BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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桐生MB記念 準優ダイジェスト

%size(2){同県の絆パワー}

 

 

 

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9R 進入順    st 半周ラップ

①池田浩二(愛知)13 18・34

②原田幸哉(沖縄)13 18・47

③中島孝平(福井)15 18・51

⑥今村  豊(山口)10 18・48

④篠崎元志(福岡)12 18・76

⑤齊藤  仁(福岡)18 18・70

 

 

 

 

 

 

 

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池田が勝った。4コースに潜り込んだミスター今村のまくりを

全速の先マイで凌ぎ、流れながらも幸哉の差しを封じた。相変わらず、池田本人は泣きっぱなしだが、今日の足が今まででいちばん良かったはずだ。3日目から注目している桐生ホームページの「半周ラップタイム」、今日の池田が18秒34で、幸哉のそれは18秒47だった。これだけで「池田の方がいい」と言うつもりはない。

 

 

 

 

 

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ただ、昨日までは幸哉のタイムの方がはるかに良かった(昨日は池田18秒94、幸哉18秒38)のに、今日は立場が逆転している。つまり、池田が大幅に良化した可能性が高い。

 バックの足色からも、それは見て取れた。あれだけ池田が流れたのだから、昨日までのムードなら幸哉が差しきれるはずだ。が、まるで届かない。ターン回りでも差が詰まらない。今節、池田にペラのアドバイスをしていたのが幸哉だ。そのためか、ふたりの足色は瓜二つに見えた。

 1着・池田、2着・原田。

 惜しくもまくりが不発に終わったミスター今村はじめ、後ろの4艇が完全に千切れた。ちなみに1-2-6は桐生「半周ラップタイム」の1・2・3位、そのまんまの決着だった。

 

ホラーな2着争い

 

 

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10R       st 半周ラップ

①寺田 祥(山口)16 18・51

②峰 竜太(佐賀)14 18・50

③平石和男(埼玉)15 18・39

④山崎智也(群馬)11 18・54

⑤馬袋義則(兵庫)13 18・82

⑥赤坂俊輔(長崎)19 18・71

 

 

 

 

 

 

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マークカードに予想フォーカス4-12-全を書き込んでいたとき、

やたらと気になる選手がいた。「半周ラップ」の1位・平石だ。

展示タイムは平凡なのに、こちらはトップ。回り足、出足、二の足あたりが、かなり来ているとみていい。4-3-全も加えようか。いや、そんな余分なカネはない。目をつぶって、予想通りの8点に留めた。

 そして、智也が4カドから強引にまくった。半分覗いたところから絞りに行った。バック、ぎりぎり抜け出す。2番手は団子。2マークを智也が先制し、これで勝利を確定させた。肝心の2番手は、得意の全速ぶん回しで峰りゅーが抜け出す。こうなれば、スピードで峰に敵う相手はいない。4-2ができた。そう確信した。

 

 

 

 

 

 

 

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だが、そこからの平石の追い上げが凄まじかった。

全速マイで峰が突き放す。小回りから強烈な出足で、

平石が追いすがる。全速マイ、小回り、全速マイ、小回り……

峰の天才ターンをもってしても、ケリを付けられない。

それどころか、ターンマークごとに差が縮まっている。

まるでホラー映画だ。そう、平石は半周ラップ通りの鬼足だったのだ。

 

 

 

 

 

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よ、4-3も買っとくべきだったかぁ???

私は泣きそうになった。そして、半周ラップタイムの優秀さを

身に染みて感じた。最終ターンマーク、

ついに平石がターンマークを先取りした。

やや遅れて、峰が全速でぶん回す。峰リューにしかできないと言われる、妙な間合いから繰り出す強ツケマイだ。

終ホーム、2艇の舳先が並んだ。こうなれば、

外。首の皮一枚残して、峰が先にゴールを通過した。

 

1着・智也、2着・峰。

 

智也の気迫勝ちだった。パワー的にも、

ふたりとも上位レベルはある。が、このレースのトップ足は、平石。

現状では、次の11Rを勝ち上がった男とは、間違いなく大差だ。

 

 

約束されたワンツー

 

 

 

11R           st 半周ラップ

①瓜生正義(福岡)  17 17・95

②松井 繁(大阪) 22 18・33

③熊谷直樹(北海道) 21 18・68

④辻栄蔵(広島) 18 18・57

⑤馬場貴也(京都) 22 18・62

⑥木村光宏(香川) 27 18・80

 

 

 

 

 

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桐生ホームページに「半周ラップタイム」が貼り出された瞬間、

ぶっ飛んだ。17秒95!!?? この3日間で、18秒を切った選手はいない。レースごとにすべて書き写していて

「18秒を切ることなんて、ないんじゃないか」などと勝手に思い込んでいた。それが、17秒95。それから、松井の時計にもウムムと唸った。

昨日は18秒69と平凡だったのに、今日は33。

どこで何をしたのか、良化は明らかだ。怪物パワーと、上昇パワー。

 

 

 

 

 

 

 

 

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うーーーーん、こりゃ、1-2で仕方ないのかぁ??

思いつつ、予想フォーカスの1-35-全を厚く張ろうとする私。

10Rの的中による小天狗モードを、例によって静止できない。

「いや、これは危ないって、やめとけ、俺」と

もうひとりの私が遮るのだが、指が勝手に動いていた。

 

 

 

 

 

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そして……バック中間で絵に描いたような1-2が出来上がった。

1マーク、松井の差しが入るかに見えたが、

それを許さないのが半周17秒台のパワーなのだ。

差さりそうだけど、逆に突き放すな。

私の思惑通りに、2艇が動いた。そして、瓜生を除けば、松井の足もなるほどしっかりしていて、逆転されそうな気配がまるでない。2マークを回って、どうしようもないほどはっきりと最後の2議席が決まってしまった。私が期待した熊谷と馬場は、はるか彼方に千切り捨てられた。

 

1着・瓜生、2着・松井。

 

 

 

 

 

 

 

 

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瓜生の足は、もはや言うべき何もない。

半周ラップはモンスター、今節の勝ち時計1分47秒4は、

2位の魚谷の1分48秒7を1秒3もブッチギッている。

1秒3って、10艇身近い差じゃないっすか?? 

で、数字を裏付けるような凄い走りっぷりを

何度も見てしまったというのに、これ以上どんな補足が必要だろうか。以上。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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で、いちばん怖いのは松井だ。今日の仕上がりは出色だったし、

6号艇というのがヤバい。「瓜生に誰かが鈴を付けなければ、

1マークで万事休す」というのを肌身で感じたであろう王者が、

進入から黙っているわけがないのだ。

おそらく、出足系統を猛烈に仕上げて、

本気でインまで奪いに行くのではないか。

明日の気配とスタート練習は、絶対に見落としてはならないな。

あ、ちなみにこのレース、1~6着まですべて「半周ラップ」通りの

決着だったとお伝えしておく。

 

 

(photos/シギー中尾、text/H)