10Rで原田幸哉がフライング。これで今期2本目となってしまった。ピットに戻ると、同期の盟友・瓜生正義に「やってしまった……」と言って顔をしかめてみせる。声の掛け方はやはり難しいのだろう、瓜生は黙ってうなずくだけだった。やはりフライング後の空気は常に沈痛だ。エンジン吊りに出てきた西山貴浩も、黙々と作業しているのだった。
その西山も、逃げ切った池田浩二を出迎えるときはさすがに笑顔だ。仲良しこよしのこの二人、なんだかんだで絡みは多く見かける。粛々と戻ってきた池田も、西山の顔を見ると相好を崩す。その勢いで池永太にも絡みついていく池田なのであった。昨日の5着4着を巻き返したのだから、気分も良かろう。
11Rでは地元勢が沸いた。永田秀二が3コースまくりで快勝、SG初1着を決めたのだ。永井彪也は永田が戻ってくる前からガッツポーズ。永田が凱旋すると、福来剛がバンザイ! 濱野谷憲吾は1便バスで帰宿していたので不在も、若林将も加えたフレッシュな東京支部勢が、永田がSG初出場であげた初白星を称えていた。
あと、同期の平高奈菜も喜んでいたな。水神祭は別項を参照してもらうとして、平高は11R終了後の2便バスで帰ることになっていたのだ。しかし永田の水神祭には参加したいと、リフトに人垣ができているのを見て猛ダッシュ。永田を水面に放り込むと、また猛ダッシュでバスへと駆けていくのだった。間に合ってよかったね!
さて、水神祭の記事では、下出卓矢の水神祭に今垣光太郎が不在だったと記した。下出の2走目、10R発売中にはルーティンのボート磨きをしていて、下出のレース終わりを待っているのだろうと想像していたのに、肝心の場に姿が見られなかったのだ。今井美亜は、困った顔をして方々を捜索。しかし結局見つからず、今垣抜きで水神祭敢行という次第。
実はそのとき、光ちゃんったら、風呂に入っていたらしいのだ。そりゃあ、美亜ちゃんが探せるわけがない(笑)。愛弟子の水神祭をすっかり忘れていた光ちゃん、びしょ濡れの下出が風呂場に入ってきて、そこで失態に気づいた。そうか、それがあったんだった!「なんか、背中が真っ赤だったんですよ~」と笑う光ちゃん。いや、笑ってる場合じゃないです(笑)。
そんなこんなを報道陣に説明していると、囲み取材を終えて下出がやって来た。光ちゃん一言、「ごめん」。ダハハハハ!「優勝すればまた水神祭だし」なんて、あまり悪びれているふうがないのだ。そこに今井が通りかかったら、光ちゃん走って追っかけて、「探させてごめん」。ダハハハハ! 今日は後輩への謝罪連発であります。まあ、今節が終わったら何か奢ってあげてくださいね! 光ちゃんの天然っぷりが爆発の、穏やかな春の午後なのであった。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)