BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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TOPICS 3日目

団体戦ダイジェスト

 今日は1Rのレディース戦で①小池礼乃、⑤高憧四季、⑥宮崎安奈が集団フライング……スタ展の向かい風⇒本番直前に追い風というもっとも嫌らしい風の変化にアジャストきれなかったようだ。賞典除外(+団体戦Vでも副賞10万円はアウト)になった3選手にとって激痛なのはもちろん、紅組にとっても大なり小なりの戦力ダウンになりそうだ。
 一方、白組では4R④三馬崇史が1マークで振り込み、②森智哉と接触してかなり派手な転覆失格(選手責任)。8R3号艇への影響が心配なアクシデントでもあった。そんな流れも含めて、5R~12Rの団体戦ダイジェストをどーぞ。
<団体戦の簡単な判別方法>
 どっちかが1・2着、1・3着を取りきれば、4着以下はどんな組み合わせでも勝利確定。それ以外の混戦モードは「6着を取った方が負け」なので、最後方に目を向けてチェックすべし(選手責任事故が発生した場合を除く)。

【5R】高山がイン通算2勝目!
①高山弘斗②高井雄基③若林樹蘭
④宮崎安奈⑤清水紗希⑥宇野弥生

 チルト1.5の清水が5コースから突出アタック。まくりきる勢いに見えたが、内枠勢の動きを見てまくり差しを選択。この差しハンドルは引き波で入りきらず、130期の高山がインから残してまんまの逃げきりを決めた。3月から内コース解禁してインコースは7戦2勝目。人気の盲点のイン逃げは16990円の高配当を演出した。
※団体戦は1着・高山に加えて樹蘭がなんとか3着を取りきり「1×3着の法則」で白組の勝利。それにしても、樹蘭のレース足はかなり頼りなさそうだ。
紅組8-9白組

【6R】ダークホース岩下の暗躍
①富樫麗加②上田紗奈③中澤宏奈
④岩下巧斗⑤金子龍斗⑥渡邉健

 初日から不気味なレース足で暗躍している岩下が、ここもスリット前からひと伸び。まくりきれる勢いにも見えたが、中澤の猛ブロック。岩下のパンチ力が鈍ったところ、イン富樫がくるり早逃げでシリーズ初勝利を決めた。それにしても、今節の岩下は名目勝率3.30とは思えないレースっぷり。機力だけでなく実力も伸び盛りを迎えているムードだ。
※団体戦は2着・岩下に続いて白組団長・渡邉がしぶとく食い込み混戦モードに。「6着を取った方が負け」の状況で紅組の中澤がシンガリとなり、白組がブレイクを決めた。
紅組8-10白組

【7R】ド迫力の一騎討ち
①津田陸翔②前田滉③青木蓮
④清埜翔子⑤安井瑞紀⑥山下奈緒

 初日から実戦足が光っている津田と青木がバック一騎討ちムードに。コースの利で津田がゴイゴイ逃げを決め込んだが、青木の追い上げも半端ない。ちょっとでもミスったら逆転しそうなノーズトゥテイルの接戦は、先行する津田がしっかり旋回して突き放した。オール2連対だった紅組のエース格・清埜は4番手から3着に食い込むのがやっとだった。
※団体戦は文句なしの「1×2着の法則」で白組の3連勝。一気に紅組を3ポイント突き放した。
紅組8-11白組

【8R】
①前田紗希②喜多須杏奈③深川真奈美
④河内一馬⑤三馬崇史⑥中野仁照

 パワー劣勢の2コース喜多須が凹んだところ、3コース深川がえぐり込むようなまくり差し一閃、バック直線で一気に突き抜けた。深川は前半3Rでもアウトから非凡な実戦足を見せており、昨日までより上積みがあったはず。逆に叩かれた喜多須はなんとか3着を取りきったが、パワー劣勢は否めない。
 一方、白組の切り込み隊長として活躍していた仁照が2マークに激突して転覆(選手責任)。昨日の黒須田との談話で「事故だけはしないように」と自戒していたが、残念な頓挫になってしまった。人機ともに影響がなければ良いのだが……。
※団体戦は仁照の責任転覆もあったし、着順も3-1-2でどっちにしても紅組の圧勝! 白組の連勝を3で止めた。
紅組9-11白組

【9R】紅組の星・蒼の快勝
①中山翔太②國分将太郎③中野孝二
④大豆生田蒼⑤小池礼乃⑥島倉都

 こちらも2コース國分がドカ凹み。外から覗いた孝二&大豆生田のセンター2騎が、ツープラトンでまくり差しをブチ込んだ。軍配はバック直線で鋭く伸びた大豆生田。やはりレース足は軽快で、紅組に明るい希望を与える1着快勝。同時に差した孝二は、同じ白組の中山~國分にも抜かれて4着まで。大豆生田とは対照的に苦し気な足色だった。
※団体戦は外の紅組・大豆生田が勝ったものの、後続が続かず234着を白組が独占。紅組のブレイクには至らなかった。
紅組9-12白組

【10R】水神祭の壁
①中澤宏奈②湯淺紀香③田村美和
④横田海人⑤相馬翔⑥森智也

 ダークホース横田が4カドから突出。そのまま豪快な締めまくりで「デビュー178戦目の水神祭??」と期待が膨らんだが、1マークは強い追い風に煽られて失速。まくられながらもインからくるり小回りした中澤が、そのまま先頭で押しきった。まくり切れなかった横田は、道中の接戦で田村~湯浅にも抜かれて5着フィニッシュ。まくってハナに立てば押しきれたはずで、実に口惜しい水神祭アタックだった。
※団体戦は道中の追い抜きで紅組が上位独占。8Rの3-1-2も含め、紅組のグランドスラムは白組を上回る5回に及んだ。。
紅組10-12白組

【11R】ワニ56号の鬼足
①鰐部太空海②村松栄太③塚越海斗
④小林愛実⑤樫葉新心⑥高憧四季

 凄い。インの鰐部がスリットから出て行く出て行く!! 1マークまでに外を2艇身近くブッチギリ、1マークは握りすぎて村松の鋭角差しを喫したかに見えたが、そこからまた猛烈な伸び足で2マークまでに軽く2艇身は千切り捨てた。レース後の談話が恐ろしい。
「いやぁ、スタートがよく分かんなくて、2回放ったんですよ。それであれだけ出て行きました」
 つまりは出足も行き足も伸び足もモンスターということ。私は江戸川の絶対エースは23号機と決めつけていたのだが、今節は「アリゲーター56号機とのWエース」と改める必要があるだろう。見た目の派手さでは登玉23号機より上だし……。
※団体戦は「やられたら……」毎日書いて飽きてきたが、白組もすかさず1-3-2で5回目のグランドスラムで紅組と肩を並べた。団体ポイントはさらに突き離して3点差に。
紅組10-13白組

【12R】A1のチカラ
①中川りな②佐藤ほのか③平田さやか
④前原大道⑤登玉隼百⑥坂本雄紀

 Wエースの片翼・登玉23号機が、4カド前原の猛まくりに連動して鮮やかなマーク差し一閃。展開一本とはいえ「さすが23号機!」と叫んだものだが、2周1マークでありえないほどのターン漏れ。A1戦士・大道がすかさず強烈な差しハンドルをねじ込み、大逆転の1着をもぎ取った。スリットから巡り巡って、A1らしい強い1着と言えるだろう。
※3番手も坂本がキープして「4-5-6の外枠グランドスラム??」と思いきや、紅組の平田団長が意地の追撃で3着をもぎ取った。それでも団体戦は白組の圧勝フィニッシュ!

3日間の総合ポイント
紅組1014白組

明日のブライトホース

ダイアン公認のゴイゴイマン

5222津田陸翔
つだりくと
129期・広島

 129期の湯淺紀香さまが、初日の勝利インタビューの〆に「ゴイゴイスー!」。もちろん、同期の“津田”がいればこそのセリフだ。紀香さまに敗れて2着だった津田(つまり、どっちが勝っても「ゴイゴイスー!」だった)は、その後も順調に上位着を量産して2231着。今日のイン戦でも同期・青木蓮の強まくりに耐えきって3日目を終えて白組の暫定4位に付けている。

「足は良いと思います。青木君にはターン回りでちょっと劣勢、スリット近辺の行き足はコッチが上だったかも……ゴイゴイスー―!!」
 と、機力にもそれなりの自信を覗かせた。
 養成所リーグの成績は6.41。青木の7.36に及ばず樹蘭の5.91よりちょい上で、養成所チャンプ決定戦は6号艇6着で修了式を迎えている。
 デビュー後はなかなか勝ちきれず、水神祭は1年1カ月後の177走目。2年目も低迷が続いたが、3年目からは一気に成長曲線が上昇! 年別の成績はこうだ。

           勝率 1着率 平均S
2021年 1.71   0.0   0.15
2022年 2.41   0.6   0.17
2023年 4.42   5.0   0.16
2024年 5.51  10.5     0.15

 あっという間に5点台に突入し、今年は昨日まで「ゴーゴイスー」の高率(笑)。この勢いなら来年はA級も十分にありえる。またデビュー年からコンマ15というタイミングはなかなかに秀逸で、非凡なスタートセンスの持ち主ともいえるだろう。

 ゴイゴイスー旋風が吹き荒れる今節。チャーリー池上の情報によれば「ゴイゴイスーパンツを作るときに、SNSで本家『ダイアン』津田の了承をもらったそうです!」とのこと。そこまでやったからには、最終日の表彰台のてっぺんで声高に叫んでもらいたい。初優勝の雄叫びとして。(photos/チャーリー池上、text/畠山)