BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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浜名湖グラチャン準優ダイジェスト

 

 

 

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静岡鉄壁ライン

 

10R  進入順

①服部幸男(静岡)13

②菊地孝平(静岡)11

③中島孝平(福井)14

⑤今村暢孝(福岡)15

④峰 竜太(佐賀)15

⑥辻 栄蔵(広島)23

 

 自慢にもならないが、私の脳内レースとほとんど同じレースだった。しっかりスタートを決めた菊地が外をブロックして差し。それがわずかに届かず服部が逃げきって、静岡コンビのワンツー決着。他の4艇はこの強固なラインを崩せず、置き去りにされた。

 1着・服部、2着・菊地。

 

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 服部と菊地は行き足がほとんど同じで、伸びは菊地が数段上。逆に小回りでは服部に分がある。明日の服部はスローも4カドもありえるが、行き足を生かしてスタートをバッチリ決めれば勝機は十分にある。一方の菊地もコンマゼロ台から自慢の伸びを生かしきれば、SG連続Vに手が届く。つまり、ふたりとも優勝して不思議のないパワーだとお伝えしておこう。(本当は4カド菊地、5コース服部の方が破壊力が増すのだが……)

 

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 それにしても、3着争いが熾烈を極めた。「準優は1-2コロガし」と決めていた私は、とりあえず総額80枚を投じて見守っていた。道中は峰・辻・中島の大乱戦。峰、辻なら約300枚に増えたのだが、最後の最後に中島が飛び込んで配当は96枚……薄目の安目がきて、まったく転がらなかったのであった。

 

不思議な逆転劇

 

 

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11R

①瓜生正義(福岡)09

②太田和美(大阪)11

③毒島 誠(群馬)05

④赤岩善生(愛知)12

⑤森高一真(香川)05

⑥烏野賢太(徳島)08

 

 レースの主導権を握ったのは、3コース毒島だった。コンマ05の快ショットから、内の2艇にもたれるようにプレッシャーをかける。まくり、まくり差し、どっちでも勝てそうな隊形だ。が、あまりに絶好の展開に、毒島は一瞬迷ったのではないか。まくり差しそうな角度から、思いなおして外に持ち出したようなターンだった。「2着でもOK」という準優ならではの心理が、攻撃を鈍らせたのかもしれない。

 

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 毒島の脅威から逃れた太田が、素早く差しハンドルを入れる。一方、インの瓜生はまくってきた毒島の面倒を丁寧に見てからターンした。その分だけ、太田の差しが届いた。追いすがる瓜生だが、その差は1、2艇身。さらに内からドカドカと後続艇が押し寄せ、2マークの差し場がない。無理気味に握ったものの、太田の差は3艇身ほどに開いていた。2-1でほぼ確定。「コロがらない1-2コロガし」を引き続き実行していた私(総額90枚投下)は、この時点で諦めた。

 

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 だがしかし……2周1マークで太田のターンに何が起こったのか、ほとんどサイドが掛からないような旋回で流れているうちに、瓜生の逆転の差しが突き刺さった。名手・太田、痛恨のミス?? 2-1が、わずか3秒で1-2になった。私の舟券も息を吹き返し、90枚が290枚に化けた。コロガし継続。

 1着・瓜生、2着・太田。

 

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 今日の逆転劇は、パワー差とは無縁である。太田のターンミスか、湖面で何かが起きたのか、とにかくアクシデントの部類だと思う。このふたりは昨日も今日も1・2着を争ったので、かなり比較はしやすい。行き足はほぼ同じで、伸びは瓜生、回り足など出足系統は太田に分がある。10Rのふたりも持ち出すと、瓜生と菊地、太田と服部が似たタイプのパワーだ。明日、気になるのは瓜生の回り足か。現状の伸び型パワーは、あまり2コース向きではないような気がするのだが……。深川を入れて、3コース発進という作戦もありえるだろう。一方の太田も、やはり逆転されたことはマイナス材料ではある。スロー3コースや4カドなら3連覇のチャンスは十分にあったが、5・6コースではかなり展開に左右される。勝機は半減したと思う。

 

Wリーチ!

 

 

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12R

①今村 豊(山口) 06

②深川真二(佐賀) 08

③井口佳典(三重) 06

④徳増秀樹(静岡) 07

⑤田中信一郎(大阪)10

⑥山崎智也(群馬) 17

 

 みなスタートを張り込んで、ほぼスリット同体。井口がまくり差しに挑んだが、入りきらずに弾き出された。こうなれば、逃げるミスターと差した深川の一騎打ち。バック直線、深川の舳先がわずかにミスターを捕えたが、伸び足の差で振りきられた。これが優勝戦なら、深川はとことん舳先をこじ入れて2マークへ突撃しただろう。準優ならではの折り合いだったと思う。

 1着・今村豊、2着・深川

 

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 オールスター笹川賞に続いてファイナル1号艇。この連続リーチで、今度こそケリを付けられるのか。ココまで来たら、ミスターの敵はレーサーではない。今日と同じようなスタートを決め、同じようなターンができれば9割がた勝てる。浜名湖には福岡のような極端なうねりも存在しない。もちろんパワーは、行き足を中心に逃げきるに足る超抜ぶりを誇っている。

 

 

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 深川の足は、前検からずっと回り足が強い。伸びは、優勝戦ではやや見劣る。ズバリ言うなら、2コースが最適のパワーだ。明日、瓜生を掻き分けて2コースを分捕れば、九州勢の勝機は格段にアップすると思う。瓜生が主張して126(または1236)の並びになれば、逆にミスターのV確率がアップする。私はそう思う。

 

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 で、このレースはまたまた凄まじい3着争いになった。私がこのレースに投じたコロガシ資金は150枚。1-2が確定して、あとは3着次第で配当金が変わる。智也が突っ込んで126(40枚)なら10万円超え、井口が残って最安目の123(20枚)なら雀の涙。スタンドにいた私はあらん限りの声で智也を応援し続けたが、わずかに井口を捉え切れなかった。結局、3レースとも的中してコロがった倍率はわずか4倍(笑)……またしても勝負弱さを露呈したのだった。(photos/シギー中尾、text/畠山)

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