BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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尼崎バトルトーナメントTOPICS 初日

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 まずは、12R後のセミファイナル枠番抽選の模様をお伝えしよう。第1班(明日の9R)で主役を張ったのは、地元の個性派コンビだった。いの一番にガラポンを回した選手班長・金子龍介が引き当てたのは、またしても6号艇! 引きハズレたと呼ぶべきか(笑)。緑玉がぽとりと落ちた瞬間、金子はガックリ肩を落としてこう叫んだ。
「いやぁ、もう(1着は)ないわ、もうない……あるぅ?」
 この「あるぅ?」の哀しい余韻に会場は大爆笑。今日の金子の6号艇については後述するが、インがメチャクチャ強い尼崎での6号艇連発はまさに不幸としか言いようがない。

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 でもって、逆に嬉しい1号艇を引き当てたのは、最後にガラポンを回した白石健だった。引き残ったと呼ぶべきか。ガラポンを回す前からそうと分かっているシラケンは、ほっこり笑顔でガラポン開始。白玉が出た瞬間、ほとんど確認もせずに笑顔のままくるりと背を向けた。至高の瞬間というヤツか。
 はてさて、1回戦は①菊地vs⑥徳増の「仁義なき静岡血戦」が実現した(枠なりオールスローで菊地の勝利)が、明日の①シラケンvsキンリューの「仁義なき尼崎血戦」はどんな結末となるのか。場所が場所だけに、シャレにならないタイトルではあるな(笑)。
 第2班(明日の10R)でも、桑原悠が緑色を引いた直後に爆笑の渦。6コースの1着率が1・5%しかない尼崎だけに、その不遇な状況を笑い飛ばすのが最善の「おもてなし」なのだろう。

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 第3班(明日の11R)では菊地孝平が場を盛り上げた。ガラポンを回しながらすでにガッツポーズを作っていた菊地は、玉が落ちた瞬間にその拳をさらに天井へと突き上げた。1号艇かと思いきや、「菊地選手、5号艇」のコールが。はい、開き直りの拳だったのだな。すぐにしょんぼりとうなだれた菊地は、ポツリつぶやいた。
「うーーん、流れ悪いなぁ」
 これが本音なわけだが、今節の菊地53号機はスリット近辺の行き足が強力なので、得意のS一撃まくりも十分にありえるだろう。

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 一方、この3班で1号艇を引き当てたのは……1回戦に続いてまたまた栗城匠!! 菊地流に言うなら、「最高の流れ」であることは間違いない。私はうっかり見逃したのだが、「ボートレース界の笑わない男」として有名な栗城が、玉が落ちた直後にほんの一瞬だけニヤリ笑ったらしい。その不敵な笑みが2連続のイン逃げ~スーパーあみだマシーンで3連続の……などというミラクルを生み出すのか。ここ一番ではスタートを張り込む勝負師でもあり、第2関門を突破する可能性はそれなりに高いとお伝えしておこう。

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 そしてそして、最後の第4班(明日の12R)の主役は、やっぱり佐賀のアロハキングだった。元気にガラガラ回して玉が落ちた瞬間、とびっきりの大声&ガッツポーズで
「ヨッシャーーーーッッ!!!」
 誰もが白玉=1号艇と確信したらば、「峰選手、6号艇!」。もはや場内は爆笑を通り越して呆れる選手もいたほどだった(笑)。もちろん、この稀代のお祭り男は最後までけらっけらの笑顔のままスキップするように会場を後にした。2戦連続で緑玉を引いてしまった選手班長・金龍&お祭り隊長・峰竜。シリーズの主役級のふたりが、大外枠からどんな戦法でレースを盛り上げるのか。性格どおりの?破天荒な闘いを見守るとしよう。
  あ、そうそう、峰の6号艇とは裏腹にメインエベントの白カポックをGETしたのは……はい、この男! もう多くを語る必要はないですな。

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 もろもろトピックス。去年の多摩川バトルは48選手を「チームSG・24人」&「チーム下剋上・24人」に分類したところ、トーナメント1回戦の勝ち上りはこんな結果になった。
「チームSG」=20/24人!!
「チーム下剋上」=4/24人
 つまりはSG覇者とSG常連で構成した「チームSG」が圧倒的勝利を収めたのだった。で、今年も勝手に半々に分けてみた。

「チームSG」=篠崎、瓜生、中島、桑原、日高、稲田、木下、新田、西島、興津、山本、柳沢、三嶌、石野、金子、元浩、拡郎、毒島、菊地、岡崎、徳増、遠藤、濱野谷、峰
「チーム下剋上」=外崎、竹井、吉川貴、野村、中越、前田、栗城、大瀧、浜先、河野、落合、木田、向井、村岡、広次、荒井、川村、五反田、福田、香川、白石、坪口、末永、和田
※1回戦のレース出場順

 白石健はSG組でもおかしくないのだが、ちょいとブランクがあったので人数調整のため下剋上組に回ってもらった。でもって、勝ち上がったチーム&選手は?

    チームSG      チーム下剋上
5R ①篠崎、④瓜生      ③竹井
6R ①桑原          ②野村、③中越
7R ⑤新田          ①栗城、③浜先
8R ③興津、⑥柳沢      ②落合
9R ①三嶌、②石野、⑥金子  なし
10R ①吉川、④拡郎、⑤毒島  なし
11R ①菊地          ②福田、⑤白石
12R ②遠藤、⑥峰       ④末永
※丸囲み数字は枠番

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 おお、今年は「15人vs9人」と下剋上組が健闘したのだな。「去年よりチーム下剋上の枠番がかなり有利だった」が最大の理由だったとしても、穴党にとっては嬉しい限り。さらに明日のセミファイナルも下剋上組が好枠を占拠した感があり、配当的には本命党も穴党も大いに楽しめる4個レースと言えるだろう。穴党にとってのキーマンは遠藤エミ&竹井奈美(11Rの2・3号艇)、そして↓も加えた女子トリオかも??

今日の下剋上クイーン
☆落合直子(大阪) 8R1着

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 1Rからイン逃げ7連発。「この世にシード番組がなければ、日本でいちばんインコースが強い」と言われる尼崎水面らしい流れを、「浪速のまくり姫・直子はん」が2コース差しで切り裂いた。レース展開としては、イン西島義則の先マイが真横にダダ流れしてのズッポリ差し。多分にラッキーな1着ではあったが、勝ちは勝ち。3連単420倍の大穴を演出するとともに、セミファイナルのチケットも入手した。
 大阪支部にはまくり姫がふたりいる。3コースの直子はん&4カドの忍はん。
 私は勝手にそう思ってるのだが、忍はんは抽選に恵まれず明日の復活戦も6号艇。片や直子はんはセミファイナルで待望の(?)3号艇を引き当てた。相手は石野、峰、瓜生などなど格段に強くなるが、2着でもファイナルの可能性がある身の上、得意の3コース(希望的観測)から積極果敢に攻めたててもらいたい。

今日の「押忍、班長!」
☆金子龍介(兵庫) 9R1着

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 これが地元・兵庫の番長、もとい、選手班長・金龍の底力だ! この9レースの選考順位が1位でありながら6号艇を引いてしまった金子は、ピットアウトから猛ダッシュ。内の広次修を叩いて5コースまで潜り込み、気合のトップスタートでインの三嶌誠司まで一撃で絞めまくった。その初動の早かったこと! スリットで半分覗いた瞬間に舳先を左に傾け、4コース村岡賢人を蹴散らしながらも握りっぱなし。
班長ですっ!」
 今朝の選手紹介の気合がまんま乗り移った猛攻だった。うん、この勝ちっぷりだけで言うなら、やっぱ班長より「尼の番長」が相応しい。去年は激痛F3の余波(切ったのは一昨年)で不遇のB2生活を余儀なくされたが、強い強い金龍がいよいよ本格的に戻ってきたわけだ。もちろん、明日の9R6号艇もピットアウトから片時も目を離すことはできない。(photos/チャーリー池上、text/畠山)