BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――緊張感高まる

●ピリピリ?

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 今朝は昨日よりも緊張感が強くなっているような気がする。予選2日間を終えて、明日が勝負駆け。自身のポジションも見えてきて、さらに賞金ランクを意識するなら、脳裏に描かれる事柄も多くなっているということだろうか。朝イチ、瓜生正義とすれ違う。いつも通り好人物で、柔らかく挨拶をしてくれるのだが、目つきは明らかに昨日よりも強くなっているように感じられた。もちろん、選手たちのそうした様子を身近に実感できるのも悪くない。むしろ頼もしく思えて、素敵だなと思うのである。

●ベテラン同士

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 その瓜生が、ちょうど係留所から整備室へと向かっていた太田和美と顔を合わせた。示し合わせたかのように立ち止まって、しばし会話を交わしている。二人ともマスターズ世代に突入し、もはやベテランと言っていい存在であるが、それがまた不思議な感覚。瓜生を初めて見たのは、まさにこの多摩川、98年メモリアルだったのだが、当時はスーパールーキーと騒がれていたものだった。たしかオール6コースだったなー。その頃のボートレースは、若手は外に出るのが普通だったのだ。それから20年以上が経ち、やはり当時浪速の怪物くんと呼ばれていた太田とこの超一流の舞台で立ち並ぶ。つい物思いに耽ったワタシでありました。

●疲労感

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 2R、田村隆信は3着。といっても、白井英治にかなり追い詰められての3着で、最後もギリギリ粘り込んだものだった。モーターは悪くないはずなのだが、初日2日目は6着6着。少々巻き返した格好ではあるが、スッキリできるレースではなかっただろう。ピットに戻った田村はとにかく苦笑い。3着に粘った安堵感のようなものは伝わってこない。むしろ疲労感がにじむレース後だったのである。うーん、もっと力強い田村が見たい! 後半8Rは奮闘を見せて、明日の勝負駆けにつなげてほしい。

●濃くない……

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 2Rでより疲労感が強く見えたのは、シンガリ負けの徳増秀樹だ。徳増も好モーターを引いたはずなのに、なぜか冴えない予選道中。1マークはかなりの差し遅れといった格好で、あっと言う間に後退してしまった。徳増らしい「濃い」レースを魅せることができていないのは、やはり寂しいと言うしかない。この6着でかなり追い込まれたことを自覚しているのだろう、顔つきも深刻だったのが実に心配だ。チャレンジカップは34人参戦なので、ボーダーの得点率は下がる傾向にある。後半10R、諦めることなく濃いチャレンジを!

●ただただ淡々

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 2Rは白井英治の前付けがあって、スロー5艇は(丸野一樹は単騎ダッシュを選択)かなり深い起こしとなっている。それでも怯まず、稲田浩二はきっちりと逃げ切り快勝。この勝利は価値が高いし、予選突破に向けても大きな1勝となった。
 でも、稲田の表情は変わらないんだよなー。喜んでいるのかどうかもわからないくらい、淡々としたレース後なのである。ド派手なイナダッシュぶりとは裏腹に、ピットではむしろ地味な部類。今節、チャレンジに成功したときには、激しいアクションを見せてくれるのだろうか。それが楽しみではあるのだが……。

●本体整備

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 三島敬一郎が、今節の隠し玉モーターとしてあげているのが66号機。昨日の9Rでは、実況でも「BOATBoyの三島敬一郎さんが……」と取り上げてくれていたものだ。これを引いたのは田口節子だが、ここまでその片鱗を見せているとは言い難い。ゴンロクを並べてしまっているのだ。
 今朝、田口は本体を外した。整備に取り組み始めたのだ。このままではダメだと、大きな作業を決意したということだろう。三島も認めるパワーを引き出せるかどうか、9Rに注目!

●3着でも

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 1R、5号艇5コースから3着に入った中田夕貴は、レース後、桐生順平に大きな笑顔を向けていた。初戦は転覆、昨日は6着。桐生先輩にアドバイス、あるいは激励の言葉を授けられていたのだろうか。3着とは言えども、ひとまず舟券圏の走りができたことで、桐生先輩にその成果を見せるかのようなスマイルなのであった。桐生も笑顔を返して、中田の心中には明るさが宿ったに違いない。残り3日、この大舞台でしっかりと見せ場を作って、女子ファン以外の人たちにもおおいに名前を売ってください!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)