●セーフ!
10Rを逃げ切った今井美亜。海野ゆかりの強力なまくりを何とか受け止めての勝利だった。着替えを終えてピットにあらわれた今井。20mほど先からこちらの姿に気づいたので、拍手を送ったら、両手を水平に広げて「セーフ」。これ、他の選手もよくやるんだよなあ。今日の今井のように相手の攻撃をしのいだときとか、ぎりぎりで勝負駆けに残ったときとか。で、それを池上カメラマンがバシャバシャと撮っていたら、「ちょっと~、撮りすぎ~」だって(写真がまさにその瞬間です・笑)。ようするにゴキゲンな美亜ちゃんなのでした。
●粛々
11Rは井上忠政が逃げ切り。吉川貴仁がまくり差しを放ってきたが、こらえ切っての勝利だ。で、井上は特に笑顔を見せたりもせずに、粛々とピットに戻ってきた。ここまでは決して満足のいく成績ではないだろうが、この勝利で勢いづいて明日の勝負駆けに臨みたいところだ。明日はセンター枠2走で、気合の強攻が見られるかも。
●マキが笑顔
12Rは寺田千恵が逃げ切って、長嶋万記が2着。レディースワンツーで、団体戦ポイントは紅組がゲットしている。
二人は控室に戻る道中で合流、勝った寺田より長嶋のほうが笑顔満開で歩み寄っていた。ようするに、自身は2着でも団体戦では勝ったのだと、長嶋は喜んでいたのだ。長嶋はこの大会4度目の参戦(実はミス紅白戦?)、以前に団体戦を強く意識して走っているという話をしたことがある。この企画レースを楽しんでいるし、そして本気で勝ちに行っているのだ。ここまで男女あわせて唯一のオール3連対ということもあるし、笑みも浮かぶというものである。
●悔しくとも
11Rの3番手争いはなかなか熾烈だった。鈴谷一平と岩崎芳美だ。2周目ホームで内に岩崎、外に鈴谷で並走となると、内に締め込みたい鈴谷と外に持ち出したい岩崎が艇を合わせて競り合い、2艇が軽くハの字のような格好となって直進する真っ向勝負だった。結果、岩崎が2周1マークで先行して3番手獲り切り。ベテランの技でルーキーを捌く格好となっている。
ピットに戻った鈴谷、悔し気な表情を見せている。しかし、すぐさま岩崎のもとにダッシュ。深く頭を下げるのだった。競り負けた悔恨を抱えつつも、先輩に対して速やかに礼を尽くしたというわけだ。水面での鬱憤は、明日の勝負駆けで晴らしたい。
●とにかく悔しい
12R、ここまで好調な航跡を描いてきた宮之原輝紀がまさかの6着。道中は男子3人による3番手争いとなっていて、外に構えた宮之原は差し返しをはかったところ、内にいた落合直子とかぶる格好となってしまった。これは手痛い敗退で、4着でも暫定トップに立っていたものが、男子3位に後退してしまっている。これはさすがに悔しい敗戦で、なんとも暗鬱な顔つきでピットに戻ってきている。今節、こんな表情の宮之原を見るのは初めてだ。
同レースでは荒牧凪沙も悔しい思いを味わってしまった。3番手争い、競り勝ったのは荒牧で、3周バックでは3着は確定的かと思われたものが、最終コーナーで痛すぎるターンミス。中村泰平に逆転を許してしまったのだ。敗戦という意味では3着も4着も変わらないかもしれないが、最後の最後に着を落とすのはやはり痛恨だろう。その胸中を表情にはあまり出してはいなかった荒牧だが、歯ぎしりしたくなる思いはあったに違いない。
●残念
今日はルーキーズから2人の帰郷者が出てしまった。3Rで転覆してしまった定松勇樹。もうひとりは前田滉。9Rは勝って白組のポイント獲得に貢献したが、3日目で途中帰郷となってしまった。
二人とも、帰宿1便にあわせてレース場を後にし、宿舎へと戻っているが、ともに足取りに軽やかさはなく、無念な様子がうかがえたのだった。前田も定松も、この大会はもちろん(前田は3度目参戦で、次期ミスター紅白戦候補?)、大きなレースでも会うことができるはず。次の機会に大活躍を見せてくれることを期待しています!
●植木アンバサダーへの質問
JLC公式YouTubeで配信中の「ボートレースウィークリー」と「ボートレースウィークリーNEXT」。このうちNEXTのほうはメインコーナーが「がんばれ!ルーキー」で、注目のルーキー世代の選手を紹介している。MCはどちらの番組も植木通彦アンバサダー! 我々からすると植木通彦といえば「艇王」で、現役時代はめっちゃ近寄りがたい存在だったけれども、番組MCの植木アンバサダーは笑顔が多く、進行もすっかり板についてますよね。うむ、隔世の感。
で、今節はルーキー世代がずらりと揃っていて、コメント動画の収録も行なわれている。項目の中には「植木さんへの質問」なるものもあって、ルーキーたちがあの植木通彦にどんな問いかけをするのか注目ですね。今日は田川大貴と新田有理の収録を目撃しました。なかなか楽しそうでしたよ。他にも登場する選手がいるはずなので、みなさんぜひ番組をご覧くださいませ。俺も見よーっと。というわけで、勝手にPRでございました(笑)。
(PHOTO/池上一摩 TEXT/黒須田)