BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――春の笑顔

 

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 今節の気象条件は日替わり。初日が雨降りで強い追い風、7Rまで安定板。2日目は雨があがって強い向かい風、終日安定板。そして今日は晴れで向かい風だが、風はやや弱まって安定板がとれた。毎日、条件が違うのだ(1R発売中にはいったん追い風になって、注意喚起のアナウンスが流れている。レース時は向かい風に戻った)。

 というわけで、3日目だというのに慌ただしい空気にピットは包まれており、係留所は満艇状態だし、ペラ調整所も多くの選手で埋められている。烏野賢太が水面と陸を何度も往復している姿が象徴的。同期の川﨑智幸と足合わせをして、真剣な表情で情報を交換していた。

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 そんななかで今村豊が余裕たっぷり。調整をしている姿は見かけず、エンジン吊りのたびに控室へと戻っていく。9R1回乗りで時間にも余裕があるのはたしかだが、やはりモーターの感触が良いのだろうと思わせる雰囲気もある。と書きながら水面を見たら、試運転してます。始動がゆっくりめだったということか。2Rのエンジン吊りが終わった後には、渡邊伸太郎に呼び止められる場面があった。渡邊がアドバイスを求めており、今村は真剣な表情で話し込んでいた。支部など関係なく、頼られれば応えるのである。

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 選手が醸し出す空気はたしかにざわついているが、気候自体はなんとも気持ちいいもので、日の当たる場所の爽快感はまさに春! 今朝最初に顔を合わせたのは新良一規だったが、ピットへの入口あたりで陽光に目を細めながら、空気の爽快感以上に爽やかな表情で、こちらに挨拶をしてくれたのだった。新良さんに先に挨拶させるとは恐縮です! それにしても、還暦とは思えない若々しさで、今年マスターズデビューのワタシとしては憧れであります。あと12年後に、こんなにハツラツとした還暦になれるだろうか。

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 新良と顔を合わせたその場所は駐車場にも面していて、そこには何台か、車で自走してレース場に来た選手の愛車も置かれている。そのなかの一台、かっちょいいベンツをじっと眺めていたのは大賀広幸。さんざん眺めまわして、「誰の車かわかります?」と尋ねてきたので、「森竜也さんです」と教えて差し上げました。入り取材のときに見てましたから、間違いありません。大賀はふんふんと深くうなずいて、控室へと戻っていくのだった。大賀が次に買い替える時には、同じ車種になるかも!?

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 そのかっちょいいベンツのオーナー、森竜也は2Rで1着! 地元マスターズで初白星をあげた。ピットに戻ってきた森の表情は、歓喜よりも安堵のほうが強そうで、地元1号艇の責任を果たしたことにホッとしたことだろう。森よりも出迎えた鈴木幸夫のほうが大きな笑顔を見せていたな。インの鬼から称えられる逃げ切り、お見事です!

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 さてさて、2R発売中に装着場の真ん中あたりで九州勢が笑い合う声が聞こえた。どうやら、長溝一生が吉田一郎をからかったようで、それを聞いていた打越晶、山一鉄也が笑い声をあげたようだった。苦笑いを浮かべる吉田が長溝に言葉を放つ。「水面だけじゃなくて、陸の上でもうるさい!」。ダハハハハ! 長溝は「当ったり前や!」と返して、さらに笑いは広がっていた。九州軍団の仲の良さが伝わってくるシーンだ。吉田選手、こうなったら水面で長溝を黙らせちゃってください!(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 黒須田 PHOTO/黒須田)