8Rの渡邉和将の追い上げは凄かった。バック6番手からグイグイと順位を上げて2番手へ。渡邉のテクや、前が競っていたことなど、逆転要素はいろいろあるが、41号機の片鱗をしっかり見せつけたと言えるだろう。
その渡邉と、道中2番手を走りながら逆転を許してしまった関野文が、装着場のど真ん中で話し込んでいた。身振り手振りを加えながら、どうやら逆転の場面について振り返っていた様子(渡邉が内から先マイを仕掛けて見事に逆転)。足の差もあっただろうが、関野としては捌きの違いを目の当たりにした部分もあっただろう。それを当人とさっそく“復習”できる。この機会は大きい。103期と118期、岡山と大阪。そんな文字上の隔たりは、そこにはいっさい存在しない。関野は、たしかに今日は負けたけれども、間違いなくスキルアップを果たしたはずである。
10R、1号艇で大敗した西野雄貴。西川昌希の前付けを受け、安河内将の3カドまくりを浴びた。厳しい隊形だったし、安河内に対してはしっかりブロックに行った。悪い負け方ではなかったと思う。しかし、1号艇を活かせなかったのは悔しすぎる。ヘルメットを脱いだ西野は、他選手に声をかけられて意外と笑みを浮かべていた。だが、それはどう見ても平静を装うための笑みだった。納得できる敗戦では、やはりなかったのだと思う。この悔しさがまた、西野の闘志に火をつけるだろう。そして、さらに上を目指す原動力とするはずだ。明日はポイントを獲り返す一日となる。
9R、今井美亜がまさかの超ドカ遅れ。スタートタイミングはコンマ70。地元の4カドで、信じられない遅れ方。三国ヤングダービーに福井支部から唯一の参戦、という思いの強さが、こんな間違いを起こさせたか。レース後の今井はさすがに苦笑いだ。悔しさ、恥ずかしさももちろんあるだろうし、こっそり溜息をついていたかも。この屈辱があるからこそ、明日以降はもうこんな間違いは起こすまい。気合がもう一丁乗るかもしれない。
ドリーム戦は事故レースとなってしまった。大上卓人が1マーク出口で転覆。最内差しの村松修二がこれに引っかかって落水している。大上は妨害失格。まさかすぎる“レッドマジック”となってしまった。
幸いなことに、着替えを終えた二人はすぐにボートの引き上げに姿をあらわしている。ピットのアナウンスでは「4号艇、打撲」と聞こえていたが、その影響は特に見えなかった。好機を手にしていた大上は初戦で終戦、悔いの残る三国ヤングダービーとなってしまった。
このボート引き上げには、支部や地区の枠を超えて、多くの選手が参加している。なにしろ二人とも広島支部なので、同支部だけでは手が回らないし(あとは浜先真範だけだし)、同地区に広げてもなかなか大変、中四国に広げたとしても人手が欲しいところだろう。また12Rの事故なので、帰宿が遅れることは必定。ということもあってか、自然とさまざまな支部の選手がヘルプのために集まっていたわけだ。野中一平もいました。今日は水神祭にエンジン吊りに忙しかったね!(ペラ調整もかなり必死にやってました) 野中も今日は結果を出せなかった。明日はリベンジだ!(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)