BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――ピンピン!

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 8R、徳増秀樹が6号艇で1着。予選トップ争いはこの時点でケリがついている。もし上野真之介が11Rで1着となっても、徳増の得点率を上回ることができなくなったのだ。予選出走回数に関して、予選トップを取るなら5回乗りのほうが有利なのではないか、という議論がある。3日目までにまったく同じ成績だった徳増と上野。徳増は6回乗りで上野は5回乗り。もし上野が1着を獲った場合、徳増がトップになるための条件はピンピンしかない。上野2着でも、徳増は1着2着条件。たしかに、2回も痺れるノルマのなかで走るより、1回のみ=つまり5回乗りのほうが有利に感じられる。しかし徳増は、6号艇がある2回乗りながらピンピンで決めたのだ。まさに自力トップ獲り! お見事というしかない。
 もっとも、徳増のピットでの様子はまるで変わったところがなく、淡々黙々とした風情。10R後の1便で帰宿しているが、トップ通過を認識しているのかさえわからなくなるほど、いつもと変わらぬ雰囲気で帰って行った。

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 上野は勝っても2位確定というなかで11Rを走って2着。これでも予選2位はやはり確定なのだが、1着を獲れなかったことへの悔恨なのか、不満げな様子で引き上げてきている。それにしても得点率9.20って、普通なら余裕でトップ通過なんですけどね。それでも2位に甘んじなければならないほど、熾烈なトップ争いだったわけである。徳増にトップを譲ったとはいえ、胸を張るべき! 明日はまずは逃げ切って、峰竜太との師弟優出を目指したい。

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 予選3位となったのは、12Rを逃げ切った峰竜太。こちらは徳増とは対照的というか、笑顔満開でアロハー! 控室への帰途に待ち構えるカメラマンたちに向かって、「サービス!」と叫んで和ませながら、喜びをあらわにしていたのだった。まあ、峰らしいですね。それにしても、レベルの高い仕上がりの3人が準優1号艇に揃ったものだ。普通に考えれば順当決着になりそうな気がする組み合わせだが、一筋縄ではいかないような気もしてくるのだが……。

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 18位ボーダーは結局5.50である。9Rで3着争いを制した西村拓也がこの数字となり、得点率では毒島誠と並んだ。ただ、上位着順差で西村が毒島を上回っており、最後には西村が18位で結果を待つかたちとなっている。といっても、12Rが始まったときには、19位以下から浮上できる選手が不在になっていたから、西村は当確。篠崎元志が6着のとき、やはり5.50に数字を下げて、今度は毒島が上位着順差で元志を上回ることになっていた。なお、毒島は結果を待つことなく、1便で帰宿している。もっとも10R終了時点では毒島まで18位以上となるのは難しい情勢だったのはたしかだ。一方の西村は、最後の最後までプロペラ調整で過ごしていた。準優に向けてのパワーアップはかなっただろうか。

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 12R、篠崎は4着。勝負駆けという意味では成功である。ただ、やはり4着では喜べないわけで、レース後の表情はむしろカタかった。勝負駆けにまったく関係のない西山貴浩が、強豪ばかりがそろうレースのなかでなんとか2着を確保し、安堵の思いなのか何なのか、はしゃいでいたのとは対照的であった(笑)。

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 12R3着は松井繁で、条件的には無事故完走で準優当確、結果的にこの3着で準優3号艇を手にしている。ただ、やはり3着で満足できるわけがなく、レース後はこの表情なのであった。なお、西山はこの松井の1mほど前ではしゃいでいたのであった。渋い顔の王者の前で何をやってんだ、ニッシーニャは(笑)。

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 勝負駆け成功の選手の中では、まず11Rを逃げ切った田村隆信。大敗は許されない1号艇、枠番的には有利にも思えるが、4号艇が上野真之介だったのである。まくられてしまえば、ゴンロクの可能性はあったなか、きっちりと先マイでしのいだ。1着&勝負駆け成功でありながら、レース後はやや疲れた表情に見えたのが印象的だった。楽なイン戦ではなかったのだ。

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 また、地元の前本泰和が1着2着で予選突破! 徳増のピンピントップもすごいが、前本の1着2着準優はまさに気合のなせる業だろう。9R2着の後の表情は見逃してしまったが、地元の砦としての思いは強いはずだ。準優は6号艇。もちろん進入で黙っているわけがない! 仁義なき戦いを見せてくれるはずだ。(黒須田)