BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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みんな勝負師、枠番抽選!

 

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 グレードは一般戦、賞金は100万円。級別審査の着順点は1点増しではあるけれども、相手は強豪ばかり。そして他には例のない一発勝負のほぼオール枠番抽選。選手にとっては非常に過酷で、モチベーションをどう上げるかは非常に気になるところではある。とはいえ、やはりA級で活躍するような選手は、とにかく勝利への執念がすごい。そして負けず嫌い。敗退した選手たちはみな悔しがっていたし、勝った選手はいい顔をしていた。

 12R、1号艇で敗れた瓜生正義は、さすがに顔をしかめている。セミファイナルへと勝ち進むことはできたが、やはりイン戦で敗れたのは自分に納得がいかない。それも地元で、12Rに組まれての1号艇をモノにできなかったのだ。勝ち上がりうんぬんとは別のところでまた、悔しさが沸き上がってくるわけである。

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 そんな瓜生の悔しそうな顔をもう一度見ることになったのが、枠番抽選だ。瓜生はセミファイナル3の5番手だったのだが、その時点で残っていたのが1号艇と6号艇。どちらを引くかでまさに天国と地獄のようなものなのだが、ガラポンッと出たのは緑。選手班長席で瓜生は拳を何度も振り振りして、悔しさをあらわしていた。瓜生といえば人格者だが、同時に勝負師の魂も燃え滾っているのである。

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 というわけで、枠番抽選。まず復活戦の24名が最初に抽選会場に集められて、先に抽選。彼らが退場後にセミファイナルに進んだ24名が入れ替わりで入り、抽選が行なわれている。

 印象的だったのは復活戦2。真っ先に引いたのは権藤俊光で、いきなり白を出している。相好を崩した権藤だが、忘れちゃいけない、この組にはあの人がいるのだ。不良航法で賞典除外をとられてしまった西島義則は、この組の最後に抽選。つまり残った枠に自動的に入るわけだが、これが緑。その瞬間、権藤はこっそりと頭を抱えて苦笑いを浮かべていた。前付け必至だもんね! でもゴンちゃん、西島さんは別に緑じゃなくても行きますから。最後に何が残っていようと、試練の1号艇になるのは決まっていたのです。ここで逃げれば価値があるぞ!

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 復活戦3では、1号艇を引いた原豊土が「ヨシッ!」とガッツポーズを見せている。ただ、ちょっと恥ずかしかったみたいで、席に戻ると「声を出してしまった」と照れ笑い。いやいや、復活優出の可能性が高くなる1号艇ゲットなのだから、喜んでオッケー!

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 セミファイナルのほうもなかなか楽しかった。セミファイナル1で6号艇となった湯川浩司のボヤき、セミファイナル3で5号艇を引いた篠崎元志の男前な苦笑い。やっぱり外枠を引くとテンションが下がる。

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 一方、セミファイナル2の仲口博崇は1号艇ゲット。というわけで、ちっちゃくガッツポーズを見せていた。すると、そのささやかな喜び方にツッコミが入った。「グランプリじゃないんだから!」と返す仲口。去年、1号艇を引いた松井繁はド派手なガッツポーズを見せていたけどなあ。ファイナルに進んで、また1号艇を引いたら次はでっかいガッツポーズを!

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 最後にセミファイナル4。繰り上がり進出の吉田凌太郎はラストに抽選。最初の3人が白を出せなかったのを見て、吉田のすぐ前に座っていた濱野谷憲吾が「1かぁ~~~!?」と振り向いて吉田をからかった。その語尾が消えるか消えないかのタイミングで、瓜生の「1!」という声が聞こえてきた。もう、憲吾がそんなこと言うから、出ちゃったじゃないですか。出したのは篠田優也。2連続1号艇! 吉田も強運ではあったが、篠田のほうが上手だったのか!?(PHOTO/池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)