BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――ドラマチック・バトルトーナメント!

 

 

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 いやはや、ピットは大盛り上がりだった。

 今井美亜がまくり差しで抜け出した瞬間、一緒に見ていた岡崎恭裕が「おぉぉぉっ!」と叫んで水面際に駆け出した。残っていた女子選手たちも、嬌声をあげてピットにあらわれ、水面を覗き込む。まだ2周目だというのに、平高奈菜、魚谷香織、遠藤エミの3人はハイタッチを交わしていた。今日は3日間でいちばん気温が低かったが、体感温度は確実に上がっていたと思う。3周目に差し掛かると、優出選手のそれぞれの支部の選手もピットにあらわれたが、どの顔も嬉しそうにニコニコ笑っている。ゴールした瞬間には、自然と拍手も湧き上がっていた。

 今井美亜、おめでとう!

 バトルトーナメント初代王者は、富山の超特急娘だ! ピットに戻った今井は、女子選手らの祝福に、ひたすら笑顔を見せて、喜びをあらわにしていた。表彰式や記者会見でも「めっちゃ嬉しい」と繰り返していた今井。レース後の顔には、そんな言葉を口にしなくても、「めっちゃ嬉しい」と書いてあった。SG覇者がズラリと参戦し、SG未冠組にも勝率トップの峰竜太など強豪がズラリと揃ったバトルトーナメント。今井はこれが3回目の優勝だが、これまでとは格段に相手が強くなっての一戦を制したことは、そりゃもう「めっちゃ嬉しい」に決まっている。笑顔のかがやきを見ていたら、こっちまで嬉しくなっちゃったぞ。

 

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 敗れた5人もまた、今井には素直に祝福を送っていた。美亜ちゃんに負けたのなら仕方ない、という感じだったか? 先輩の松田祐季は、表彰式から戻ってきた今井に思い切り抱きついて、「今度ごちそうしてな!」と笑った。多少の悔しさはあったはずだが、しかし後輩の快挙はやっぱり嬉しい。そんな雰囲気だった。

 山﨑昭生は、深川真二に「ええ仕事しましたね!」と声をかけられて、ニッコリ。山﨑がまくりに行ったからこそ、今井に絶好の展開が向いたのだから、山﨑はこのドラマチックなレースを生み出した立役者でもある。峰竜太も「美亜ちゃん、きっと純金くれますよ」。カハハハと山﨑は爽快に笑った。

 

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 純金というのは、優勝戦出場選手に贈られる副賞。今井がウイニングランをしている間に、ピットでは他の5選手への授与セレモニーが行なわれていて、30万円相当の純金をもらった峰は、敗れた悔しさも忘れて(?)ニヤニヤと受け取っている。今井が受け取るのは50万円相当! さすがに美亜ちゃんもそれはあげられないな(笑)。なお、松田が20万円相当、山﨑と赤坂俊輔、松村敏は10万円相当の純金を贈られている。

 

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 というわけで、業界史上初のトーナメント戦による3日間短期決戦は、実にドラマチックなフィナーレで幕を閉じた。選手もこのシステムを楽しんでいたようだったし、見ているこちらとしては、ただただ面白かった。これが恒例化されて、1月の風物詩となることを期待しています!(PHOTO/池上一摩 TEXT/黒須田)