BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――いざ準優

●わりと早い動き出し

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 準優メンバーは仕上がりがいい選手が多いので、朝から大きな動きを見せている選手は少ないというのが5日目の常なのだが、今日は全体的にわりと早めに動き出している選手が見かけられた。なにしろ、白井英治が1R発売中に試運転を行なっていたのだ。白井はとりわけゆったりめの動き出しという印象なので、少々驚かされたものだ。2R発売中にはいったんボートを陸に上げ、プロペラ調整に取り掛かった。12Rはドリーム戦と同じ1号艇2号艇の組み合わせで、そのドリームでは峰竜太の逃げ切りを許している。もう一丁、エンジンを出したいというあらわれのようにも見える。

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 秦英悟も動きは白井と同様。朝から試運転をし、2R発売中からはペラ調整に取り組み始めている。白井と情報を交換する場面もあった。今のところ、準優1号艇で緊張している、というふうには見えない。

●ゲージ擦り?

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 一方、予選トップの峰竜太は、ケースいっぱいに入ったプロペラゲージを手に、整備室から出てくるのを目撃した。ということはゲージ擦り、だろうか。今節は整備室近辺に立ち入ることができないので、その様子は確認できていない。いずれにしても、大きな調整は今のところ必要ないということのようではある。ある程度仕上げに納得しての予選トップ、ということか。

●とことんプロペラ調整

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 今節、遅い時間帯までプロペラ調整に励んでいるのを何度か目撃した、その一人が深谷知博だ。予選前半では大きな着を並べたこともあり、調整が急務だったということもあるのだろう。たとえば閑散としている12R発売中のピットに、金属音が鳴り響く。その主が深谷だったというのは複数回見ている。
 今日も朝から、プロペラ調整の手を緩めていない。レースがピットアウトして、12秒針が回り始めるころには、それまで調整をしていた選手も手を休めてビジョンに目を凝らす。しかし今日の深谷は、それでもなおペラと向き合って、ついにはレース観戦もせずにハンマーを振るっているのであった。他選手のレースより自分のプロペラ。そこにはストイックさも宿っていた。

●落ち着きあり

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 SG初出場で予選突破の古澤光紀。節間通して、落ち着いた雰囲気を醸し出していたが、準優の朝も浮足立ったようなところはひとつも見せていない。やはり心安い関係の選手が多いことも大きいだろうか。1期違いで同じ九州の上野真之介。同県同期の小野生奈。わいわい騒がしい(?)西山貴浩。今朝見かけただけでも笑顔を向け合って会話を交わす選手は数多い。もちろん足的にも納得の域ということはあるだろうが、SGの大一番を前にしても落ち着きを見せているのは大きいだろう。自然体で準優に臨めそうだ。

●次から次へと

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 2R発売中に試運転を切り上げて陸にあがった馬場貴也。装着場では、モーター回りやボートなどを布切れできれいに磨いていた。その馬場のもとに報道陣が歩み寄って、言葉をかける。数分話して作業に戻ると、また報道陣がやって来た。また数分話して、しゃがみ込んでキャリアボデーを拭き拭き。すると、またもや報道陣が近寄って、取材を行なうのであった。次から次へとやってくる取材者。実に大変そうなのだが、馬場は快く受け答えをしていたのであった。準優へは滑り込むかたちで進出、それが判明したとき馬場はすでに帰宿していたので、話を聞きたい人も多かったんでしょうね。作業の途中でも面倒くさがらずに接する人格者。だから皆、次々と馬場のもとに足を向けるということもあるんでしょうが(笑)。

●リセット

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 予選トップが見えながらの大敗で、巨大な悔恨を抱え込んだ昨日の平本真之。『週刊BOATBoy』では、まさにその直後の平本に直撃し、話を聞いている。取材など受けたくない心境だったはずなのに、カメラの前に立って率直に心中を話してくれた平本。ぜひご覧いただきたいと思います。
 そのお礼かたがた平本に挨拶をすると、一夜明けてスッキリした表情を見せてくれた。ずいぶんなタイミングで声をかけて申し訳なかった、というこちらの言葉にも、ぜんぜん、と応えてくれている。またお願いします、とも。次は気分のいいときに出てほしいですね。というわけで、リセットできたようです。気落ちなどなく、存分に準優を戦えそうだ。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)