初日の全レースの中で、私・畠山の目を惹いた選手やモーター、逆に劣勢にしか見えなかった人機を徒然なるままに書き留めたい。明日の舟券作戦に少しでも役立ててもらえれば幸せでありまする。
【1R】激痛ボーンヘッド
①日高逸子/③落合直子のまくり差しを浴びるも、バックしっかり伸びて逆転まで許さず。2マークは力任せのツケマイで落合を競り落とした……かと思いきや、2周ホームのスタートライン前後で落合とのポジションを見間違えて優先艇保護違反=賞典除外に。「2500勝の女傑も筆の誤り」というかなんというか、激痛のボーンヘッドをやらかしてしまった。地元の重鎮としても残念なV戦線離脱だが、相棒25号機の行き足はかなり強力。地元の意地も相まって、「最終日まで絶対に軽視禁物」とお伝えしておく。
③落合/勝ちきれなかったが、3コースからイン日高を苦しめた割り差しは切れ味抜群! 相棒の39号機は27%のワースト級ながら、直前の中間整備(ギヤケース交換)で明らかに上昇ムード。数字でバカにされるようなら「舟券的に美味しい強豪レーサー」として重用したい。
※⑤中里優子は選手責任の落水⇒負傷帰郷
【2R】智紗衣24号の鬼パワー
④廣中智紗衣/昨日から出足~行き足がキラキラ輝いていたが、実戦でも強烈無比。バック3、4番手あたりから、2マークの小回り一発で2番手を取りきったレース足はSランクを授けていいだろう。24号機を有力な節イチ候補に指名する。
※一方、前検で軽快に見えた③堀之内紀代子74号機はいざ実戦でまったく伸びなかった。な、なぜだーーーー??(涙)。
【3R】F2でも軽視厳禁
⑥山本梨菜/福岡の6コースは遠く、最内を差したがまったく届かずバック最後方。そこから粘り強く追いかけ回し、最終ターンマークで古豪・中谷朋子も捕えて4着入線した。F2持ちだけにスリット後手後手になりがちも、相棒の16号機はなかなかにパワフル。今後も2、3着に食い込んでの配当爆上りを警戒したい。
※裏を返せば、梨菜に抜かれた④朋子や差を詰められた③寺田千恵(1着もありえた展開から伸び負けでズルズル3着)らの機力が劣勢と見るべきだろう。
【5R】やはり抜群、千明26号機
④土屋千明/三島敬一郎と地元のヌシ記者がともにイチ推しの26号機、やはりタダモノではなさそうだ。スタート展示も本番も4カドから出足・行き足の加速感は文句なしの◎! スリット後の伸び足は一息だったが、二番差しから引き波を超える押し足もゴキゲンだった。乗り手は4コースまくり0に対して「3コースまくり6・差し0」という3コース特攻タイプ。3号艇が待ち遠しい人機だ。
【7R】美翼52号機にご用心
⑥後藤美翼/3R⑥梨菜とほぼほぼ同じ論旨⇒6コースからのGI初挑戦、セオリー通りの最内差しは届かなかったが、道中追って追って追いかけ回して4着を取りきった。展示タイムも上々の6.94を叩き出しており、明日以降も怖い存在だ。F2梨菜とは違って一本持ちだし、スリットからの猛攻も警戒しておきたい。
※逆に美翼の競り合いに負けてズルズル6着惨敗した⑤小野生奈の足は不安しかない。
【9R】鬼足PART2
①廣中智紗衣/2Rの被せになるが、やっぱ智紗衣24号機のレース足はヤバい。インからスタート凹み~②滝川真由子に差し抜かれる展開だったが、出口からの推進力が鬼の一語。あっという間に真由子を突き離し、2マークでも鋭い差しを放った真由子をあっという間に置き去りにした。文句なしの節イチ候補。
※9レース目にしてはじめて6号艇6コースから3着に滑り込んだ山川美由紀41号機のレース足も見どころたっぷり! 地元のヌシ記者の戦前評価は【C↑】と激辛だが、もしかしたら【↑】の上げ幅が半端ないのかも?(笑)
【12R】最強アリサ
①浜田亜理沙/イン逃げ圧勝すぎてどんだけ機力が後押ししたか分からんが、選手の強さは痛いほど分かった。スタートはやや後手を踏み、1マークも少し漏らし気味だったのに、くるり旋回したらば出口で3艇身ブッチギリ。男勝りのターンスピードはもちろん、サイドをあまり掛けずに旋回するから、ハンドルを戻すときも艇がまったく暴れず前に前に推進して千切る感じ。これってSGのトップ級の何人かと同じような見え方なのだな。その凄さを証明するように、上りタイムも別格の1分51秒6。浜田亜理沙という選手そのものがSG規格だと再確認させられるイン逃げだった。
※亜理沙にはまったく届かなかったが、⑤渡邉優美の全速まくり差しもSGで通用するレベルに見えた。
初日の全レースをつらつら眺めての特記事項。
★V候補や実力者に凡パワーが多い=戦国模様と呼ぶべきか、有力なV候補たちの足色があやふやで、大きな着を取るケースが目立った。筆頭格は6・4着の小野生奈。後半は確勝を期したインコースで1マークだだ漏れ。明らかにミスターンだが、劣勢の機力が足を引っ張った可能性は高い。他にも5・6着の中谷朋子、6着の宇野弥生などの実力者も明らかに劣勢な足色だった。
★GI初出場の若手にチャンスあり!?=本文でもちょいと触れたが、舟券の盲点になりそうな若手レーサーの足色がなかなかに強力。とりわけGI初出場の後藤美翼、山本梨菜、上田紗奈のレース足が軽快で、どこかしらで大穴をこじ開けそうなムードが漂っている。
★節イチ候補は智紗衣24号機vs千明26号機の一騎討ちか=智紗衣24号機の鬼足に関しては本文でしつこく書いた。明日の11R5号艇で2着までに食い込むようなら、GI初Vの夢が膨らむだろう。で、節イチを争う筆頭候補は、おそらく土屋千明26号機。まだ未知数の部分は多いが、今日の5Rのレース足は実に力強かった。明日は3R1号艇での逃げっぷり?に注目したい。(photos/シギ―中尾、text/畠山)