徳山リベンジロード①
9R
①大峯 豊(山口)14
②中島孝平(福井)10
③吉田裕平(愛知)13
④羽野直也(福岡)13
⑤吉川元浩(兵庫)09
⑥深谷知博(静岡)07

長州侍の一番手・大峯がなんとかかんとか逃げきった。スタートは手前で少し放ったか、同体から2コース中島にじんわり覗かれる見え方。そこから伸び返した大峯はややターンマークを外して強めに握った。まくられ率より差され率がかなり高い大峯らしいインモンキー。

隊形的にもパワー的にも、私は中島の一番差しが届くと見たのだが、出口で期待したほどの迫力がない。代わって3コースから豪快に握った裕平と、4カドから1マークを舐めるように差した羽野が大峯に肉薄する。中島はその真ん中をねじ込もうとしたが、ストレート足で先行する3艇に取り残された。

逆に、バック直線で力強く進んだのが大峯だ。やはり今節の42号機はこのあたりが強い。そこそこのアドバンテージを得て2マークを先取りし、これでファイナル1番目のチケットは決定した。独断パワー評価も伸び主体のトータル上位【出B+・直A+】で据え置きたい。

もう1枚は外の裕平か、内の羽野きゅんか。結果は外から外へ全速で握り倒した裕平の完勝。今日の無風ベタ水面は3コースにやたらと有利だったのだが、このレースも1マーク~2マークともに委細構わず握った裕平に軍配が上がった。水面環境のみならず、昨日から気配アップした裕平21号機が昨日以上に力強く見えたのだがどうか。とりあえず、昨日までの【出B+・直B+】から【出A・直A】に上乗せする必要がありそうだ。

1マークで完璧なターンを見せた羽野きゅんは、2マーク最内でフン詰まり。気持ちの焦りもあって?2度3度とハンドルを切り直したところで勝負あった。
徳山リベンジロード②
10R 並び順
①白井英治(山口)15
②池田浩二(愛知)15
⑥松井 繁(大阪)12
③森高一真(香川)13
④仲谷颯仁(福岡)14
⑤永井彪也(東京)12

長州侍のエース白井が、こちらは危なげなく豪快に逃げきった。
スリット隊形は一触即発の波乱ムード。松井の前付けに抵抗したのは池田までで、讃岐の斬り込み隊長・森高が颯爽と4カドに引いた。昨日の1R1着と同じ勝負手だ。
が、こちらは準優、昨日の西山らとはパワー相場が違う。森高はピット近辺まで奥深く引いてから不気味に突き進んだが、スリット直後に松井の行き足を飛び越えるだけの余力はなかった。

こうなれば、インコース白井に怖いものはない。1マークをくるり旋回し、差した池田、握った松井、二番差しの仲谷らをまったく寄せつけずに千切り捨てた。
「いやぁぁ、珍しく(9Rで)大峯が逃げたのでキンチョーーしました。足は今日がいちばん良かった」

レース後、大観衆の前でギャグをかましてから胸を張る。本人が言うように、並みいる強敵を一瞬でぶっちぎった実戦足は節イチ級の迫力。展示の1周タイムも回り足タイムもケタチの数字を叩き出しており、昨日までややスカしていた出足系統もトップ級に仕上がったとみていいだろう。【出A+・直S】か【出S・直S】か、迷うレベルだ。現時点で明日は①か②。今日の仕上がりのままなら、インコースで負けようのない足と断言しておきたい。②でも相当な脅威だが。

2着争いは、5コースから1マークの根っこを差した仲谷12号機が抜け出した。池田、永井との熾烈な叩き合いでちょっとちょっと余裕があったのは、やはり12号機の底力も関係したはずだ。さらには、兄弟子・西山の魂も背中を押したか。西山と地元観衆の応援は、さらに猛烈なパワーとなって明日の仲谷12号に憑依するだろう。それらを抜きにしての私のパワー鑑定は【出A・直A+】としておきたい。
若松返り討ちロード
11R
①瓜生正義(福岡)12
②新田雄史(三重)16
③篠崎元志(福岡)12
④宮地元輝(佐賀)16
⑥辻 栄蔵(広島)13
⑤丸野一樹(滋賀)22

結局、準優は大本命の1号艇がすべて逃げきった。
白井も相当だったが、この瓜生もメチャクチャ強かった。と言うか、白井同様、今日の瓜生14号機の仕上がりが半端なかった。展示タイム6.77は菅章哉を除けばケタチの数字だったし、それを証明するようにスタ展でもスリットから新田より力強く伸び返していた。

本番もしかり。昨日までの私は「スリット前後の行き足は新田が上」と思っていたが、今日は瓜生が圧倒。1マークまでに新田に半艇身、他の4艇とは1艇身ほどのアドバンテージをもって初動に入り、くるり先制して一丁上がり。見た目には白井よりも余裕たっぷりのイン逃げだった。

「今日の仕上がりが良くて、スリットから新田くんより伸びて行ったんで余裕をもって回れました」
まさに、見た目通りの完勝劇。私は若松14号機に長く惚れ込んでいるのだが、今日の鑑定は新田との比較も込み込みで【出A+・行S】まで跳ね上げたい。贔屓目でもなんでもない、と思うのだがどうだろう。

2着はそれでも悠々と新田6号機。行き足でやや劣勢だった新田は意表のジカまくりに行きかけて思いとどまり、それから差しにシフトしたが、それでも出口から他艇を置き去りにするように出て行った。さらに後続をぐんぐん突き離す光景を見て、「このレースって、何回スタートし直しても①-②決着しかありえない」なんて思ったりした。今日は新田6号が劣化したのではなく、瓜生14号機が大化けしたと判断して【出S・直A+】のまま据え置きたい。(photos/シギ―中尾、text/畠山)

12R優勝戦
①瓜生正義(福岡)
②白井英治(山口)
③大峯 豊(山口)
④新田雄史(三重)
⑤吉田裕平(愛知)
⑥仲谷颯仁(福岡)