BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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シリーズ戦TOPICS 4日目

THE勝負駆け①

予選トップ争い

 

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 インの強い住之江だけに、予選トップの価値はとてつもなくでかい。その絶好のポールポジションをゲットするのは、おそらく谷川里江。大きく狂って香川素子。そう思っていた。10Rの直前までは。

 まず、9Rで予選をすべて走り終えたのが中谷朋子だった。節間勝率8・14で暫定3位。かなりの好成績だが、10Rを控える谷川と香川が手強すぎる。3号艇の谷川は③着で、6号艇の香川は②着で中谷の数字を超える。とりわけ谷川の③着条件は、リズム的にもパワー的にもかなり低いハードルだと思っていた。

 

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 だがしかし、その10Rで“事件”は起きた。バック直線、もっとも有利な谷川はガッチリと2番手をキープしていた。香川はそのはるか後方なので、このまま2着、あるいは3着に後退しても予選トップはほぼ確実だった。1周2マーク、谷川が大事に回ったところに、最内から樋口由加里が切り返した。②着で18位以内が確定する樋口の勝負手だったが、これが谷川の差しとガチンコ衝突した。たまらずよろける谷川。あっという間にズルズル後退し、トップ争いから脱落した。さらに、香川の追い上げも3着止まり。すでに走り終えている中谷に、予選トップの座が転がり込んだのである。谷川にとって痛恨の衝突(樋口は不良航法)ではあったが、最後の勝負駆けレースということを考えれば、やや懐の甘いターンだったかも知れない。

 

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逆に、中谷にとっては実にラッキーな逆転トップ当選だった。このツキを生かして、このまま優勝まで駆け上がるか。その可能性は一気にアップしたが、パワー的にはまだ盤石とは言えない仕上がりでもある。シリーズ戦はまだまだ混戦模様、とお伝えしておこう。

 

THE勝負駆け②

準優ボーダー争い

 

 こちらに関しては……うーん、特筆すべき要素が少ない1日だった。なんたって、今日の住之江水面はトライアル戦も含めて1号艇が10勝、そのうち1-2決着が7回。勝負駆け云々を熱く語るには、行った行ったの平穏なレースが多すぎた。これが住之江の底力と呼ぶべきか、勝負駆け選手が1号艇はじめ内枠に多かったということなのか。

 

 

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 とにかくイン鉄板の流れに乗って、宇野弥生や松本晶恵、細川裕子などの実力者がしっかりポイントを積み上げて予選を突破した。竹井奈美が1・2着、遠藤エミも1・3着で勝負駆けを成功させたが、ほぼ枠番どおりの成績でもあったなぁ。3連単の万シューはおろか70倍台が1本あっただけで、あとはすべて30倍以下という、穴党泣かせのシリーズ・勝負駆け。

 

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 私が期待した魚谷香織もスタートでドカッたし……コラーー、進入からスタートから、もちっと勝負駆けらしい気合を見せなさい!! と叫びたくなるような1日だったが、ハタと選手の気持ちになると、ちょっと同情の念を抱いてしまう。

 

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そう、1レースで億単位の売上をあげるシリーズではあるけれど、これって優勝賞金100万円の一般戦なんだよなぁ。「ガチの勝負駆け」って騒がれたって、モチベーションの作り方が難しいよなぁ。あ、勝負駆けは失敗だったけど、いきなり1Rで気合の前付けに出た落合直子。彼女に独断のMVPを授けたい。(photos/シギー中尾、text/畠山)