
青い疾風
10R
①石渡鉄兵(東京・51歳)11
②中澤和志(埼玉・49歳)16
③福島勇樹(東京・46歳)20
④菊地孝平(静岡・47歳)14
⑤平田忠則(福岡・49歳)20
⑥辻 栄蔵(広島・51歳)18

折しも宮島水面はにわかのホーム向かい風。4カド菊地のスタート力が生きる環境が整い、いざ実戦でも彼の天賦の才を如何なく発揮した。コンマ14、見た目全速の質の良いスタートから一気の絞めまくり!
あっという間にカド受け福島と同期の中澤を叩き潰し、イン石渡の断固たる伸び返しを目視して機敏な差しハンドルに切り替えた。出足強力な石渡を捕えきるには至らなかったが、スリットから自作自演のファイナル進出劇場。

もちろんビッグタイトルの優出もでかいし、7月びわこオーシャンカップへ王手をかけたのもバカでかい(明日は5着当確か)。菊地にとっては一粒で2度美味しい2着だったわけだが、それもこれも研ぎ澄まされた唯我独尊のスタート力があればこそ。改めて「ボートレースはスタートが命」と痛感させられる1マークの攻防だった。

それでも勝ったのは、菊地以上にスタートを張り込んだ鉄兵。二枚壁がやたらと薄い大ピンチの展開から、慌てず騒がずグイグイ伸び返して菊地のまくりを牽制。その分だけオーバーランにはなったが、55号機のパワーをフル稼働してスタート野郎の追撃を振りほどいた。見た目以上に盤石のイン逃げだったと言えるだろう。

断固たる人事を尽くして、あとは明日の枠番を待つばかり。うっかり1号艇なら相手が池田57号でも逃げきって不思議はないし、順当に2、3号艇でもワンチャン勝機のある人機とお伝えしていいだろう。

2着の菊地は今日と同じ4号艇なら文句なし。明日も4カド界隈から内艇を脅かすスタート力を魅せるだろう。逆に6号艇だったりしたら、オーシャン当確の条件もしっかり視野に入れながら、いつもどおりのクレバーな立ち回りで先行艇を追撃するだろう。
黄色い弾丸
11R 並び順
①瓜生正義(福岡・50歳) 17
②原田幸哉(長崎・50歳) 17
③服部幸男(静岡・55歳) 19
④田中信一郎(大阪・53歳)11
⑥赤岩善生(愛知・50歳) 10
⑤益田啓司(福岡・46歳) 08

ここもインの瓜生代表がしっかりガッチリ逃げきった。
今日の準優でいちばん進入争いがもつれそうなドキドキカード。が、特訓一本目もスタート展示も赤岩が動いて益田が引いて、全体にさほど深くならない12346/5という大方の予想どおりの最終隊形となった。
もちろん、この隊形でもっとも怖いのが単騎ガマシの益田だ。いざ実戦も唯一のゼロ台から伸びなり舳先を突き出したが、カド受け赤岩が伸び負けながらも艇を合わせてアウト強襲を防ぎきる。

赤岩がスロー専科になってかなりの歳月が過ぎたが、この「カド受け伸び負けながらの徹底ブロック」のテクニック(根性でもある)がどんどん上達しているのは間違いないところ。今日も益田の勢いを巧みに殺しながら、同時にほぼ全速のまくり差しで艇団を割って入った。なんと素晴らしい攻防の妙技。

が、バック出口からの伸び比べで、ファインプレー赤岩は脆くも敗れ去る。最内からグングン舳先を伸ばしたのは、つい10秒前に赤岩が堰き止めたはずの益田だった。2日目に4カドまくりを決めるなど今節の益田30号機はソコソコしっかり伸びてはいたが、今日の見え方は別格。勝負リング2本を交換するなど、ハナから単騎ガマシを想定してパンチ力に活を入れたのだろう。

「すっげえ伸びやん!」
私はうっかり叫んだが、ストレートパンチを付けた分だけ回り足は頼りない。後方から幸哉が突進したり服部が差し込んだり、あの手この手で大先輩が益田にプレッシャーを与え続けたが、すべて優勢なストレート足をフル稼働して大切な2着をもぎ取った。私の勝手な思い込みだが、自力で勝ちに行こうと決めた単騎ガマシ調整が巡り巡ってファイナルの決定打になったのではなかろうか。

そんなすったもんだの2着争いとは無縁に、イン瓜生は悠々のひとり旅。そして、この逃げきりは明日のファイナルへ大きな影響を与える1着となった。
赤い秘剣
12R
①池田浩二(愛知・48歳)11
②上平真二(広島・52歳)13
③白井英治(山口・49歳)10
④杉山正樹(愛知・46歳)12
⑤坪井康晴(静岡・48歳)19
⑥齊藤 仁(東京・48歳)20

絶対なんて言葉も、絶対なんて舟券も、絶対にない!!
これがボートレースの怖さであり真髄だ。大波乱を生んだのは、長州のレッドシャークの「自力勝負」だけを狙った戦略&ド根性だった。特訓でもスタート展示でもおとなしい赤子のようにスロー3コースに収まり、いざ実戦だけ池田に牙を剥く3カド攻撃!!

昨日、12Rのメンバーが決まった瞬間に私もチラリ考えないではなかったが、準優でそこまでリスクを背負うかしらん、やるならファイナル3号艇だったときでしょ、なんて安直に切り捨てた。
白井の3カドは過去に数えるほどしかないと思うのだが、やると決めたら継続手としてスタートもしっかり張り込む。そんな男だ。練習もしていない起こし位置から、今日も怯まず突き進んだ。コンマ10、間違いなく全速。

白井の怖さを百も承知の内2艇もほぼ同体まで突っ込んだが、スリット近辺は強めの向かい風。全速の勢いのみならず、ダッシュ乗りの加速度も違いすぎる。あっという間に上平を飛び越え、そのまま大本命の池田57号機までを一息で呑み込んだ。池田としては、抵抗しようかどうか、迷う時間もなかっただろう。

あまりに苛烈な進軍だったから、白井に追随できたのは外からしっかりマークできた杉山のみ。一時は内に舳先を突っ込んで先頭に立ったものの、2マークでやや舳先が浮いたところを白井にカッチリ咎められた。

どう転んでも3-4か4-3か。3番手から池田が必死のバッチで追い上げるが、さすがに準優のパワー相場では詰めきれない。前検のモーター抽選から今節の話題を独占したドリームスターは、準優という煮え切らないステージで最前線から消え去った。長州侍の秘剣に斬られた、と言ったら言いすぎだろうか。

白井と杉山がゴールを通過した瞬間、パワー的に絶対的な主役が不在のファイナル6PITが確定した。
12R優勝戦
①瓜生正義(福岡)
②石渡鉄兵(東京)
③白井英治(山口)
④菊地孝平(静岡)
⑤杉山正樹(愛知)
⑥益田啓司(福岡)
(photos/シギ―中尾、text/畠山)