BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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TOPICS 2日目

団体戦ダイジェスト

【5R】いきなりブレイク!
①佐藤ほのか②前田紗希③中川りな
④國分将太郎⑤村松栄太⑥相馬翔

 インほのかがやや凹み、スリットから力強く覗いた紗希が1マークの主導権を奪った。が、団体戦を意識したかどうか、紗希はジカまくりを自重し待って待っての差しハンドルを選択。ここまで待つと、外の攻撃も破壊力を増幅させる。二番差しの國分が、紗希よりも早くブイ際をシャープに差し抜けた。昨日5・6着の紗希は機力に自信がなかった可能性もあるが、國分との先頭争いではそれなりにしっかり旋回できていた。
 今日が23歳バースデーの相馬は、3番手のほのかを捕まえきれず4着フィニッシュ。枠番もきつかったが、ほろ苦い誕生日となった。逆に回り足が粘り強かったほのかは要注意。現状、V候補の中川はちょっと厳しい足色だ。
※団体戦の簡単な判別方法/どっちかが1・2着、1・3着なら4着以下はどんなでも勝利。それ以外の混戦モードは「6着を取った方が負け」なので、最後方に目を向けてチェックすべし。このレースがまさに混戦モードで、中川が6着を取ってしまった紅組が好枠でのブレイクを許した。
紅組5-4白組

【6R】白、3度目のグランドスラム
①前原大道②中野仁照③中山翔太
④島倉都⑤宇野弥生⑥田村美和

 スリット隊形は白組スロー勢が完全制圧。イン前原がややターンマークを外したところ、無傷の3連勝を狙う仁照が鋭い差しハンドルで肉薄。舳先がちょい刺さったが、前原が軽く絞めつつギリギリ逃げきった。「同期の國分のアドバイスでチルト1度にして回転アップ、昨日よりしっくりきた」とのことで正解を得たようだ。昨日の伸び足が強力に見えた中山は、今日は他と変わらない見え方だった。スタート負けの紅組の中では最古参の田村が4着と奮闘。やはり12号機のレース足は侮れない。
※団体戦はスリット段階で白組の勝利が約束されたか。1-2-3決着で今節3度目のグランドスラムで総合ポイントもタイに戻した。
紅組5-5白組

【7R】四季の巻き返し
①高憧四季②宮崎安奈③湯淺紀香
④横田海人⑤高山弘斗⑥岩下巧斗

 昨日2・3コースで4・6着と這ったV候補・四季が、絶好枠で待望の1勝を挙げた。明日からの外枠ラッシュでどこまで巻き返せるか、底力とパワーアップに期待したい。私が伸び足に期待した紀香さまは、前半3Rから昨日ほどのパンチ力が感じられず。むしろ、前半1Rをしっかり逃げきった安奈のしぶといレース足が目を惹いた。
※団体戦は、まさに「やられたらやり返せ!」。スリット隊形で外のルーキー3騎を圧倒~バックで早々に123態勢~着順123654まで6Rと瓜二つのレース内容で今節2度目のグランドスラムを実現させた。女の意地は怖い?
紅組6-5白組

【8R】
①青木蓮②若林樹蘭③坂本雄紀
④中澤宏奈⑤山下奈緒⑥小池礼乃

「やられたらやり返されたらやり返し返せ!!」 なんか昨日も似たようなことを書いたが、昨日の8R~10Rとまったく同じような流れで白-赤-白の3連続グランドスラムが成立した。しかも今日は3連続で内から行った行った行ったの1-2-3ダァーーッ決着。金太郎飴のような展開で書くことも少ないのだが、逃げた青木のストレート足は昨日より“ゴイゴイスー”になったはず(笑)。逆に2着の樹蘭はバックで青木に千切られ、道中でも頼りない足色で明らかに劣勢パワーと鑑定している。
※今節4度目の上位独占で白組圧勝。
紅組6-6白組

【9R】恐るべきワニまくり!!
①安井瑞紀②平田さやか③大豆生田蒼
④河内一馬⑤渡邉健⑥鰐部太空海

 出た―――、鰐部が江戸川名物の打ち上げ花火=アウト6コース大まくりを炸裂だ。展示タイムから6.77という怪物級の数字(このレースの2番目は6.99)を叩き出し、やや後手にも見えたスタートから凄まじい伸び足で内5艇を一気に呑み込んだ。なんちゅうストレート足!
「エンジンがいいんで狙ってました。無理かな、まくり差しかな、と思ったけど、行けちゃいました」
 破顔一笑のワニまくりだった。これで昨日から546号艇で141着。明日からさらにポイントアップが望める内枠ラッシュだが、もっともっと外枠の“人喰いアリゲーター”を見たいと思うのは、私だけ??
※団体戦はこの痛快アウトまくり&渡邉団長の3着粘り込みで外枠白組が殊勲のブレイク。団体ポイントでも紅組をまくりきった。
紅組6-7白組

【10R】
①登玉隼百②三馬崇史③前田滉
④富樫麗加⑤樫葉新心⑥小林愛実

 前半4Rで豪快な4カドまくりを決めた登玉23号機が、今度はインからしっかりガッチリ押しきった。4R後に「びゅんびゅん伸びるけど、自分の好きなタイプではない。もっと手前が欲しいし乗り心地も欲しい」と複雑な心境を吐露し、ここを逃げきった後も「直線は節五」とか「節三」とか言いつつ、やはり「手前が欲しい、でも、この伸び足を知ってしまうと……」などと揺れ動いていた。421号艇を211着で突進した登玉が、外枠が増える明日以降をどんな調整で臨むのか。これが個人優勝を占うキーポイントになる可能性もありそうだ。
※団体戦は逃げて差して、早々の1-2隊形で白組の3連勝が約束された。1-2-6で5度目のグランドスラムとはならなかったが、紅組に2ポイントの水を開ける快勝。
紅組6-8白組

【11R】
①上田紗奈②深川真奈美③清水沙樹
④高井雄基⑤森智哉⑥金子龍斗

 スリット手前で3連勝を狙う清水が覗いて見えたが、目に分かるアジャストでスリットはほぼ横一線。1マークは逃げる上田vs差した深川の一騎打ちとなり、バック直線で伸び勝った上田がしっかりと1着をもぎ取った。前半6着からターン回りにまだまだ難がありそうな見え方だが、ことストレートでは深川を圧倒する見え方ではあった。足色的には明日以降もスタート一撃決着を警戒したい。
※団体戦は清水が金子との熾烈な3着争いに競り勝って上位独占。3度目の紅組グランドスラムを成功させた。
紅組7-8白組

【12R】
①清埜翔子②宇野弥生③喜多須杏奈
④塚越海斗⑤津田陸翔⑥中野孝二

 V候補の清埜がインから唯一のゼロ台発進で危なげなく押しきり。221着とオール2連対で予選を折り返した。2着も2コースから差して追随した宇野。心配なのが実力者の喜多須で、1マークからズルズル後退してまさかの666オーメン折り返し。鳴門も荒れ水面が多いだけに、ワースト級の機力劣勢に苦しんでいる印象だ。白組では5コースから宇野にゴイゴイ詰め寄った津田のレース足が光って見えた。
※団体戦は女子の強豪ふたりが上位着を固めた紅組の2連勝。6-8からしっかりと帳尻を合わせた。

2日間の総合ポイント
紅組88白組

明日のブライトホース

眠れるまくり怪獣の卵

5122相馬 翔
125期・埼玉
明日【2R2号艇・10R5号艇】

 今日、23歳のバースデーを迎えた125期の最年少レーサーだ。同期の絶対エースと言えば、5月オールスターでSGタイトルを奪取した5121定松勇樹。誕生日はわずか2カ月違い、登番で1個だけ下の相馬にとって、定松は養成所の頃から眩しすぎる存在だったか。養成所のリーグ成績は定松7.81⇔相馬5.27。

 デビューしてからも定松の快進撃(34優出10V)は続き、さらに同期の砂長知輝(去年2月の芦屋レディースvsルーキーズで初V)や香川颯太らも優勝を遂げる中、相馬はまだ優出すらしていない。うむ、こうして同期と比較するとディスってるようだが、相馬クンには特筆すべき才能がある。それは……まくり「怪獣の卵」! デビュー以来の2~6コースの主な決まり手を並べてみよう。

     まくり/まくり差し/差し
2コース 5/0/2
3コース 4/1/0
4コース 3/3/0
5コース 2/2/0
6コース 3/0/0
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トータル 17/6/2!!

 まくり水面の戸田がホームプールとはいえ、「どんなコースでも握って自力で攻める」という特攻スタイルは天晴れの一語。デビューから4年半で【差し1着】が2コース2本のみという極端さも実に私好みだ。

 もちろん、自力で攻める選手はへぐるとゴンロクになりやすい。それが期別勝率の伸び悩みにつながっているかもだが、握って攻める姿勢は必ずや未来の糧になるはず。明日の相馬クンは2号艇と5号艇。現状の59号機はさほど伸びるタイプじゃないけれど、気合パンパンのスタート攻勢でジカまくり&5コースまくりで1日遅れの誕生日を祝ってもらいたい。(photos/チャーリー池上、text/畠山)