BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――勝負駆け大一番

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 予選トップの稲田浩二は、序盤の時間帯は特別動きを見せてはいなかった。昼と夜では気候がまるで違う。急ぎの整備が必要ではないのなら、静かに始動の時を待つのはむしろ自然なこととも言える。稲田に限らず、準優組では作業を始めていない選手のほうが多いくらいだった。ナイターレースであれば特に、5日目のごく当たり前の光景ではある。

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 対照的に、準優1号艇の群馬勢=毒島誠と久田敏之は、動き出しは早かった。プロペラ調整だけではなく、試運転も1Rが始まる前から行なっていて、これはこれで狙いがあっての行動であろう。2R発売中、二人は同時にボートをいったん陸に上げた。別に共同で作業などをしているわけではないけれども、たまたまタイミングが同じだったのだ。ちなみに、プロペラ室では並んでペラを叩いていることが多く、そのかたわらには松本晶恵もいて、時に話し込む場面も見かける今節である。

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 やはり早くから調整作業をしているのは、まず村田修次。エンジン吊り以外の時間は、ほぼプロペラ室にこもっていると言っていいだろう。SGは11年オーシャン以来の出場であり、準優出にいたっては07年グランプリシリーズ以来。この環境に身を置くのは実に久々ではあっても、そこは名人、落ち着き払っているように見える。

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 原田幸哉もプロペラ調整を進めていた。かたわらにはいつものように柳沢一。その場面を見かけたわけではないが、言葉を交わし合いつつの作業であることは想像がつく。これは調べてみて驚いたのだが、原田のSG優出は今のところ12年メモリアルが最後。もう8年以上も遠ざかっているのだ。そんなに開いてたっけ? 現在は長崎支部でも、蒲郡SGはもちろん特別な一戦。この場所で、久々のSG優出を果たしたいところ。

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 最も大きな動き、ということになろうか。平本真之が本体整備をしている。平本はすでにグランプリのベスト18は当確、その意味では気が楽……ということはないということですね。優勝すればベスト6入りを果たすのだし、何より地元SG。モチベーションは高いままだ。渾身の勝負で、地元の砦を守り抜く気合である。

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 さてさて、女子は予選最終日の勝負駆け。まず気になったのは、1R登場の大瀧明日香だが、1マークは攻めたものの4着に破れてしまった。これで予選突破はかなり厳しい状況となってしまい、今年もまた12位でヤキモキさせられるチャレンジカップとなってしまっている。落胆がないはずはないと思うが、大瀧はキビキビと6Rに向けての準備を始めていた。去年の最終日の姿を見ているだけに、今年はなんとか12位に残れないかと祈りたいのだが。

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 2Rでは竹井奈美が逃げ切り。昨日の12Rに続く連勝で、後半に望みをつなぐ形となった。といっても、やはり安堵や歓喜をあらわすよりも、6Rへの準備に走った竹井。まだ戦いが続く以上は、気持ちを切らせるわけにはいかないのだ。6Rは5号艇。逆転ファイナル行きなるか。(PHOTO/池上一摩 TEXT/黒須田)