BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――時間に追われ

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 1R、柳沢一はいったんは3番手に上がっていたが、原田幸哉との師弟競りに敗れて大敗。予選序盤でゴンロクを並べてしまった。しかし落ち込んでいるヒマはない。後半レースは5R。中3レースしかないのだ。4R発売中には展示ピットにボートを入れないといけないから、まるまる中3レース分の時間があるわけではない。というわけで、1R出走組のなかではやはり、真っ先に着替えを終えてピットに舞い戻ってきたのが柳沢。慌ただしくペラを外して調整に取り掛かり、2R発売中のうちに再び水面へと向かう準備を終えていた。選手たちはいろんな状況で、時間に追われているわけである。

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 師匠の原田もまた6R出走と、状況は愛弟子と大差がない。というわけで、こちらも早い段階でピットに姿をあらわしている。柳沢とは話し込む場面もあって、1Rの競り合いの瞬間を振り返り合っていたか。水の上では先輩も後輩も、師匠も弟子もないわけだが、陸に戻れば師弟の深い絆がある。

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 では、1R1回乗りの徳増秀樹はレース後はのんびりしているのかといえば、そうではない。徳増も着替えを終えると早くにピットに戻ってきた。そして、作業の準備に取り掛かる。誰もが引きたがった31号機を引き当てた徳増だが、2走してゴンロク。前評判とは正反対の成績となってしまっている。立て直すためにも、今日は1日、調整や整備にあたることだろう。たしかに、時間はたっぷりある。しかし、本当は時間はいくらでも欲しいわけで、徳増もやはり時間に追われるように作業を続けることになるだろう。

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 その1Rを勝ったのは中田竜太。日をまたいでの連勝発進! 昨日の2コースからの勝利後は師匠の須藤博倫と笑顔を交わし合っていたが、イン逃げの今日は柔らかい表情ながらも笑みはなし。イン逃げ勝利の後ってこんなものかも。予選での逃げ切りは、歓喜というより安堵が大きいのだろう。

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 などと言いつつ、2Rを逃げ切った重成一人は、出迎えた森高一真とにっこにこで笑い合うのであった。森高がなんか言ったのかな。重成も2着1着と予選を発進させられていて、気分が悪かろうはずがない。

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 その2Rで5着大敗の今村豊。勝ったときよりも敗れたときのほうが、レース後に仲間と賑やかに話をしたりする人なのだが、今日はエンジン吊りを終えるとそそくさと控室へと戻っていってしまった。これはなかなか珍しい光景でもある。そこに、地元SGの気合を見た、というのは考え過ぎだろうか。(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)