BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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準優ダイジェスト

団長の貫禄

11Rルーキーズ組
①松尾 拓(三重)22
②吉川貴仁(三重)20
③伏見俊介(東京)26
④澤田尚也(滋賀)23
⑤板橋侑我(静岡)24
⑥大塚康雅(東京)34

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 レース直前、急にホーム向かい風が強くなった津水面。
 こりゃ3日目みたいにスタートがバラけるかも。
 と思いきや、スリット隊形は内5艇がほぼ横並び。ここまでゼロ台を連発していた澤田も、さすがに初優出が懸かった舞台で堅くなったか。が、そんな平穏なスリットから、4カドの澤田がダッシュの利で伸びてゆく。必死に抵抗するカド受けの伏見。

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 その間に、インで圧倒的人気を誇る松尾団長がするする行き足を伸ばして豪快なインモンキー。ターンの出口で5艇身ほども千切る一人旅に持ち込んだ。この瞬間に明日のファイナル1号艇が決したと言っていいだろう。

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 一方の2着争いは三つ巴の激闘となった。2コースから差した吉川が松尾の引き波でやや失速したところ、外から3コース握りマイの伏見、内から4コース差しの澤田が襲い掛かる。サンドイッチになった吉川がもっとも劣勢に見えたが、そこからのストレート足はやはり節イチ級だ。半艇身ほど凹んでいた舳先をグイグイ伸ばし、2マークで内の澤田を全速でつけ回り、ホーム直線でも行き足~伸びで圧倒し、2周1マークの強ツケマイで悠然と突き抜けた。62号機のストレート、恐るべし。
 3着は吉川にボコられながらも、澤田がしぶとく残して嬉しいデビュー初優出。予選成績が12Rの女子組より劣る澤田は、この時点で明日の6号艇が確定。初優出~初優勝の快挙には厄介な枠番だが、今節の武器であるゼロ台全速のスタートならばありえるかも?

残り物に脅威あり

12Rレディース組
①竹井奈美(福岡) 17
②塩崎桐加(三重) 17
日高逸子(福岡) 18
④金田幸子(岡山) 20
長嶋万記(静岡) 22
⑥大瀧明日香(愛知)24

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 こちらもスタンドから見た目には、スリットほぼ横一線。4カドの金田が伸びなり絞めまくりに行く素振りを見せたが、日高を超えられないと見て鞘を納めた。こうなればコースも足も満ち足りている内2艇の天下。竹井が逃げて、塩崎が差して、出口からの押し足は竹井に分があり、塩崎の舳先を振り払うようにして1着を決定づけた。
 今節の「3着条件の準優」という意味で、かなり惜しかったのはグレートマザー日高だ。1マークは例によっていぶし銀の立ち回り。3コースから外の金田を牽制しつつ、握ると見せかけて激辛の最内・二番差し。同じく差しに構えていた金田は、この老獪な差しで行き場を失い大失速。自慢の回り足を活かすことなく最後方まで置き去りとなった。

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 逆に日高はバックで塩崎に肉薄し、態勢的には「良くて2着、悪くても3着」に見えたものだが、そこからの足色があまりにも酷い。ストレートで塩崎にボコられ、2マークではサイドの掛かりがほとんど利かず、だらりと回っている間に抜群気配の大瀧、そして1マークで死んだはずの金田にも追いつかれていた。パワー差の見本のような逆転劇だった。

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 竹井、塩崎に続くファイナルチケットを懸けた大瀧vs金田のバトルは、わずかに態勢が有利だった大瀧がそのリードを活かしきった。私の中では、この2周目のバトルは「レディース組の節イチ決定戦」と勝手に解釈している。つまり、ファイナルに生き残った大瀧の機力はレディース組のトップ。5号艇でも1ミリたりとも侮るつもりはない。

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 最後に、明日の団体戦のシステムとV戦線の行方を簡潔に記しておこう。
★5~9R=団体・一般(勝利チームに各1ポイント)
★10R=団体・特別B戦(勝利チームに4ポイント)
★11R=団体・特別A戦(勝利チームに8ポイント)
★12R=団体・優勝戦(勝利チームに12ポイント)
 でもって、5~9Rの団体ブロック戦は白組シード(①②③)が3個レース、紅組シードが2個レース。おお、今節の団体ブロック戦(全45戦)はなんとなんと、白組のシード番組のほうがひとつだけ多かったのだ! 今までは「女子が優勝しても、あれだけ番組が優遇されたからなぁ」などと陰口を叩く人も多かったが、今節の紅組はむしろハンデを与えた側。胸を張って優勝戦に臨んでもらいたい。
 それから、現在の団体戦ポイントは紅組の22勝17敗なので、たとえば「明日の5Rから白白白白白紅紅白」なんてことになると34-34のイーブンになる可能性も出現した。その場合の優勝は……抽選で決定されるとのこと。もちろんレースでキッチリ雌雄を決してもらいたいが、抽選シーン(松尾vs塩崎の団長同士のじゃんけん??)を見てみたいと思うのは私だけだろうかw(photos/シギー中尾、text/畠山)