田頭実が前付けした2R。井口佳典は田頭を入れて4カドを選択している。軽快な行き足で攻めていく田頭を見据えて、井口は渾身のまくり差しハンドル。これがズバリ突き抜けた。時に枠にこだわらず決然とダッシュに引いて、爆発的な攻撃を繰り出すのが井口佳典。まくり差しではあったけれども、まさに真骨頂!
会心の勝利にそりゃあもう、ピットにあがった瞬間から笑顔なのである。出迎えた面々も笑顔なのだから、井口も感情を隠さない。やはり快勝劇は見ているほうも気持ちいいものですね。
田頭もまた、爽快な表情を見せている。外枠から前付けし、スリットから出ていってのまくり攻撃は、これもまた田頭の真骨頂! このところSGではあまり発揮できていなかったのだが、今節は違うとばかりに田頭らしいレースが炸裂。井口とレースを振り返り合うときには、ちょっとだけ顔をしかめた瞬間もあったが、差されることも厭わずに強気に攻めたのだから、あとは差した井口を称えるのみ。最後は男っぷり満点の笑顔を井口に向けたのだった。うん、カッコいい!
1Rを逃げ切った永井彪也はといえば、柔らかい表情ではあったものの、首を傾げながらの帰還なのであった。2マーク手前でなぜか舳先が浮き、バランスを崩しかけてターンマークを漏らしているのだが、そのあたりに対する懸念だろうか。椎名豊や関浩哉とはアクション付で話し込んでいたが、身体が浮き上がるようなポーズはおそらくその2マークの場面であろう。昨日はセット交換、今日はキャリアボデー交換でいるから、そもそもの足には不満があったはず。まだ挙動が安定しないのであれば、勝利の安堵はあっても、完全に心が晴れるとはいかないのだろう。
むしろ2着の末永和也のほうが、明るい表情に見えたのは気のせいだろうか。末永はセット交換での出走となっており、新開航との2番手争いに競り勝っている。気配が上向いた感触があった? 出迎えた峰竜太も笑顔を末永に向けており、足色に目途がついたのかも。だとすれば、内枠を連続2着発進からの、外枠が回ってくるここからが試金石。まずは3号艇で登場の8Rに注目しよう。
さてさて、今日も朝から試運転や調整に選手たちが忙しく動き回っている。本体整備は菊地孝平。初日は5着3着とやや消化不良。もっとも5号艇6号艇の外枠デーだった。今日は7R4号艇。おぉ、末永とは反対に、外枠をすべて消化するわけか、予選前半で。ならばこの整備が当たっていたら、明日からがおおいに楽しみになってきますな。ちなみに、表情や雰囲気自体は決して悲壮的ではなく、むしろ柔らかい感じがあった。
9R登場の菅章哉は、早くも精力的に試運転とペラ調整を繰り返している。5号艇での出走だから、今日もチルトを跳ねるはず! ただ、コメントによると3度とは限らないとのことで、マックスに跳ねることにこだわらず、最も伸びる角度を探す一日となるのだろう。あるいは3度にするにしても、その取り付けでの伸びに磨きをかける一日。初日は6着2本で、このままでは終われない。必死にまくれる足を模索する菅にはやはり注目し続けなければならないだろう。(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)