BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット@シリーズ――ハイボーダーに泣く

 

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 ボーダーは6・40! いや、今垣光太郎も6・40だったが、次点に泣いている。それを知ってか知らずか、10R終了直後の今垣は少々元気がないように見えた。ということは、ある程度は把握していた? とにかく、SG準優としては異例のハイボーダーである。勝負駆けは実に熾烈だったわけである。

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 笠原亮は9R3着で6・00。普通ならノルマ到達だが、今回はまるで届かない。笠原はまず、逃げられなかったことを悔やんでみせ、そして準優に乗れなかったことを悲しんだ。今年の笠原は、初日に好成績をあげながらも尻すぼみ気味に予選落ち、というケースが何回もあった。今回も同様だ。同じようなパターンで準優に進めないことの繰り返しにずいぶん悩んできた。最後にそれをぶち破れたら、笑顔で今年を締められたはずだが、それはかなわずに肩を落とすことになった。この苦労は来年、必ず実を結ぶと思いたい。まずは来年の東海地区選で頑張ってもらおう。クラシック出場権を賭けた最後の戦い。そして、クラシックは地元浜名湖開催である。笠原選手、浜名湖で会いましょう。

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 5Rでまくり差し一閃で勝った平本真之も6・00。見事な勝負駆け成功、と書けたはずが、無念の予選落ちである。平本は「悔いはないです!」と言い切ったけれども、顔は少し引きつっている。勝利自体は会心でも、予選落ちはやはり悲しい出来事だ。平本も、今年は喘いだ一人だ。昨年はグランプリ戦士に名を連ねたのに、今年はチャレンジカップ出場もかなわず、グランプリは外野として眺めることとなってしまった。平本はさまざまな苦難にうなだれ、それを糧として飛躍して、SGウィナーにまでなった。しかも複数回の優勝経験者だ。今年の苦難がまた、次なるステップアップにつながると信じる。来年もSGで会いましょう。

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 トライアル1st組では、篠崎仁志と魚谷智之が予選落ち。魚谷は減点を抱えての戦いだったわけだが、仁志も6・00の一人である。それも10R、着を落とす形で点数も落とした。さすがに意気消沈というか、明らかに覇気を失っていた。装着場のモニターに流されたリプレイを食い入るように見ていたのは、兄の元志。間違いなく、仁志の走りを見つめていたと思う。元志は予選突破。もともとひとつ上のステージで戦っていたはずの弟が予選落ち。元志はどんな気持ちでモニターを凝視していただろう。

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 予選トップは新田雄史だ。師匠がグランプリ、弟子がシリーズのW優勝も視野に入ってきた? という状況であっても、新田は実に淡々としたもので、終盤の時間帯もペラ叩きに勤しんでいるのであった。予選トップの快走をしていた今節、一貫して新田は淡々としていたと思う。明日逃げ切って優勝戦1号艇となっても、その表情は変わらないのではないか。13年オールスター以来のSG優勝を前にしても、平常心で戦えることだろう。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)