BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――ゆるやかに準優を迎える

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 カタくなってるかもなあ、と想像されるのは、SG初準優の松本晶恵くらいで、その松本が先輩の青山登さんにリラックスした笑顔を向けているのを見て、今朝のピットが一気に穏やかな空気になっているように感じられた。準優の朝だからといって、いきなりピリピリしているということは経験上ありえない。18名中12名がSGウィナーということを考えても、百戦錬磨たちがいきなり精神状態を変えるとは思えないわけである。まあ、峰竜太は今朝もテンションが上がっているようには見えなかったけれども。

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 予選トップの中島孝平も、淡々としたもの。この人は、どんなときでも淡々、ではあるのだけれど、優勝に最も近い位置にいてもそれは変わらない。接触は挨拶を交わした程度だったが、平常心を欠いているようには見えなかった。

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 地元の砦となった吉川元浩もリラックスムードだ。準優1号艇は、地元だからといって、この人のメンタルに異常をきたすようなものではない。グランプリ優勝戦1号艇を経験している人ですからね。写真のとおり、エンジン吊りでは柔らかに仲間と語り合う様子もあった。いい雰囲気だ。

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 もう一人の1号艇、前田将太は特に作業をしている様子もなかった。モーターに手応えがあるのだろう。エンジン吊りにはもちろんあらわれているが、その後はペラ調整室や整備室に向かわず、控室に戻っている。前田は15年尼崎クラシックで、準優2番手を走りながら道中抜かれて優出を逃す、という悔恨を経験している。レース後、身をよじりながら悔しがる姿は今も鮮明に思い出される。あの雪辱を今日晴らせるか。雰囲気と枠番からすれば、問題ないようにも思えるが。

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 昨日までよりもやや気持ちが入ったな、と思えたのは今垣光太郎だ。準優メンバー全員が同様なのかもしれないが、それがはっきりと感じられたのが今垣ということである。予選最終走の6号艇は動いたものの誰にも入れてもらえなかったが、今日は深い起こしも覚悟でさらにグイッと動くかも!? まずは進入から注目しよう。

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 同じく6号艇の平本真之は、精力的に調整を進める。一昨年の尼崎オールスターは予選1位通過。今回は18位通過。まるで違う立場で準優に臨む。一昨年は“王道”に乗ったことを喜んでもいた平本。今回は下剋上を狙うことになる。尼崎オールスター、1位で優勝、ボーダーで優勝、なんてことになったらなかなか楽しい記録ではある。

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 あとはやはり、新田雄史か。予選初戦から3連勝でシリーズを引っ張り、不運な5着で一歩後退を強いられると、昨日は決意の3カド戦を見せた。勝ちにいく姿勢をくっきりとあらわにしたのだ。実らず6着だったが、だからこそ今日もさらに闘志見える走りを披露することになるのかもしれない。あそこで流れが変わらなければ、今日は白いカポックを着ていた可能性は大きかった。そう考えれば、新田がいつものSG準優以上に気合が入っても不思議ではないのだ。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)