BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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津レディースvsルーキーズTOPICS 4日目

レディース勝負駆け

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 まずは準優1号艇を巡る得点上位争いから。昨日まで破竹の4連勝でシリーズトップだった竹井奈美が、3Rで3コースから勝ちきれずに3着と一頓挫。全体トップの座をルーキーズの松尾拓に明け渡したが、紅組では余裕のトップ維持。ただ、このレースで紅組2位の金田幸子が2着(相変わらず超抜の回り足!)に入ったため、1・2位の差がわずかに縮まった。

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 さらに、9Rで女子3位の塩崎桐加が6号艇ながら2着ゲット。オール2連対=8・33という高率で予選を終え、11R⑤竹井、12R③金田の結果次第ではトップの可能性も残した。3者のトップ勝負駆けの条件はこうだ。
★竹井(11R5号艇)…②着でトップ確定。③、④着で塩崎を超えつつ12Rの金田待ち。
★金田(12R3号艇)…竹井③着なら①着、竹井④着なら②着で逆転トップ。
★塩崎(結果待ち)…竹井⑤着以下、金田③着以下で大逆転トップ。
 まずは11R、5コースの竹井がバック4番手から凄まじい追い上げを見せたが、前を行くルーキーふたりを捕えきれず3着。とりあえず塩崎を超えて2位以内を確定させ、12Rの金田の結果=①着勝負を待つ身となった。

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 一方、準優ボーダー=予選6位争いは7・00以上のハイレベルな勝負駆けが続いた。トップ争いの上記3人を除けば、まずは前日まで5位の日高逸子が2・1着と貫禄の走りで悠々の予選突破(8・17)。
 さらに長嶋万記も3・1着とポイントをまとめて7・57で予選フィニッシュ。10R終了時点で5人に当確ランプが点り、残る1議席は「暫定6位=7・00で予選を終えた浜田亜理沙vs12R1号艇・小野生奈vs同2号艇・大瀧明日香」の三者択一となった。自力突破の権利は小野と大瀧が両立して、①着なら文句なし。絶好枠の小野が断然有利と見ていたのだが……。

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 紅組トップと6位を同時に決する最終12R。まずターン出口から紅組6位の道を驀進したのは、2コースから差した大瀧だった。2連対率53%を誇る34号機の底力が、最終決戦のステージで噴火した。そして、その強烈なレース足は、同時に①着勝負・金田の可能性も消し去った。ふたりの女王を打ち破って、準優6号艇ゲット。選手的にもパワー的にも怖い存在が、不気味な枠番に飛び込んだとお伝えしておこう。

ルーキーズ勝負駆け

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 こちらの予選トップ争いは、昨日の段階で松尾拓(9・60)vs吉川貴仁(9・00)の地元コンビ一騎打ち。今日になっても2Rの①吉川が逃げれば4Rの③松尾が一撃まくり差し、と両雄が相譲らない。

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 だがしかし、ドリーム戦の2点増しがある松尾が10Rの5コースから冷静に捌いて2着ゲット。この瞬間に11Rの吉川&竹井の結果を待つことなく、ルーキーズとシリーズ全体の予選トップを確定させた。地元・応援団長、お見事!

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 一方の6位ボーダー争いは、今節の白組を象徴するような破天荒な“自滅サバイバル”となった。まずは4R、昨日までルーキー組9位の④中村泰平が1周2マークのターン後に振り込み、同6位の②廣瀬篤哉と接触。中村が転覆(不良航法)するわ廣瀬が落水(責任外)で、準優ボーダーは昨日の6・50から5・67まで一気に暴落した。
 こうなると、昨日まで圏外と思われていた面々も息を吹き返す。吹き返すどころか、鼻息が荒くなったであろう花本剛は6R(①着条件)で気合入り過ぎのフライング。さらには9R4着で当確ランプ点灯、となったはずの地元・豊田健士郎がレース後に待機行動違反の裁定を下されて圏外へと転がり落ちた。嗚呼、これで今節のルーキーズはフライング6発(うち2人は非常識で即日帰郷)、待機行動違反2発、不良航法2発……すべて違う選手だから、24人の先発メンバーのうち10人が厳罰を喰らったわけだ。まさに自滅シリーズ。

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 こんなすったもんだの末、ルーキーズの最終ボーダーは5・60まで降下。無事是名馬で地道に中間着を並べ続けた大塚康雅(234433着)が最後の最後に6番目のチケットを入手した。サバイバル戦で生き残るのは、いつだって地に足のついた堅実派なのである(笑)。

 さてさて、流れ的に個人戦に重きを置いたが、一方の団体ブロック戦は今日もプチサプライズ現象が継承された。白組シード(①②③号艇)の番組がふたつも多かったのに、紅組がその白い牙城を2度もブレークアップ!! 5-3と4日連続でルーキーズを駆逐し、総合ポイントでもさらなる大差をつけてしまった。

 紅組2011白組
 (痛み分け1)

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 今日の立役者をひとり挙げるなら、もちろん富樫麗加しか考えられない。評判の高かった28号機が初日からまったく噴かず、昨日まで5565着と紅組の足を引っ張る存在だった。
 が、今日は一念発起でピストン1個とリング2本を交換。この大手術が功を奏して1Rのイン逃げはもちろん、団体戦の4Rは4カドから最内をブッ差して先頭の板橋を鮮やかに捕えきった。明らかなパワーアップを感じたし、そうなったときの麗加の非凡なターンセンスを改めて感じさせる連勝でもあった。明日の団体戦も白組シード番組の4号艇。自力で攻めるだけのストレート足はなさそうだが、展開を突いて2日連続の下剋上ヒロインになるだけのレース足はありそうだ。

明日のブライトホース

4985井本昌也(山口・120期)
明日=3R2号艇&9R5号艇

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 昨日までの“仔馬”たちは「無名だけど伸び盛り」という部分を強調してきたが、この井本に関してはまず今節の足色の良さを伝えておきたい。スリット一撃のパンチ力はないものの、全部の足がいい感じのバランス型。この上位パワー×井本の力量をもってすれば、十分に予選突破も狙えたはずだ。
 が、2日目までスタート勘が合わず、昨日はジカまくりを張られて転覆などなど、リズムを逸したまま予選終了。その持て余した好脚は、明日からの2日間で必ずや好配当に直結すると確信している。

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 で、なぜ機力面から入ったかと言うと、井本は昨日までの“仔馬”よりもすでにレースでの完成度が高いから。「今さらここで」は言い過ぎだが、2017年5月のデビューから1年ちょいで3連対率が2ケタを超え、ここ1年ほどは40%近いそれを維持し続けている。徳山や下関はもちろん、他の地区でも「コイツ、なかなかやるなぁ」と密かに期待しているファンは少なからずいるはずだ。

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 その非凡なターンセンスは、やまと学校時代から折り紙付き。リーグ勝率6・92(卒業記念ファイナルはスタート遅れで4着)の才能はじわじわと全国の水面に浸透し、向こう2年ほどでA級~ヤングダービーまで見据える存在ににりうるだろう。あの足で準優を逃したのは実に残念だが、才能豊かなルーキーが集結した明日の9Rでそのウップンを晴らしてもらいたい。(photos/シギー中尾、text/畠山)