、鋭さは驚愕に価する。逃げた井口佳典にはわずかに及ばなかったが、難なく2着を獲りきった。終わってみれば、5・6号艇で2・2着。文句のつけようのない自力トップでもあった。

 うん、明日以降の峰については何も書かないでおこう。ただ、これだけを今日もしつこく重ねて記しておく。

――V候補という言葉はもう書き飽きたわ。早いとこ獲っちまえ、峰リュー!!

(photos/シギー中尾、text/畠山)