BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――整備ラッシュ!

 

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 瓜生正義が慌ただしい時間を過ごしていた。今日のレースでの気配は決して優勢ではない……どころか劣勢に見えるもの。9R終了後の瓜生は、すぐに整備に取り掛かった。本体整備をする瓜生の周りには、心配そうな整備士さんの顔が見える。地元のエースが不本意な足色ということで、気にかかるのは当然というものだ。さらに瓜生はペラ調整も。本体からペラから、徹底的に見直しをはかっているのだ。福岡の大黒柱の責任感か、それともここでは絶対に負けられないとの強い決意か。終盤の時間を目いっぱい使っての調整作業。明日パワーアップしていたとするなら、この奔走がモノを言ったということになる。

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 本体整備は、ほかに平本真之も。なにしろここまで66だ。予選後半に向けて、何もしないではいられない。どうやら交換もあったようなので、明日の直前情報を確認していただきたい。前年度覇者として、絶対にこのままでは終われない平本だ。明日の調整の手を緩めないはずである。

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 その平本との会話が漏れ聞こえてきた、平高奈菜も本体整備をした模様だ。その姿は見ていないが、整備室の整備状況を伝えるボードの「パワーユニット分解整備」に平高のモーター番号があったし、平本ともそんな話をしていたから間違いないと思う。平高はここまで666。こちらも明日の直前情報は要チェックだ。ちなみに平本も平高も3R登場。そう明日の3Rは「6並び脱出対決」だ。いや、ただ6着の連続にストップをかければいいわけではないのだ。男女ヒラヒラコンビが上昇気配を見せてくれることを祈ろう。

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 本体整備はこれに留まらない。まず、池田浩二。クラシックでも連日、本体を割っていた池田が、今節も同様のパターンにハマっている。もちろんペラ調整も行なっていて、11R発走直前頃にいったん切り上げる時には、顔を歪めて腰をトントントン。ペラ調整の姿勢って、腰に来そうだもんなあ。それをいとわず、池田は調整を続ける。

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 今垣光太郎も本体整備場に姿が。遠目にしか見ることができなかったのだが、もしかしたらキャリアボデー交換かも!? そんな動きに見えたのだ。今垣は結局、最後の最後まで整備室に。整備の鬼っぷりが久しぶりに見られたような気がする。

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 10R終了後、松本晶恵も本体を割っていた。着替えを終えると走って整備室に消えた松本、ただしピットではよく走っている姿も見るので、特別なこととは思っていなかったが、その後に整備室を覗き込んだら、本体整備場に姿があったのだ。宮島のレディースオールスターでは大整備を当てて、優勝戦まで駒を進めた。今回は果たして。ここまでは555、明日の1号艇では思い切り小さい数字で5着連敗を脱出したい。

 2日目終盤は整備ラッシュ。予選後半に向けて、ピッチが上がったというわけだ。明日はこの整備をもとに朝から試運転に励んだり、ペラ調整に没頭したりということになるだろう。彼らの奮闘は、明日もさらに続いていく。

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 さてさて、多くのレース場では帰宿に1便2便制がとられていて、福岡も10R終了後に1便のバスが出発する。というわけで、11R発売中になるとピットは一気に閑散として、報道陣の数は変わらないけど、選手の姿はぐっと少なくなる。今日の11R。2号艇の井口佳典が2着でピットに戻ってきた。すぐにエンジン吊りの作業が始まったのだが、服部幸男も同じレースで、静岡勢がそちらに集中するから、井口のほうがかなり手薄になっていた(新田雄史は12R出走だし)。というわけで、操縦席の水分吸い取りは、カポック着たままの井口自身が行なうという珍しい光景が。

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 通常は、こういう感じです。だいたい、その支部や地区の若手がこの作業をする傾向があります。だから、秋山直之のボートの吸い取りは中田竜太が担当した、と。エンジン吊りの人数が少なくても、井口やほかの選手はテキパキと動き、あっという間に作業終了。本栖ややまとでも培われてきたこうした動きの素早さは、本当に素晴らしいですね。

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 最後に、今村豊がなぜか四股を踏んでいた。正面から撮ろうと回り込んだら、「あ、写真撮ろうとしとるやろ! ダメダメ、相撲取りじゃないんだから」と嬉しそうな笑顔で言われて断念。でも、横からこっそり撮っていたのをこっそり載せてしまいます。相撲取りじゃないってのは、もちろんわかってますがな。でも、今朝は森高一真と相撲のようなじゃれ合いをしてましたよね……?(PHOTO/池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)