BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――荒れ水面&本日の水神祭! 2000勝!

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 10Rの展示が終わって、水面では12Rドリーム組のスタート練習が行なわれた。2本が終わって、6名はピットに戻り、最終調整。なかでも毒島誠は大急ぎでプロペラを外し、整備室奥にある調整室に駆け込んでいる。やがて11Rのレディースドリーム組が展示ピットにボートを移す。10Rの締切時刻が近付き、緊張感も高まってきた19時15分頃。
「選手班長の毒島選手、競技本部へ」
 そうアナウンスがかかった。全力疾走でペラ調整室を出て競技本部に向かう毒島。数分後、ピットに戻った毒島はドリーム組に声をかける。展示を控えたレディースドリーム組にも。安定板装着だ!

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 そう、11Rと12Rは安定板装着でレースが行われたが、それが決まったのはかなりギリギリのタイミングだった。展示ピットにボートをつけた女子組は、もはや調整の時間が残されていない。SG組にしたって、大きな調整ができるわけではない。今日一日、安定板装着など想定せずに調整を続けてきたドリーム選手たちが、もしかしたら気配が変わってしまうという状況でレースに臨まなければならなかったわけだ。もちろん、9R頃から風が強くなり、水面が荒れていたから、安定板装着の判断は妥当である。それでも、手探りでレースに臨む選手たちは気の毒だなあ、と思ったりするわけである。寺田千恵はすでに展示準備のため赤いカポックと勝負服を身に着けていたし。

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 ただ、そんなこちらの心配などどこ吹く風と、選手たちは手早く装着作業を始めていた。特に不満そうな表情も見えなかった。このタイミングでの装着は、ようするに全員が同じ条件なのである。それを言い訳にする選手もいないということ。実際、淡々と装着していた石野貴之はドリームで豪快なレースを見せている。安定板ごときで揺らぐようなトップクラスの選手ではない、ということだ。

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 で、安定板を装着せずに行なわれた10Rは、水面はやはり荒れていたこともあってか、接触などもみられる展開となっている。先マイした井口佳典は特に影響はなかったが、3コースの太田和美は4カドから好発決めて締めんとした原田幸哉と2コースの田村隆信に挟まれる格好になったし、外の木下翔太と平本真之ももつれるようなかたちになった。というわけで、レース後はそれぞれが接触対象の選手に頭を下げるシーンがあちこちで見られた。もちろんみなノーサイドで、むしろ水面状況もあっただろう、苦笑いを交し合うのであった。事故なく戦い抜いたのはさすがのトップスターたちだ。

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 そんな荒れた水面のなかでも、試運転を延々と続ける選手がいた。SG組では中野次郎。好機を引いて期待された今日の1号艇、しかし同支部の先輩である濱野谷憲吾にまくられて連対を外してしまっている。濱野谷が強烈なスタートを決めていただけに、致し方ない部分もあったと思うのだが、しかし次郎は納得がいかない部分もあったのだろう。ようやく試運転を終えたのは10R発売中。いつも通り女子選手も何人かが試運転を続けていたが、彼女たちの輪の中にポツンと次郎がいたりしたのであった。

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 荒れ水面とはあまり関係ない感じではあったけれども、風が強くなってきていた9Rでは高田ひかるが転覆を喫している(これに絡んだ香川素子が不良航法)。危ないシーンと見えたのだが、ファンの皆様ご安心を、レース後は元気に転覆整備をしていた。明日の出走表にも名前が載っている。今年は躍進の年で、来期はA1級。このレディースチャレンジでさらなる躍進のきっかけを作りたいところだったが、いきなりの転覆はなかなか痛いものだろう。それでも、SGと同じ舞台を走るここで、おおいに名前を売ってほしいもの! 明日からの奮闘に期待しよう。

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 さてさて、終盤の時間帯の調整模様では、魚谷智之が本体整備を始めていた。初日5着でやや出遅れた感もあり、一発逆転のグランプリ行きに向け、パワーアップは必須だろう。一方、8Rで6号艇から逆転勝ちした湯川浩司はキャブレター調整をしていた。素晴らしい気配と見えたのだが、それでも簡単に妥協はしない。畠山が買い続ける今節、けっこう儲けさせてくれるかもね、湯川が。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)

本日、7R終了後に徳増秀樹の通算2000勝水神祭が行なわれています。しかし申し訳ありません。私・黒須田が、地上波レースライブの出演のため、取材ができませんでした(リハーサル中でした……)。というわけで、中尾カメラマン撮影の写真でご覧ください! 徳増選手、おめでとうございます!

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