BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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いざ最終決戦へ!5日目準優ピット

 準優勝戦団体戦対象外。ただ、明日の団体戦で最もポイントが高い優勝戦=12ポイントをもぎ取りにいくメンバーを決める戦いでもある。もちろん、誰もがまず優出を願う。そして優出を決めたら、全力で個人優勝を目指すと同時に、チームに勝利をもたらすべく奮闘を誓う。

11R 地元ワンツー

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 男女合わせての予選得点率1位、2位がそのまま1、2着。地元ワンツー決着だ。
 勝った松尾拓は淡々としたレース後も、逃げ切った時点で優勝戦1号艇が確定ということもあって報道陣に囲まれ、笑顔を見せた。地元の、白組のエースがエースらしい活躍を見せて面目を保った、というわけだ。

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 一方、2着の吉川貴仁は、やや神妙な表情。吉川も勝てば優勝戦1号艇が確定していたはずで、大魚を逃した格好か。いやいや、2着で3号艇確定、というのも実は大きい。忘れちゃいけない、びわこレディースvsルーキーズでも優勝戦3号艇。そして優勝しているのだ。あのときは3カドだったなー。もう一丁!? それはともかく、リプレイを見ながら報道陣に質問を投げかけられて、次第に目が細くなっていった。優出を決めて気分が悪かろうはずがない。明日は連覇に全力を注ぐ。

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 3着の澤田尚也はとにかく嬉しそうだった。なにしろこれでデビュー初優出! 予選突破が6人のみ(確率4分の1)という狭き門をくぐり抜けての準優出もたいしたものだったし、この目立つ舞台での初優出もお見事。その喜びようは初々しかったし、勝負服もカポックも着たままで報道陣の質問に応えていたのも微笑ましかった。ただ、2周ホームで競り合った吉川との足色の違いをリプレイで確認したときには、ただただ驚嘆。「こんなに違うのか……」とちょっとだけ表情を曇らせた。まあ、優勝戦は6号艇だ。足色とか考えずに思い切ったレースを! チャンスはきっとある!

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 残念ながら、伏見俊介は待機行動違反をとられてしまった(開けすぎ。リプレイでは、たしかに赤旗(3コースはこれより内に入らないといけない)の外を走っているように見える)。レース後に競技本部に呼び出しを受け、戻ってきた伏見は落胆の表情。特殊なルールのシリーズとはいえ、準優での待機行動違反は賞典除外だ。4着に敗れたことも無念だろうし、反則をとられたことも悔しいに違いない。明日は一般戦で白組のポイントゲットに貢献を!

12R 男女団長が優勝戦で相まみえる!

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 女子準優は、竹井奈美が1着、塩崎桐加が2着。男子同様、2連単①-②の順当決着だった。
 塩崎はレース前にハプニングが。キリリと引き締まった表情で展示待機室に向かう塩崎、ところが脇に抱えていたのが白い勝負服だった。後姿を見ながら「ん?」と訝しく思っていたわけだが、途中で塩崎は走って引き返してきている。やっぱり! と思ったら、ふたたび待機室に向かう際にも白い勝負服を手にしている。あらら? もちろん正解は黒い勝負服で、いったん待機室に入って他の選手に指摘されたのか、猛ダッシュでもういちど引き返してきたのであった。ダハハ。自分が女子のトップという自負があった? それともイン獲って逃げようとか考えてたりして?
 まあ、それはご愛嬌ということで、地元で見事に優出。結果的に白組団長も紅組団長も優出だ! これは過去3回にはなかったことなので、ひとつの快挙。団長が優勝戦で相まみえて、12ポイントを奪い合うのだ。

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 竹井は淡々とした表情でピットに戻ってきており、ボート洗浄を終えて控室に戻る際にも表情は特に変わっていない。優勝戦1号艇がないことは決まっていたから、一気に緊張感に包まれるようなこともなかった。明日の優勝戦は冷静に戦えるはずだ。

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 3着は接戦を制した大瀧明日香。昨日の勝負駆け後には予選突破を決めたことを聞かされて「嘘っ!?」と驚いていたものが、優勝戦にまで駒を進めることとなった。もちろん今日は3着で優出をわかっていたわけだから、驚くことはなかった。ただ、優出の歓喜を特別あらわにしていたわけでもなかった。明日は攻め屋である塩崎のひとつ隣だから、展開は充分あるぞ。登番3000番台の優出は大瀧のみ(といっても3999だけど)。展開を突くキャリアは充分にある。

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 それにしても、日高逸子のレース後の表情がカタかった。いったんは3番手を走り、優出に手をかけていただけに、痛恨の思いは大きかろう。日高のアラ還となってもなお若々しく悔しがる姿は、ルーキーズが半分を占めるピットだからこそ、なお際立つ。女子の後輩たちはもちろん、男子の若者たちも見習うものは多いはずだ。(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)