BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

穏やかな2日目朝のピットの風景

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 試運転からあがってきた土屋千明が、大きな定規を使ってモーターの取り付けをチェックしている。そこに香川素子が悠然とした足取りで近づき、穏やかな顔で声をかけた。しばし会話にふける二人。どうやら足合わせをしていたようで、その感触を確かめ合っているようだった。

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 土屋と別れて控室に向かう香川。その途上には、土屋実沙希がやはり控室に向かって歩いていた。香川は土屋と合流し、肩を並べて控室へ。香川素子、土屋のハシゴ!

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 ……どうでもいいですか、そうですか。でも、なんか感動した一幕なのでありました(笑)。

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 朝から試運転をしていた岩崎芳美。写真の表情でうつむきながら、係留所からあがってきた。水面での感触について思いを巡らし、調整の方向性を考え込む。そんな雰囲気だ。このままペラ室に向かったのだが、こんなに集中して思索していても、こちらの姿に気づくや、さっと表情を緩めて挨拶をしてくれるのが、岩崎芳美のお人柄。本当に素敵です。というか、集中しているところを邪魔してしまったようで、申し訳ありません。

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 1Rで6着大敗の安井瑞紀。初日4着につづいて大きな着を獲っており、後半11Rに向けて調整が必要になりそうだ。カポックを脱ぐと、走って整備室へ。それほど時間が経たないうちに整備室を出て、走って控室へと向かっていた。整備士さんに整備したい旨を伝えたのだろうか。

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 安井が着替えている間にピットにあらわれたのが師匠の寺田千恵。寺田は工具置き場に足を向けると、49番の数字が記されている工具袋を手にした。49は安井のモーター番号だ。その工具袋を安井のボートの操縦席に置くと、今度はボートを整備室前へと丁寧に運ぶ。安井が整備をするのであれば、モーターを外してすぐに整備室に持ち込める場所。本体整備する選手はこの場所によくボートを置いている。整備は安井本人がやらねばならず、師匠とはいえ、寺田ができるのはアドバイスくらい。だから、愛弟子がすぐに作業に取り掛かれるよう、許される準備をしてあげたということだろう。テラッチ優しい! 安井も強くて優しい師匠につけて幸せですね。

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 安井が敗れた1Rは、同じ岡山支部の勝浦真帆が展開を突いて勝利した。2コースから平高奈菜がジカにまくるのを冷静に視野に入れての差し切りだった。ピットに戻ってきた勝浦の顔はやはり明るく、嬉しい勝利だったことだろう。

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 平高としては、勝利を奪いにいきながら差し場を提供したようなかたちだから、これはなかなか悔しい。ピットに戻ってきたときには、首を傾げるシーンもあった。それでも、勝浦が平高に挨拶にいくとニッコリ。そして、私が展開を作ったんだぞとばかりにからかうような笑みを向け、勝浦も思わずニッコリ。展開作った者と展開突いた者。これもボートレースにおける勝負の綾だ。それを見せた二人の、穏やかなレース後なのであった。

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 2Rは対照的に、やはり香川支部の西村美智子が2コースからまくり、こちらは勝ち切った! もっとも決まり手は抜きで、2マークで川野芽唯と高田ひかるが競る間隙を突いたかたちではあった。こちらも展開を捉えた勝利というわけだ。西村はもちろん目を細めてピットに戻ってきており、こういう勝ち方はやっぱり嬉しいものだろう。

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 気になったのは川野芽唯で、エンジン吊りを終えると猛然と控室に全速で走っていっている。川野は後半11Rに登場で、時間はそれなりに残されているはずだが、明らかに大急ぎの様子だったのだ。整備の可能性アリか? 11Rの直前情報はぜひチェックしたい。(PHOTO/池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)

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 2R6着の瀧川千依。エンジン吊りのあと、同支部の海野ゆかり先輩の言葉に真剣な表情で聞き入ると、最後は「ハイッ!」とニッコリ。海野先輩のアドバイスがいい糧になったんでしょうね!