BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――懸命な調整

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 本日は石川真二の48回目の誕生日。おめでとうございます! というわけで、係留所から上がってきた石川にお声がけ。そしたら石川、ニッコニコで言った。
「コメントじゃなくて、モノでくださーい!」
 ダハハハハハ! わかりました。石川さんの舟券をガッチリ獲ったら、何かプレゼント買います。皆様、最終日出待ちではぜひ石川真二に愛のプレゼントを!
 というわけで、爽やかな3日目の朝。今日も朝から調整の手を緩めない匠たちである。と書いてみて、何か違和感ありますね。まあ、いいや。名人位を争う者たちは、朝から懸命に動いている。

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 整備室には熊谷直樹、服部幸男。この二人といえば、思い出すのは97年グランプリ。6号艇の今村豊が1号艇の西島義則からインを奪い、住之江のスタンドが大爆発。3コースを獲った熊谷がまくって、6コースからまくり差した服部が突き抜け、この二人のワンツー。2号艇は太田和美だったなあ……って、全員、このマスターズのピットにいるじゃん! ちなみに、もう一人は植木通彦。植木さんは初日に来ていたから、あの瞬間には珠玉の名勝負を彩った名優6人がピットに揃っていたわけだ。黄金のヘルメットを奪い合った6人が、今春は名人位を奪い合う。マスターズは郷愁を味わわせてくれるレースでもありますな。

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 日高逸子も本体整備。ボートを整備室に持ち込んでの作業となっていた。今日はまさに一日早い勝負駆けだから、何としてもパワーアップをはかりたい。

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 そのすぐ横で、市川哲也、渡邉英児の67期同期コンビが並んでゲージ擦りをしていた。これはなかなかに対照的な姿。ゲージ擦りはパワーアップをはかる作業ではない。むしろ、エンジンに手応えを得ている選手が、その形をゲージに残そうという作業だ。手を尽くしてモーターの立て直そうという本体整備とはいわば正反対。3人とも粛々と作業を進めているが、実はちょっとした明暗の姿なのである。

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 レースを終えた選手たちも、明日に向けて作業は続行。1Rで逆転3着の倉谷和信が、ボートリフトから出迎えた選手に向かってハンドルを回すような仕草を見せた。その瞬間、太田和美が駆け出す。ピットの隅に設置されている艇旗艇番置き場へ、試運転用のそれを取りに走ったのだ。大阪勢は倉谷は今日はもう水面に出ないと思い込んでいたのだろう。しかし倉谷は、明日の勝負駆けに備えての万全を尽くそうと、試運転も行なう腹積もりなのだ。ここまで4走22点、明日のノルマは決して楽ではない。それだけに、倉谷の仕事は朝で終わるはずがなかったわけである。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)