BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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準優ダイジェスト

拡張する天才

11Rルーキーズ準優
①井上忠政(大阪) 08
②中村魁生(大阪) 05
③栗城 匠(東京) 15
④吉川貴仁(三重) 01
⑤宮之原輝紀(東京)07
⑥畑田汰一(埼玉) 09

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「天才・畑田でも、6号艇はさすがに遠いやろ。2着以内で還ってきたら、土下座したるわ」
「おお、ちゃんと土下座の準備しておけや~。天才・畑田に見えるように、な」
 レース直前、2マーク付近のスタンドに駆けつけたら、周囲の話題は“天才・畑田”で持ちきりだった。それほど、今節の異次元ターンのインパクトは強烈なのだろう。

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 3カドの栗城が強引に攻めたら、天才・畑田クンの2着以内は十分にある。土下座の準備をしときなさい。
 私も心の中でつぶやきながら、実戦を待った。スタート展示通り、栗城が3カドに。ここ一番、勝負所の栗城はフライングなんぞ恐れもせずに突き進む。風はカドまくりにうってつけのホーム向かい風。スタ展後に3-6-全を厚く買い足した私の心はそぞろときめいたのだが……。

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 スリットで迷いなく突き進んだのは栗城の右隣り、同期の貴仁だった。そのタイミング、コンマ01!! 1艇身遅れの栗城を軽々とまくり、そのまま1期後輩の内ふたりも一気に引き波に呑み込む。うーーん、昨日は『ミスター紅白戦』などと囃し立てた私だが、今日の6Rの回り足があまりに頼りなかったため、貴仁をバッサリ斬り捨ててしまった。こんな一撃の展開になれば、回り足もへったくれもない。1マークの出口で早々に勝者が決定した。

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 そして、まくられた栗城とマーク差しを狙った宮之原が激しい同期競りをやらかす間に、アウトからズッポリと差し抜けたのが天才・畑田だった。今日は展開一本の2着とは言え、道中で強い強い先輩たちの追撃を軽々シャットアウトしたスピードはやはり出色。明日もセンター枠から異次元の光速モンキーで大先輩たちに襲い掛かることだろう。

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「ほらほらぁ、はよ天才君に土下座してこいやぁ!」
 冒頭の若者たちが爆笑しながらひとりを取り囲み、中央の若者が頭を掻きながら苦笑を浮かべていた。今節、畑田汰一はとこなめのファンの間で「天才」として浸透したわけだ。そして、その評価に恥じないレースっぷり。天才・畑田、後生畏るべし!

別次元の乗り物

12Rレディース準優
①堀之内紀代子(岡山)05
②浜田亜理沙(埼玉) 07
③中村桃佳(香川) 08
④出口舞有子(愛知) 05
⑤松尾夏海(香川) 08
⑥原田佑実(大阪) 23

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 スタートだけが心配。
 そう思っていた浜田が、2コースから他と同じほどしっかり踏み込んだ。こうなれば、今節はちょっと別次元のパワーを魅せている47号機に活が入る。じわりじわりと行き足を伸ばし、イン堀之内を回してから差した瞬間、もう1艇身近く覗くほどのレース足で突き抜けていた。やはり、モノが違う。

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 2マークで追いすがる堀之内、出口らを突き放し、あとは一人旅。ずんずん引き離してゴールを通過した勝ち時計は、自身の持つ節間レコードにコンマ2秒差まで迫る1分46秒8! 11Rの吉川の1分49秒3と比べてもケタチだし、今日のそれまでのトップ時計(10R宇野弥生の49秒0)を2秒2も更新してしまった。ちなみに、引き離された2着・堀之内も49秒0だったから、レディース準優の機力はかなり高かったと見ていいだろう。嗚呼、それにしてもの46秒8……!

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 団体戦を踏まえて言うなら、11Rの勝者が4号艇だったため、浜田の圧勝はそのままファイナル1号艇に連動した。ちょっと別次元の47号機パワーを考えれば、インコースからどうしたら負けるのか。もしも不覚があるとすれば、それは今日の心配と同じくスタート遅れだけ、だと思うのだがどうか。

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 2着の堀之内は予選トップだからファイナル3号艇が確定。3着の出口は11Rの井上との予選成績の差でファイナル6号艇となった。地元の意地で前付け? 個人戦でもありえない想定だが、団体戦となれば100%ありえないと見ていいだろう(笑)。

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 穏やかな枠なり3対3から、イン浜田がしっかり踏み込めるか。3コース堀之内が天才・畑田の攻めを封じきれるか。6コースの舞有子がアウトからどれだけポイントを稼げるか。
 このあたりが団体戦ラストバトル(勝利チームに12ポイント)の要因になりそうだが、昨日も書いたとおり枠番的にも機力的にも紅組がかなり有利、と思うのは私だけではないだろう。もっとも、今節の勢い的には11Rまでに紅白ならぬ白黒がついている可能性も十分にありえるのだが。(photos/チャーリー池上、text/畠山)


団体戦ポイント

紅組2416白組