BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――酷寒

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 雪が降る、ということはそりゃもう、めちゃ寒いわけで、寒暖計が3℃を示す中で水辺の調整をしている選手たちは実に気の毒に思えてしまう。係留所でペラをつけたり外したり、というときには当然、水に手をつけることになるから、見ているこちらが震えてしまうのだ。篠崎仁志が何食わぬ顔でペラを装着しているのを見ながら、ぶるると背中に震えが走った。

 

 

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 ネックウォーマーを鼻のあたりまであげて、吉田俊彦が身をすくめて歩いていた。寒いっすよね! 吉田は3Rに出走で、それまでは準備に忙しかった。身体も冷える! ボートレースは言うまでもなく、選手にとっては“競技”であるから、身体が冷えたままではパフォーマンスも鈍るというもの。このあたりの調整もまた、大変である。

 

 

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 装着場とか係留所は寒くて当然だが、では整備室にいれば温かいかというと、そりゃ身体は温かいが、こちらは必死である。馬場貴也が本体整備をしていて、装着場にいるよりは薄着で済んでいるものの、しかし顔の険しさは寒さに耐える装着場組となんら変わりはない。酷寒下での戦いは、何にせよ、楽ではない! 雪の降る朝、選手たちはそんなふうにして“激闘”を繰り広げている。

 

 

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 少し余裕があるとするなら、ゲージ擦り組だろうか。もう何度も書いているが、モーターが動いていないのなら、本体整備やペラ調整に励むわけで、プロペラの設計図たるゲージを作る作業というのは、その意味での優先順位は低いはずなのである。一昨日から整備室内のゲージ擦りテーブルの主になっているのは吉田拡郎で、明らかに手応えの良さがなせる業だろう。

 

 

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 今日はここに茅原悠紀が加わっていた(すでにやっていた可能性もあるが、僕は初めて見た)。拡郎の隣で、特に言葉を交わすでもなく、黙々とゲージをやすりで擦る。そこに山口達也がやって来て、何事か話しかけた。3人に会話が生まれ、拡郎の頬がふっと緩んだ。そうか、岡山勢なのだ、ゲージ擦りに集っているのは。1Rで山口は2着。茅原は昨日連勝。シリーズ組は岡山勢がさらに活躍するかも!?

 

 

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 さて、2R。道中は2番手を走る林美憲を追撃していた福島勇樹が、2周2マークで菊地孝平のアタックを交わしている間に山崎智也に抜かれた。今度は智也を追い上げたが、惜しくも4着。舟券絡みも果たせなかった。

 レース後の福島は、まさに顔が硬直していた。怒りに耐える、としか見えない顔つきだ。福島の素の顔つきは聡明で柔らかなのだが、悔しいレースの後には時に、一変した表情を見せることがある。今日はまさしく、そんな福島勇樹。寒くなれば顔の筋肉もこわばるものだが、今日の福島のカタい顔つきの原因が酷寒であるわけはないのだった。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)