BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――ツーショット

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 先輩たちの次走の艇番や艇旗を準備していた塩崎桐加。今節は自身の出走レース前など以外はほぼ、同様の姿が見られる。全体としても、女子としても、だから東海地区としても、いわゆる新兵であるから、まあ当然の動きではあろう。
 そんな塩崎に、松本晶恵が駆け寄った。そして、頭を下げた。おそらく、昨日の11R、不良航法の場面を詫びたのだろう。塩崎は恐縮し、松本を気遣う態度を見せる。それでも松本は塩崎に言葉をかけ続け、お互いに何度か頭を下げ合ったりするのだった。おそらく昨日のレース後は顔を合わせる機会がなく、今日その姿を見つけて、松本は塩崎のもとに向かったのだろう。レースだからいろんなことが起こりうるが、陸の上ではこうしてノーサイドとなる。

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 1Rのエンジン吊りに出てきた守田俊介。よく見ると、右手の人差し指にテープが巻かれている。何かの拍子に切った? それとも調整作業のときなどにどこかに挟んだ? それを問いかけたらしいのが大瀧明日香。守田は大きく身振り手振りを加えながら、説明していた様子だ。そして大笑いする大瀧。会話の中身は聞こえてこなかったけど、話を盛りに盛って、笑わせたんだろうなあ、俊介。それにしても、この組み合わせはなかなかにレアではある。

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 2R、2コース差しで久田敏之が1着。地元の磯部誠はイン戦をモノにできなかった。レース後の表情はさすがにカタく、大きな悔いと落胆が透けて見えるのだった。自分に立腹しているかのような、険しさがそこにはあった。

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 久田は最後までヘルメットをかぶったままだったので、表情をうかがうことはできなかったが、肩を並べた毒島誠の表情はやたらと明るかった。同支部で1期違いの二人。ということは、若いころは何度も一緒に練習しただろうし、いわば同志のようなものであろう。智也先輩のようになりたいとか、話したこともあったかも。久田にとって、毒島は一気に前に行かれた、刺激を与えてくれまくりの後輩。SGの舞台でともに戦えることは喜びでもあるはずだ。その後輩が自分の勝利に笑顔を見せる。勝利の快感はより増幅するはずだ。

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 今節、実はあまり見かけていない、仲良しコンビの絡み。池田浩二と西山貴浩だ。昨日の西山のレース後に少々絡んでいたが、特に何事もない瞬間に談笑している姿というのは、僕自身は今節初めて見たかもしれない。それだけ、お互いが調整に忙しかったり、己と向き合う時間が長かったりということだろう。ちなみに、西山が着ているのはガールズ競輪のユニフォーム。児玉碧衣にもらったとかいう噂ですが、ほんと? 俺も欲しい……というのはともかく、接触できる機会があれば確かめてみよう。

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 最後に、深川麻奈美と川野芽唯のツーショット。100期の同期生です。女子100期といえば、平高奈菜、鎌倉涼がいて、15年クイクラでは平高、鎌倉、川野が揃って優出。川野が優勝している。平高と鎌倉はSGの経験も積んでおり、まさに女子のトップクラス。そうしたなかにあって、深川はやや遅れをとっていたのは否めないところだ。今回、深川はついにクイクラを視野に入れて、この舞台に登場した。もちろん実績的にはまだ及ばないが、先を行っていた3人の背中が見えてきたのは間違いないだろう。1Rは逃げ切り1着。さらなる奮闘を期待しよう。(黒須田)