BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット@グランプリ――昨年の初日とは違う!

 

 

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 昨年の初日とは明らかに違う光景がある。トライアル2nd組の動きがあまり見られないのだ。昨年は、初日の朝に松井繁が試運転で転覆というハプニングもあった。朝からみな動いていた。しかし今日は様相が違う。なにしろ、守田俊介以外のボートにはモーターが乗せられてもいない。唯一装着が終わっている守田にしても、単にモーターを乗っけただけのようで、ペラはついたまま。つまり、乗せてから何もしていない。姿を見たのも、エンジン吊りのときだけだ。初日2日目にレースのないトライアル2nd組も、他の選手と同様に調整や試運転に動く、と昨年のグランプリで刷り込まれただけに、これは少し意外な光景であった。

 

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 理由があるとするなら、今年新たに加わったアドバンテージだろう。昨年は18人で18基を抽選し、2nd組はやや厳しいモーターを引いた者が多かった。今年は6人で上位6基を抽選したことで、2nd組にはもれなく上位機が回ることとなっている。つまり、前検日で好感触を得たのならば、焦って動く必要はないのである。実際、エース機を引いた石野貴之は関係者に「やることがない」と笑っていたそうである。表情の凛々しさは変わらないが、ずいぶんとリラックスしたたたずまいともなっている。やはりベスト6でグランプリに出るのは本当に大きい! 今日のベスト6を目の当たりにした選手は、来年さらに6位入りを強く願うことだろう。

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 もちろん、6人が6人とも何もしていないわけではない。篠崎元志は本体を割って点検をしていた。時間があるからこそ、の周到な準備だろう。毒島誠も整備室にいて、リードバルブの調整をしていた。毒島のモーターは新ペラになっているそうで、昨日はペラ室にこもって調整をしていた。その分、外回りの調整に割く時間がなかったと思われ、それを時間がたっぷりとある今日、まずは行なっているものと思われる。ともあれ、作業にしても慌ただしさを感じさせないベスト6。なお、11R、12R発売中に2nd組のスタート練習とタイム測定がある。本場で観戦されている方は要チェック!

 

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 1st組では、やはり峰竜太が気になった。本体を割っていたのだ。昨日の会見で本体整備も視野に入れると語っていた峰だが、視野に入れるどころか、いきなり手をつけたのである。これは珍しい! と峰に振ったら、「ピストンリングだけですけどね。1年ぶりくらいですよ」。調べてみました……えっと、10月のびわこ大賞でピストンリング交換があります。1カ月半ぶりですね(笑)。SGでも、前回のチャレンジカップでギアケース、ダービーでギアケースと電気一式の交換があるが、いずれも外回りに相当する部分。SGに関して言えば、本体の部品交換はたしかにこの1年はない。さかのぼってみたら、昨年のオーシャンカップでセット交換をしているのが最後で、SG限定なら1年半ぶりである。

 峰曰く「足は悪くなくて、このままでもいいかと思ったけど、1年間溜めに溜めてきたことをやったら神様が見ていてくれるかと思って(笑)」。どこまで本音なのかはわからないが、神様が本当に見ていたかどうかは、11Rでハッキリするだろう。

 

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 そのほかの1st組は、ギアケース調整を主にやっているようであった。整備室の奥のほうにある作業部屋に、グランプリジャンパーが何人も見えたのだ。今節は瓜生正義もGPジャンパーを着ているので、全員がそうとは限らないが、初日の朝にギアケースというのは妥当なところだろう。今垣光太郎が駆け足で自艇まで行き、おっ、本体整備か、と思ったら、ギアケースを外したという場面もあった。ようするに、まあ、SGの初日らしいということも言えるわけである。

 

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 そんななかで、早々に着水して試運転をしていたのが原田幸哉。隠れエース70号機にかなり大きく手を入れるつもりらしい原田。すでにペラを叩いたのかどうかは確認できなかったが(試運転を終えたらペラ室にこもったので、話しかけるスキがなかった)、早くも水面で手応えチェックを始めていたのだから、今日はこれが一日続いていくのだろう。原田の気配もしっかり確認しなければ。(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)

 

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※太田和美も本体整備。1号艇の2人が本体に手をつけた!