BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――懐かしいPART2

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 一発目の扉的記事に、“チーム徳島”の写真を載せている。2R発売中、これに林美憲を加えてのフルメンバーが談笑し合うシーンがあった。それを眺めていて、古い記憶がよみがえる。我々がこのブログを始めたばかりの頃(当時はSports@Nifty競艇特集)、林と一宮稔弘が何度か揃ってSGに参戦していた。そして二人はいつも行動をともにしていて、一方がJLCのインタビューを受けている最中にもう一方がカメラの後ろから笑かしにかかる、というシーンも何度も見かけたものだった。次のオールスターで、このブログが始まって丸16年。林&一宮コンビが、丸尾義孝も加えてマスターズチャンピオンで見られるとはなんとも感慨深い。

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 2Rの発走時刻が迫った頃には、展示を待つ三嶌誠司が正座するような形で地面に座り込んでいた。これもまた、懐かしく思い出す。実際は座り込んでいるのではなく、レース前の三嶌のストレッチ。いわゆる女の子座りのように内股になって、両足を突っ張るような形でおそらく股関節周りを伸ばしているのだ。ちょうどボートに乗艇するときの姿勢でもありますね。これもまた、かつてはSGでよく見たものだ。児島の出走待機室は装着場に面したところにあるので、そのストレッチを目の前で見たこともあった。三嶌は遠くに目をやりつつ、入念に身体をほぐす。それを令和3年になって、マスターズチャンピオンで見るわけだから、やっぱり感慨深いのである。

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 市川哲也と辻栄蔵の広島コンビにも思い出すことは多い。15~16年前は広島支部のいわばツートップ的存在で、これに西島義則を加えたトリオの存在感はSGでも大きかった。辻が05年のグランプリを優勝したとき、表彰式を終えてピットに戻った辻を市川が出迎えた。それを見た瞬間、辻は市川の胸に飛び込んで号泣したのだった。それまではひたすら笑顔だった辻が、仮面を脱ぎ捨てるかのように市川の前で本音をあらわにしたのだ。その二人がマスターズチャンピオン揃い踏みなのかー。もちろん西島もいる。下関の麗らかな初夏の日差しの中、もらい泣きしそうになったあの日をしみじみ懐かしんでしまったのであった。

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 2Rのエンジン吊りに、江口晃生と金子良昭が並んで向かっていた。この54期同期コンビもSGでよく見たなー。これに金子の弟子の菊地孝平がハツラツと加わったりしていた。また江口と菊地の絡みもよく見たものだ。今でもSG参戦の機会が少なくない江口に対して、金子のSG参戦は久しくない。だからなのか、SGで江口と菊地の絡みもほとんど見ることはなくなった。これもまた月日の流れということか。江口と金子が肩を並べているのを見て、改めて金子の今節参戦を嬉しく感じたのだった。二人とも、まだまだ大きなところに出てきてもらわねば!

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 1Rを終えて、着替えも済ませた海野ゆかりがふたたびピットに姿をあらわすと、展示の準備をしている角谷健吾が。それを見つけた海野は角谷に歩み寄って、言葉をかける。71期の同期生だ。そこでふと思い出したのが、05年グラチャン。舞台はここ下関だ。海野は紅一点で参戦していて、やはり同期の山崎智也とまさに同じ場所で話し込んだりしていた。あれから約16年、相手は違うが海野絡みの71期コンビがマスターズチャンピオンで見られた。っつーか、なんで智也はおらんのじゃいっ! というのはともかく、自分のなかではいまだ鮮明なあの日を思い出して、ふむふむと唸るのであった。

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 過去ばかり振り返っている場合ではない! 2R、原田幸哉が4カドから伸びて一撃。3着続きにピリオドをつき、直線足の鋭さをようやく発揮してみせた。また、寺田千恵が西島義則の追撃を振り切って3着。やはり足の良さを見せつけている。この2人に、吉川元浩を加えての三つ巴でしょうか、モーター相場は。もうかなりバレているので、ここからは3人とも人気になっていくのでしょうが、それを念頭に我々もしっかり美味しい舟券をいただきましょう。レース後、テラッチが嬌声を響かせながら、原田や佐藤大介とレースを振り返っていた。原田も寺田も満面の笑み! 我々も勝って笑顔になりましょう!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)