
8R発売中から降り出した雨は、やがて土砂降りに! 時に豪雨のような降り方になるほど、水面に強く打ち付け、10R発売中にスタート特訓を行なった12R出走組は特訓後にいちどボートを陸にあげている。操縦席に雨が溜まり、クリーナーで吸い出す必要があったからだ。特訓した選手が全員、陸に上がってくる光景は初めて見たぞ。
その8Rで予選トップ通過を決めたのは仲道大輔。インからきっちり逃げて、7R3着だった安河内鈴之介を得点率で抜いた。仲道が逃げた瞬間、安河内は天を仰いでいたそうだが(池上カメラマン談)、では仲道はというと、意外や淡々と振る舞うレース後なのであった。もっと喜びをあらわにするのかと思ったのに。

その仲道が「ダメだった!?」と10R後に驚きをあらわにしていたのは、内山七海に対してだ。9Rの2番手争いとなり、2マークではたしかに激しい競り合いとなったが、まさか不良航法をとられるとは……。仲道も相当意外だと捉えたようで、細い目を丸くしている。内山は2着でレディースの予選トップを確定させたかと思ったのに、減点でその時点でレディース4位にまで後退してしまった。内山の顔が曇るのは当然だし、また致し方ないと言うしかない。

その9Rでは飛田江己が逃げ切って準優出を当確とした。それでも準優は外枠となりそうな情勢ではあるが、しかし失敗すれば予選落ちもありえただけに、レース後はかなりスッキリとした顔を見せていた。その後に少し話す機会があったが、めちゃくちゃ折り目正しく接してくれました。

10R、ボーダーが下がって2着でも予選突破の目があった三浦永理だが、登玉隼百のカドまくりを浴びて後退。1号艇で必勝態勢の一戦を落としてしまい、圏外に去ることになってしまった。三浦の表情はやはりカタくなっていたが、盟友・長嶋万記がつらそうな顔になっていたのが印象深い。実は三浦、11Rの高田ひかる、12Rの平高奈菜が1着なら、長嶋が次点になるところだったのだ。三浦の敗退は長嶋の準優出を当確とするものだったが、当たり前だがそんなふうに捉えられはしない。仲間の悔いを分け合う、そういうものだ。

登玉のまくりに連動した大島隆乃介が2着で、準優行きを確定させた。先に準優出を決めていた安河内鈴之介に称えられて、爽やかな笑顔! 明日はともに準優を戦うことになって、そのことを素直に喜んでいるようだった。ルーキーズの準優組では唯一のB1級だが、ジャイキリを期待してますよ!

さて、11Rを迎えた時点でルーキーズのほうは準優6名がほぼ確定。藤森陸斗が無事故完走で当確だったので、減点がない限りは枠番はともかく予選突破メンバーは固まった。

一方、レディースはにわかに大混戦! その11R、まず1号艇の高田ひかるがSで後手。それを2コースからジカまくりで交わしていったのが山下友貴で、これで得点率を6・50まで伸ばしたのだ。一気に5位浮上! そう、勝負駆けを成功させたのだ。昨日の勝負駆け情報の記事では、ボーダー7・00想定で、そこには届かないため山下の名前を割愛している。しかしボーダーが下がったことで、一気に予選突破! 高田のS失敗もあって、露骨に喜んではみせていなかったが、柔らかな微笑を浮かべてはいた。

後方では高田と樋口由加里が3番手争いを演じていた。もし樋口が3着、高田が4着なら得点率は6・17で並び、上位着順の差で樋口が上回ることになる。12Rの平高奈菜の結果次第で樋口にも予選突破の目が出てきたのだ。これがもう、最後まで大デッドヒートとなり、最後は艇を並べてゴール。結果、ハナ差で高田に軍配! ひとまず高田に予選突破の可能性が残されたのだった。Sで遅れ、最後まで冷や汗ものの3番手争い、さすがに高田は苦笑いである。そして、あとは12Rの平高の結果を待つことになった。

12R。4カドの坂本雄紀が持ち味の締めまくりを放っていったが、1マークで大きく流れ、内を巧みに差した平高奈菜が抜け出した。2着条件を1着で突破! 見事に勝負駆けを決めて、一気にレディース3位にまで浮上している。これによって高田が次点に陥落。その高田が平高のエンジン吊りをしている様子は、よくある光景とはいえ、少し胸が痛んだ。平高はまったく表情を変えることなく引き上げてきて、そのままウィナーインタビューへ。その様子は強者の振る舞いにも見えたものだった。(PHOTO/池上一摩 TEXT/黒須田)