BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THE TOPICS 2日目

銀河奮闘

 

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「銀河乱舞」「明日もまたやんちゃに暴れる6人のエイリアンを堪能するとしよう」とか言いながら、やまと学校卒業記念取材のため福岡へ向かった畠山シュー長だが、今日も今日とて、銀河系軍団は奮闘した。

 8R、田村隆信が1着。昨年の賞金王以来、すっかり田村フリークとなったシュー長は、もし尼崎に留まっていたらこのマンシュウを召し取っていたのだろうか(ま、外して悶絶してたに決まってますが)。8万円を超える配当の立役者は、人気薄ながら2着となった山下和彦と5コースからまくって展開を作った鎌田義なのだが、展開を巧みについた田村もお見事。明日の1号艇(9R)で連勝をもくろむ。

 

 

 

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 11Rの井口佳典は、コンマ01の超絶スタートだった。2コースの三角哲男がコンマ02のフライング。コンマ01は狙って出せる数字ではなく、井口も勇み足となっていたっておかしくはなかった。

 だが、このツキがデカい。過去のSGでも何度、きわどいスタートを残し、そのツキを味方にタイトルを手にした選手を見たことか。記憶に新しいのは昨年オーシャンカップの松井繁だ。予選4日目に5号艇でイン、6号艇で3コースを獲り、ともにコンマ02のスタートで快勝し得点率1位をもぎ取った。松井自身、「コンマ02はフライングと紙一重」と口にしており、それがスリットオーバーとはならずに鋭発となったことが結果的に大きかった、と語っている。超ハイレベルで拮抗するSGを勝つには、“紙一重”の部分がモノをいうこともある。井口はそれを今日モノにしたわけで、アドバンテージを得たのだと言ってもいいはずだ。

 

 

 

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 他の銀河戦士は、今日はやや消化不良だったか。湯川浩司が4着、丸岡正典が4着2本、興津藍が3着と4着、森高一真が3着。中間着を並べている。丸岡など外枠2走でありながら大敗ではなかった点に気配の良さを感じるわけだが、3日目は巻き返しを期す1日となるだろう。

 

 

 

 

ナデシコ、春の舞

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 ナデシコが春の日に華麗に舞った。

 4Rでは平山智加がイン逃げで1着。待望の初白星を手にした。レース自体は、肝が冷えるものではあった。スタートではややのぞかれ、1マークでは石渡鉄兵、川﨑智幸の差しに迫られ、2マークでは川﨑の差しに舳先をかけられるという展開。しかし、パワーは明らかに平山が上だった。ともに直線では突き放すかたちとなっているのだ。特に、2周目ホームでの伸びは川﨑を圧倒した。1マークに辿り着くまでにあっさり川﨑を抑え込んでいるのだから、川﨑の伸びがもうひとつとはいえ、平山のパワーは上位級の一角だろう。

 

 

 

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 1Rでは三浦永理が2着。5号艇に大嶋一也が控えていたこのレース、スタート展示では果敢に大嶋の前付けに抵抗した。本番は大島を入れて3コースだったが、あの第1回賞金女王を彷彿とさせるまくり差しで、篠崎仁志のふところを捉えている。2マークで差し返しを許してしまったものの、1マークはテクニカルエリーの真骨頂! 初日6着からの巻き返し態勢を作ったと言える。

 

 

 

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 それにしても、金ちゃんの戦いぶりはどうだ! 11Rこそ6コースに出され、5着に敗れてしまったが、3Rの走りは目を惹いた。池田浩二、濱野谷憲吾との競り合いだ。バックに4艇が並んだ2番手争い、金田幸子は2マークで全速外マイ。ここでも決着はつかず、2周1マークはふたたび全速戦! ここで池田に2番手浮上を許したが、濱野谷との3番手争いもまた全速連発でしのぎ切ったのだから、たいしたものだ。3周2マークで平田忠則の突進にあわてたのか、ゴールで濱野谷と接戦になってしまったのはご愛嬌。名だたる男子トップレーサーと真っ向から剣を交えているのだから、凄すぎでしょっ!

「女子トップレーサーを5人挙げなさい」と言われたら、もしかしたら金ちゃんをそこに入れる人は少ないのかもしれない。オールスター笹川賞も、12人も女子が選ばれながら予備に留まってるし。しかし、SGでの戦いぶりを思えば、この人、相当な強者ではないか。……と書いて、金ちゃんのイメージにはそぐわない言葉だと改めて思うわけだが、そうしたギャップも含めて、金田幸子はタダモノではない、のである。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)