BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

始めましての若者たち!の前検ピットから

 ピットへの通用口を入ると、すぐ目の前に屋外のプロペラ調整所がある。そこでペラを叩いていたのは仲道大輔。相当な強度で、何度も何度もガンガンガンガン叩いていた。それも、着水しなければならないギリギリの時間まで。大慌てで着水し、工具を装着場に運んできた仲道は「かなり急かされちゃいました」と苦笑い。それくらい、早くも徹底してペラを叩いたのである。チルトを跳ねて伸びを引き出すこともある仲道だけに、自分の形に叩き変えていたとするなら、楽しみではある。ただ、引いた53号機は三島敬一郎が高く評価しているモーターなんだよなあ。ペラがずいぶんと変わった形をしていたとのことだが、それで噴いてたわけだし……。これが足色にどう影響するのか、注目してみよう。

 で、途中で仲道の隣に陣取ったのが堀之内紀代子! チームN道! 今節はこの2人が揃っている! 楽しみ! 両者の絡みを見たいと思っていたら、前検日にもう見られるなんて。堀之内が蒲郡に参戦した際、前節で仲道がチルトを跳ねていたモーターを引いて、そのまま乗ってみたのが、堀之内チルト3度道の始まり。支部は全く違うけれども、二人につながりが生まれたわけだ。このところの堀之内はチルトを跳ねて結果をなかなか残せていないだけに、この同時参戦がひとつのきっかけになるかも!? 徳山はチルト2度までしか使えないが、両者がどんなセッティングで出走するのか、外枠時には注目したい。

 ところで、「ルーキー」の定義は登録6年未満の選手。年度で動くことが多いボート業界ではあるが、ルーキーの定義に関しては年次を用いていて、1月1日時点での登録6年未満ということになる。つまり、この1月でルーキー世代は更新されて、122期と123期が卒業。124期が最上位期ということになった。今節では佐藤航と高憧四季。高憧はもちろんレディース軍だから、ルーキーズで最も先輩は佐藤ということになるわけである。で、その佐藤が前検航走後にウロウロしているのである。何かと思えば、「前検タイムが貼り出されているところ、知りません?」。競技棟には我々が入れない場所もあるので、こちらも知らないんですけど、コウくんも知らないの?「僕、徳山、初めてなんですよ」。マジ!? ルーキー最上位期ということはデビューしてほぼ6年。なのに今まで徳山斡旋がなかったとは、なんとも意外である。こういうめぐり合わせもあるんですなあ。水面ももちろん初めてで、まずは慣れることが重要となりそうだが、しっかり克服して得意水面にして帰ってくださいね。

 今回初めましてのルーキーも数多く、また女子でも初対面の選手が何人かいる。たとえば地元の福山恵里奈。126期ということは、野田彩加と同支部同期となるわけか。野田はレディースオールスターにも参戦しているわけだが、現在はまさに投票期間中。今節は目立った走りを見せて、ぜひ票を集めて同時参戦を!

 ルーキーでは、ピットでは初めましてだが、実は初めましてではないのが藤井公人。下関チャレンジカップ時に、西山貴浩らを車で送ってきたのが藤井だったのだ。もちろん西山らを下ろすと福岡にすぐに帰っていたわけで、あれから2カ月、その走りを目の当たりにするのが楽しみではある。で、そのときには気づかなかったのだが、藤井くん、デカい! こんなに長身だったのか! 公式プロフィールでは177cm。これ、どうやらボートレーサー長身記録を更新するものらしい(それまでは鈴谷一平の176cmだとか)。これは売りになる特徴だぞ! ぜひ活躍して、長身レーサーとして話題を集めてほしいですね。減量は大変だろうけど、頑張れ!

 初めましてで当然なのは、今節登番が最も若い庄島潤成。135期だから、昨年11月にデビューしたばかり。なんと今節がデビュー5節目です。そりゃあ会ったことがあるわけがない。このキャリアで、この大会に呼ばれましたか。戸惑うことも多いだろうけど、頑張れ! 同期はいなくて不安もあるだろうけどね。今日はやはりエンジン吊りなどのときには八面六臂。実に忙しそうに動き回っていた。山口支部で地元とはいえ、徳山は初参戦なので、ピットの中もわからないことは多そう。男女混合戦も初めてで、女子の先輩に気を遣うことも多いかもしれないけど、デビュー2節目で松井繁、桐生順平らと一緒になってるんですよね。いきなり王者と同斡旋! いきなりいろんな体験をしているのはプラスになるはずなので、一節大変だろうが奮闘を!

 なお、その庄島と井上慧人、草川壮良がデビュー未勝利であります。今節、ぜひ水神祭を見せてください!(PHOTO/池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)