残念なことに、今日も事故が出てしまった。3Rで吉村正明と松田大志郎が接触するかたちで両者転覆。その瞬間、展示ピットから「うわーっっ!」という大きな悲鳴があがっていた。松田は選手責任外だが、吉村が妨害失格をとられている。幸いなことにふたりとも無事で、レスキューから自力で陸に上がって、すぐにカポック脱ぎ場に戻ってきたが、松田がは苦笑いを浮かべる一方、賞典除外となってしまった吉村は痛恨の表情だ。
それにしても、序盤の段階で好モーターを引いた選手が手痛い結果を出してしまっている。吉村の30号機は評判機で優勝争いから脱落。エース機の村田修次は昨日、不良航法をとられてしまっている。そして28号機の大峯豊はマイナス15点のスタートだったばかりか、今日の1Rを最後に途中帰郷となってしまった。力なくモーター返納や帰郷の準備をしている大峯の背中が痛々しかった。まずは負傷を癒して、次のSG参戦に向けて奮闘してほしい。
ところで、昨日の記事にもボートごと整備室に運び込んで……という話を書いたが、今日もまた整備室内にはボートがたくさん見られたのだった。1Rを3着で終えた片岡雅裕は、着替えを終えるとさっそくボートとともに整備室へ。本体を外して、整備を始めている。
齊藤仁もやはり1Rを走ったあとに、ボートを運び込んだ。彼の場合、運び込もうとしたそのとき、桐生がエンジンを装着しようとしているのを見つけて、自分の作業は後回しにして、桐生のもとに駆け付けた。仁さんの好人物な人柄には、いつも癒されます。
激しかったのは篠崎仁志。試運転をしていた仁志は、2R発売中にいったんボートを整備室に運び込んだ。ギアケースの調整をして(交換だったかも?)速攻で水面へ。すると、3R発売中にもまたボートを引き上げて、整備室へ直行。ごく短時間のうちに2度も、整備室にボートを運び込んでいる。昨日も同じ動きを見ているから、少なくとも3回はボートに整備室の空気を味わわせているわけだ。
もうひとり、西村拓也のボートも整備室にあった。作業はギアケース調整だったようだが、登場は5Rということで、調整後は急ぎボートを水面に下ろしていた。初日は5着と不本意な発進、巻き返しへの熱意が伝わってくる動きではあった。
さらに、2R後には深谷知博が大急ぎでボートを運んだ。スペースが空いたのを確認して、ダッシュで整備室へ。2Rは6着で、ドリームも点増しとはいえ5着。レース後には端正な顔を何度も歪めていて、首をひねる場面もあったから、機力的にはおおいに不満ということであろう。後半は11R出走だから、時間には余裕がある。大がかりな整備に取り掛かる可能性もあるだろう。
ボートは装着場にあったが、本体整備をしていたのは瓜生正義。大きな部品の交換があったかどうかは11Rの直前情報を確認してほしい。なにしろ初日はまさかのゴンロク。地元SGでこのままズルズルと後退していくわけにはいかないだろう。2R発売中にモーターを装着しているが、福岡勢がどどっとヘルプに集まっていたのが印象的。やっぱり慕われているのだ。
さてさて、ピット隅の屋外ペラ調整所では、深川真二の言葉に神妙に聞き入っている上野真之介の姿が。ペラのアドバイスをもらっているようで、深川は自分のペラにゲージを当てて、その部分をじっくり見させてもいた。そこに加わったのが峰竜太。ベテラン深川と師匠でもある峰のツープラトンで、上野は助言を受けていたというわけだ。これは心強いっすね。初日2着、今日の1Rで1着と上々の発進。先輩たちの支えもありながら、さらなる躍進を狙う。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)