BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――オールスター開幕!

 

 

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 初日の朝らしく、ピットでは選手たちが懸命に動いている。定点観測をしていれば、ものの2~30分で52人全員と遭遇できるのではないか、と思えるほど、さまざまな選手の顔を見かける。大きな整備をしている選手は見当たらないが(昨日本体を割っていた西島義則は、むしろゆっくり過ごしていたようだ。早くも整備を終えたのか)、シリーズ1走目に向けての準備を誰もが入念に行なっている。

 本体を割っていたのは湯川浩司。大きな整備をしたのか、と思いきや、「シャフトの高さを調整した程度っす」。尼崎のモーターはまだ下ろして間もないので、部品交換が自由に行なえない。そうしたなかで、できる整備を施してレースに臨む。昨日の西島も、その類いの整備だったのだろう。

 

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 ペラ室には山崎智也の姿があった。ドリーム選手インタビューを終えてピットに戻ると、一息つくこともなく、調整に向かったわけだ。前検での手応えがいまひとつだっただけに、今日はたっぷりある時間をきっちり使い切って、底上げをはかることになるだろう。ドリーム組にしては早い動き出し……と言ってもいいのだが、今日は他のドリーム戦士も早々に始動している。茅原悠紀は1R発売中に試運転を行なっているし、松井繁も2R発売中にボートを下した。毒島誠も峰竜太も桐生順平も、1R発売中にはそれぞれに準備を始めており、ゆったりと過ごす気などなさそうだった。

 

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 前検で畠山が節イチに指名した坪井康晴も、早くからペラ調整に励んでいた。畠山の見立て通り、坪井自身も好気配を感じ取っているが、それでも気を緩めることなく、調整を怠らない。「連覇っすね」と煽ったら、「いやいやいや(笑)。まだレースしてないですからね。周りとの比較はこれからですから」。しかしその顔はまんざらでもないような表情になっており、内心では連覇のチャンスと感じているのは明らかだった。今日のレース後にも調整はするのだろうし、明日からも同様。坪井の手腕を思えば、さらに上昇してもおかしくないし、連覇という栄誉はますます近づくことだろう。

 

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 さて、1Rは女子レースが組まれ、平高奈菜が逃げ切った。オールスターの女子大量出場は風物詩だが、ここ何年かは誰も結果を残すことができていない。こうした状況をなんとか脱してほしいし、例年5日目以降に組まれることの多かった女子レースが初日1Rに入ったこともそんな期待をほんのり感じるわけだが、勝った平高にはとりわけ予選突破の期待をかけたいもの。今日の11Rも好枠を活かしてほしいものだ。

 その平高がピットに戻ってきて、一瞬だけ顔をしかめる場面があった。平高にそんな顔をさせたのは、レースぶりかモーターか。いずれにしても、勝って浮足立たず、己と向き合ったことは好材料である。何としてもの気合で、予選突破を果たせ!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)