全開、マンパワー!!
初日の2Rでいきなり1033倍の特大万舟が炸裂した。仕掛け人は4号艇の湯川浩司。「最近の4カド湯川はメチャクチャ怖い」は知る人ぞ知る定説だが、いざ実戦はピット離れでドカ遅れ。ぐるり大回りで枠番は死守したものの、パンチ力が半減するスローの4コースを強いられた。
が、それでもスリット近辺からの勢いが半端ない。内でドカ遅れした馬場貴也を超え、スリット同体だった2コース西山貴浩も軽々と叩き潰してイン柳沢一まで攻め倒しに行った。カドでもスローでも、最近の4コースの湯川はメチャクチャ怖いのだな。挙句、地元の意地で応戦した柳沢と大競りになり、外から徳増秀樹と上野真之介が絵に描いたようなマーク差しでズボズボと差し抜けてしまった。今も昔も変わらぬ典型的な大穴パターンだ。
昨日の段階で高橋アナの談話ともども「今節の蒲郡に4カドからあっさりまくり切れるパワーなし」と断じたが、この推論は間違っていない。今日の4カド選手はことごとく攻めきれず未勝利に終わった(2着2回、3着1回のみ。握ってインまで脅かしたのは11Rの平高奈菜くらいか)。
ただ、今日の湯川は違った。これはもう相棒の57号機がどーのこーのではなく、湯川浩司という原動力がスリットのバランス構造を破壊した。今節の蒲郡に超抜モーターがなくとも、ストレートに特化する人間力が新たな兵器を生み出したのだな。下出卓也、酒井俊弘、佐藤悠、梅木敬太などの「チーム福井」を筆頭に、佐藤大佑や藤山翔大などの個性派たちが「できる限りストレートを強化してできる限りまくる」というスタイルを構築している。今節で言うなら湯川が代表格で、他ではややパワーの押し引きがあるものの3・4号艇を得たときの徳増秀樹あたり。もちろん、今日の私も4カド想定の湯川を警戒して4-56などという舟券を買っていたのだが、素直に過ぎました、はい><
強い選手ばかりの記念戦線でイン選手がぶっ飛ぶ大穴パターンは【①ゴリゴリの前付け、②10m前後の強風、③2カド・3カドなどの奇襲、④スリットからケタチで伸びる怪物パワー、⑤伸びに特化するまくり屋】が暗躍したときだ。年間でもっともタイトな勝負駆けシリーズと呼ばれるチャレカでは①=吉川昭男、前本泰和、松井繁etc、③=寺田祥、山口剛etcはもちろんのこと、今節は⑤=湯川、徳増の存在も常に念頭に置いていただきたい。
さて、昨日のパワー鑑定×今日の実戦を付け合わせてみて、さほど見立ては間違っていなかったと思うのだがどうか。
★昨日のパワー番付と初日成績
S級
桐生順平13号機=4号艇2・1号艇1着
村田修次74号機=4号艇3着
A級
寺田祥47号機=ドリーム5号艇2着
杉山正樹62号機=6号艇4着
上平真二52号機=5号艇3着・2号艇6着
磯部誠16号機=6号艇5着・2号艇6着
10Rの道中でハッスルしすぎた上平の6着、好脚を完全に持て余した磯部のゴンロク以外はアンダーパーだし、成績のみならず道中での足色にも随所にキラリ光るものがあった。特に村田と上平の足は、うまく言えないのだが不気味にして強大なポテンシャルを秘めているように見えた。外枠では人気の盲点になる可能性もあり、明日以降もそのポテンシャルがどこまで覚醒するかをしっかりじっくり見据えていきたい。
一方、ワースト級のパワーでもっとも不安視していた守田俊介24号機は、私の願いが通じたか、いの一番にセット交換を敢行。それでも6着&恵まれ3着みたいな着順ではあったが、飛び抜けたワーストから脱出して中堅あたりまでパワーアップしたと思う。明日からも軽視禁物とお伝えしておこう。
さてさて、恒例の賞金ランクをば。
★賞金ランキング
1峰 竜太
2吉川元浩
3篠崎仁志
4毒島 誠
5寺田 祥 9231万
6深谷知博 9224万
――――――――
7菊地孝平◆
8瓜生正義◆
9白井英治◆
10徳増秀樹
11新田雄史 7329万
12平本真之 7328万
13茅原悠紀◆
14松井 繁
15井口佳典◆
16西山貴浩 6490万
17前本泰和 6461万
18守田俊介
――――――――
19池田浩二
20上野真之介6018万
21原田幸哉 5995万
22磯部 誠 5988万
23湯川浩司
24桐生順平
25馬場貴也
27丸野一樹
28上平真二
29岡崎恭裕
31山口 剛
32稲田浩二
33柳沢 一
34篠崎元志
35前田将太
36久田敏之
39杉山正樹
40吉川昭男
43村田修次
45石渡鉄兵
46市橋卓士
※名前隣の◆は今節不参加
今日のところは、あえて「GP参戦やシード、トライアル枠番に関わる重要な戦線で、なおかつ予選4日間で順位が入れ替わる可能性がある激戦地帯」の金額だけをクローズアップしておいた。
★トライアル2nd入りの勝負駆け=寺田vs深谷は5位を獲りきった方が断然有利(現在は約7万円差!)
★現時点でトライアル1stの好枠争い=新田vs平本はなんとなんと約1200円差!
★最終日までに16位を獲りきればGP参戦で有利になる西山vs前本は約29万円差! この両者の対決がもっとも重要かつ過酷になりそうだ。
★ボーダー下位ながら少しでも有利なポジションを得たい上野・原田・磯部の対決は3人並べて約30万円差。
明日からの予選道中は、このあたりの局地戦の動向をハラハラしながら楽しんでいただきたい。当欄では日を追うごとに具体的な当確ラインなどをお伝えするとしよう。
GⅡレディース組のランクを記す前に、特筆しておきたいのはコレだ。
――今日は5・4着と期待外れだったけど、やっぱ遠藤エミ58号機のパワーはこんなもんじゃないぞ!!
レースをご覧になった方なら分かると思うが、今日のエミの敗因は展開がなかったり差し場をちょいと間違ったり、58号の鬼足を存分に生かせない1日だった。でもって、明日は「エミはこの枠がメチャクチャ怖い!」と言われている3号艇の一発勝負! 今日の着順も含めて、明日のエミが3コースからどんだけ激しく攻めるか、多くを書く必要もないだろう。配当的な妙味は薄くとも、5号艇の平高奈菜を絡めてしっかり舟券を的中させたいと思う。
★女子賞金ランキング
1平山智加 3977万
2守屋美穂 3936万
3小野生奈 3560万
4平高奈菜 3474万
5大山千広◆3206万
6細川裕子 2931万
7松本晶恵 2897万
8岩崎芳美 2755万
9香川素子 2751万
10田口節子 2698万
11遠藤エミ 2695万
12大瀧明日香2588万
――――――――
13川野芽唯 2539万
14寺田千恵 2525万
15深川麻奈美2401万
17長嶋万記 2378万
18海野ゆかり2311万
19竹井奈美 2261万
21塩崎桐加 2178万
23平田さやか…本日帰郷
24樋口由加里2098万
※名前隣の◆は今節不参加
とりあえず少人数の女子はすべて賞金を書き込んだが、ロングランの予選道中でもっと注目すべきは【10位・田口vs11位・遠藤】の10位争いだろう。現時点での賞金差はわずかに約33000円! たった1日で逆転がありえるこの僅差で、最終日までに10位を取りきった方が断然有利になるというガチの一騎打ち。体感的にはふたり揃って当確になりそうな気もするのだが、両者の賞金の推移について随所に報告するつもりではある。女王同士のガチバトルを勝ち抜くのは、どっちだ??(photos/黒須田守、text/畠山)