BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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芦屋チャレカTOPICS 4日目

 

THE勝負駆け①賞金ランク&予選18位争い

平本、大ピンチ!

 

 チャレカというSGの性格を踏まえ、賞金ランク18位争いを中心に今日の勝負駆けを振り返りたい。現在、グランプリ当確は15位の今垣光太郎まで。残る3議席をゲットする可能性がある選手は、16位・茅原悠紀~37位・赤岩善生の間で15人も残っていた。昨日までは……。その15人の面々が、今日は朝からひとり、ふたりと斬り捨てられてゆく。2Rは中野次郎と丸岡正典、6Rは深川真二、7Rは池永太……予選突破に赤信号が点った瞬間、グランプリへの道も閉ざされてしまう。予選落ち+GP落ち。チャレカの4日目は、他のSG勝負駆けよりも二重に残酷なのである。

 

 

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 8R、3議席の行方をさらに混沌とさせる“事件”が起きた。インの平本真之が、3コースの茅原悠紀の豪快なツケマイを喰らって5着大敗。一気に予選19位まで下落した。で、平本の賞金ランクは18位なのだ。さあ、絶体絶命の大ピンチ。このまま予選19位以下で全レースが終われば、平本のGP落ちもほぼほぼ確実になる。逆に予選18位以内に食い込めば、GP入りの期待度はぐっと高まる。が、予選を終えた平本は、ただただその成り行きを見つめることしかできない。イン戦で敗れた“選手責任”とはいえ、残酷な放置プレイだなぁ(笑)。

 

 

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 女子戦を挟んだ10R、さらなる大事件が起きた。2日目まで予選トップ、今節も有力なV候補だった峰竜太がやっちゃいけないフライング! そりゃあ勝てば予選トップの可能性もあったし、賞金7位から6位以内へという気合もわかる。が、暮れの住之江へ清い身体で、と考えればもったいないと言うか、グッと我慢をしてほしかった。この勇み足が、GPで悪しき影響にならないことを祈る。

 で、峰の予選脱落によって、18位に浮上したのが他でもない平本だ。12Rには3人のボーダー勝負駆け選手がいて、平本にはその結果次第で予選16位~19位という可能性が残された。18位以内か、19位か。天国と地獄の境界が、平本の前に突きつけられた。

 

THE勝負駆け②予選トップ争い

三つ巴の対決

 

 12Rに向かう前に、予選トップ争いも振り返っておこう。こちらはGPとは無関係に進める。まず、ひとつめの山場は6Rだ。前日まで7位だった笠原亮が、3コースから怒涛の締めまくりで圧勝。このまくり一発で、暫定トップに立ってしまった。同時に自力トップの権利もゲット、12R3号艇で1着なら文句なしのトップ当選だ。

 

 

 

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 この笠原に肉薄したのが、太田和美だった。10R、6号艇の6コース発進だった太田は、コンマ01の電撃スタート。フライングした峰の猛攻に乗って、俊敏なマーク差しのハンドルを入れた。決まり手は「抜き」だが、さすが浪花の勝負師、と唸らせる勝利だった。そして、この段階で予選トップ争いは3人に絞られる。すでに7・50で予選を終えた太田、12Rで直接対決する笠原、今垣光太郎。つまり、12Rは予選ボーダー、賞金王ボーダー、予選トップの勝負駆けがゴッチャゴチャに入り混じる、天下分け目の決戦になったのだった。

 

 そして、運命の12R。メンバーの勝負駆け条件を記しておこう。

12R

①石野貴之 ①着で準優1号艇=賞金ランク6位

②原田幸哉 ③着当確・④着は微妙=賞金ランク17位

③笠原 亮 ①着で予選トップ、②着でも今垣③着以下ならトップ=賞金ランク19位

④吉田拡郎 ④着当確・⑤着は微妙=賞金ランク31位

⑤今垣光太郎 ①着で予選トップ=賞金ランク15位

⑥濱野谷憲吾 ②着で当確、③着は微妙=賞金ランク28位

※「微妙」は原田・拡郎・憲吾&平本が4・83になるため、様々な場合分けが生じる。

 

 

 

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 石野だけがややぼんやりした条件に見えるが、なんのなんの、賞金ランク6位を死守するためには準優1号艇のメリットはかなりでかい。ガチンコ度は他の5選手と変わらないだろう。とにかく、それぞれ熱い勝負駆けなのだが、ヒリヒリ度に関しては幸哉が抜けているかもしれない。賞金ランク17位……予選突破すれば16位の茅原を抜くのも確実で、GPに限りなく近づく。逆に予選落ち&平本予選突破なんてことになれば、たちまち尻に火が点く。

 いざ12R本番、枠なり3対3のスリットから、激しく攻めたのが笠原・拡郎のセンター勢だった。2艇揃ってぐいぐい内を締めつけ、2艇ともにまくり差しのハンドルを入れた。悶絶したのは2コースの幸哉だ。外から分厚い猛攻を浴びて、さらに2艇の強烈な引き波を浴びた。あっという間に最後方を余儀なくされ、5着まで追い上げるのがやっとだった。予選アウト。幸哉の尻は火達磨と化した。その幸哉に抜かれた憲吾も今節&GPともに終戦。展開がなかった光太郎は4着に敗れたが、こちらは準優もGPも当確組。さほど大きなダメージのない4着だったかもしれない。

 これら後続艇を尻目に、1着争いは熾烈を極めた。まず、先頭に踊り出たのは笠原。光ちゃんが後方で喘いでいたため、「2着以内でトップ」という状況の中でハナを切っていた。が、2周1マーク、準優1号艇を目指す石野が襲い掛かる。ややターンが流れた笠原に、カミソリのように鋭い全速差しをブッ刺した。石野にとっては値千金の逆転差し。その後も、拡郎を含めた3人の攻防が続いたが、石野・笠原・拡郎の順にゴールを通過した。こと「勝負駆け」という観点では、3人ともに申し分のない結果ではあったな。

 

 

 

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 笠原、予選トップ通過。今節の笠原は、どのコースからでも「自力でインを攻め潰しに行く」という積極的な姿勢が目立った。気合とレバー&ハンドル操作がぴったり一致していて、危なげのないレースぶりという印象もある。パワーに関しては初日から半信半疑だったのだが(上位の下)、今日の行き足、回り足は超ゴキゲンだった。4日間を通じて、実にあっぱれなレースぶり&トップ当選だったと思う。

 そしてそして、予選ボーダー18位争いは……結果待ちの平本が、なんとか17位で準優入りを決めた。これはデカい。GP争いで「目の上のたんこぶ」と呼ぶべき同県の幸哉が脱落したのもデカい。明日からの2日間で幸哉を抜き去り、さらに16位の茅原を捕らえれば、GPが眼前に近づくことだろう。ただ、幸哉との180万円近い差は、決して楽なものではないのだが。

 

 最後に賞金ランキング。

 

1山崎智也……★

2篠崎元志……★

3桐生順平……☆

4毒島 誠……☆

5守田俊介……☆

6石野貴之……☆

 ――

7峰 竜太……☆

8太田和美……☆

9松井 繁……☆

10田中信一郎……☆

11池田浩二……☆

12坪井康晴……☆

13中島孝平……☆

14辻 栄蔵……☆

15今垣光太郎……☆

16茅原悠紀 4964 一般戦

17原田幸哉 4927 一般戦

18平本真之 4741 優出完走で当確

 ――

19笠原 亮 4681 優出完走で当確

20瓜生正義 4635 優出完走で茅原超え

31吉田拡郎 4226 優勝当確、準Vで茅原超え

32新田雄史 4200 優勝当確、準Vで茅原超え

35市橋卓士 3991 優勝当確

37中澤和志 3987 優勝当確

38赤岩善生 3967 優勝当確

 

 残る3席の争いだが、上記の10選手に絞られた。とにかく茅原と幸哉は一般戦で賞金を上積みするのみ。両者の争いでは茅原がかなり有利だが、幸哉にはアシ夢選抜戦や場合によっては選抜B戦に乗る可能性もあり、しっかり賞金とポイントを稼いでおきたい。

 

 

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で、平本と笠原は優出完走でほぼ当確となるはずで、明日の準優がメイチの勝負駆けになる。瓜生は優出しても落選する可能性があるが、体感的には優出さえすればほぼOKという気がするな。拡郎と新田は準Vでほぼ当確、市橋・中澤・赤岩も準Vでわずかな可能性が残る(平本次第)が「優勝絶対条件」と考えたほうがいいだろう。

 

     ★

 続いて女子チャレカだが、こちらも4日目にして予選脱落レーサーが何人か生まれた。まずは、5Rのツッコミで妨害失格を喰った山川美由紀。残念な結果だが、すでに福岡クイクラの当確を得ているだけに、前向きに気持ちを切り替えることができるだろう。

 

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 おそらく、その山川よりつらい4日目になったのが日高逸子、平山智加、中谷朋子、永井聖美の4人だな。よほどのことがない限り優出は難しく、それは同時に福岡クイクラの道が閉ざされたことを意味する。まさか、日高や平山が……という驚きの思いも強いが、残る2日間を目一杯走り、来年のリベンジへと向かってもらいたい。

 

 

 

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そしてそして、今日の幸哉のようにもっともヒリヒリしているのが、賞金ランク12位の中里優子だろう。そんなギリギリのボーダーにいながら、予選落ちはほぼ確定……現在、14位の魚谷香織と100万円ほどの差があるのがせめてもの救いだが、明日から胃がキリキリするような2日間になることだろう。とにかくあまり余計なことは考えずに、1円でも上積みを!(photos/シギー中尾、text/畠山)