BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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準優勝戦ダイジェスト

最強の布陣

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11R
①上田龍星(大阪)07
②吉川貴仁(三重)06
③宗行治哉(広島)07
④片岡大地(東京)06
⑤井上忠政(大阪)12
⑥鈴谷一平(兵庫)08

 1周2マークで井上がバランスを逸して転覆したため、残念ながら正味1周だけのバトルになってしまった。勝ったのは、予選トップで圧倒的人気を背負った龍星。スリットほぼ横一線の4カドから抜群パワーを誇る片岡69号機が妖しく飛び出したが、まくりきるだけのアドバンテージはないと見て自重。この段階で、インから逃げる龍星vs2コースから差した吉川の1着争いが濃厚になった。昨日に続いて白組の得点ツートップのマッチアップ。

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 バック出口では「ミスター団体戦」の吉川が際どく龍星ににじり寄ったが、そこからの龍星の行き足がまた力強い。相棒の26号機は3日目あたりから実戦足が完全に仕上がり、まったく劣化することなくこのレースに至ったと思っている。あっという間に吉川の追撃をシャットアウトした瞬間、12Rの結果を待たずに龍星のファイナル1号艇が固まった。明日も穏やかな水面でスタートが揃うようなら、影をも踏ませぬイン逃げになる可能性は高い。

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 2日連続で惜しくも龍星に競り負けた吉川は、予想欄でも書いたように日替わりで機力がアップダウンしている気がしてならない。スリットの行き足が節イチ級だったり案外だったり、出足回り足が強力だったりイマイチだったり、2日目の超抜ムードにやや陰りが差した印象は否めない。
 ただ、予選全体の2位だった吉川も、2着を獲りきった時点で明日の3号艇が約束された。最近の吉川はスリット近辺の行き足をしっかり強化する術を心得ている感があり、枠なり3コースと決めてしまえば2日目レベルの鬼足まで特化できるのではないだろうか。ならば、3カド攻撃も含めてスリット一撃で大本命の龍星に襲い掛かるシーンがありえる。明日の特訓&スタート展示で、ミスターの仕上がり具合をできる限り正確にチェックするとしよう。

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 そしてそして、白組で3枚目の切符を勝ち獲ったのは、今節のダークホース片岡だ。井上の転覆を受けて事実上の最終決戦となった2周1マーク、地元で気合パンパン宗行の強ツケマイをギリギリ受け止めてさらなる高いステージまで昇り詰めた。予選は323313着のオール3連対。片岡を揶揄するわけではないが、この快進撃を支えたのは相棒の69号機だろう。『BOATBoy』三島敬一郎のイチ推しモーターは、やはり只者ではなかった。6号艇の明日はさすがに家賃が高すぎる気もするが、たとえ3着入線であっても配当は跳ね上がるはず。できれば節イチ級のスリット足をとことんまで研ぎ澄まし、アウトから自力で同期のエリート・龍星を攻めたてるようなレースを見せてもらいたい。

女王の復権

12R
①田口節子(岡山) 10
②三浦永理(静岡)    12
③長嶋万記(静岡)    09
④岩崎芳美(徳島)    22
⑤大山千広(福岡)    21
⑥小芦るり華(佐賀)19

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 11Rが龍星なら、こちらは銀河系の織姫がしっかりと逃げきった。スリットはダッシュ勢が立ち遅れ、スロー3騎による1マークの交差旋回。(おそらく)全速の鋭いトップスタートから3コース長嶋が豪快に握り、2コースの三浦がテクニカルな小回り差しを繰り出したが、田口は静岡コンビの波状攻撃をさらりと交わしてファイナル2号艇を決定付けた。
 相棒の31号機の前評判はすこぶる悪く、田口本人も「パッとしない」と泣いているらしいが、私の評価は前検から「バランス型のA(上位級)」のまま揺らぎはない。仮に過大評価だとしても、しっかり戦える中堅上位レベルは十分にあると確信している。ただ、たとえ私の見立て通りだとしても、舳先が揃ったイン龍星を2コースから攻めきれるか、と聞かれれば首を横に振るしかない。それを可能にするには、水面環境やスタートの凹凸など何らかの「サポート」が必要だと思っている。

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 で、次に重要な2・3着は、波状攻撃を仕掛けた静岡コンビで決まりかと思われたが、バック直線で割って入ったのが大山だ。スタートの凹みでまくり差しこそ届かなかったが、最内からじわじわ伸びて静岡勢より先に2マークを先取り。なかなか迫力のある切り返しではあったが、握りマイで潰そうとした三浦の脇腹にドスンとぶつかる形で再び失速を余儀なくされた。

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 一方の三浦も少なからぬダメージを受けている間に、カッチリと2番手を獲りきったのが長嶋だ。今日の長嶋34号機はスリットほぼ同体から突出した行き足を披露。私の「B+」評価はやや過小評価だった可能性もあるが、2マークでの展開の利、その後の道中でも三浦と大山にしつこく付きまとわれた足色を見ると、やはり中堅上位あたりが相応しいと思うのだがどうか。4号艇の明日は、たとえ4カドでも自力で吉川らを攻め潰すのは難しく、むしろ吉川の攻めに連動する展開にこそ勝機か発生する、と思う。

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 3着は、田口とともにレディースを牽引してきた三浦。2マークの衝突で2着こそ逃したが、大山の猛追を最善手で交わし続けてファイナル5号艇の座を確保した。私は三浦64号機を初日あたりから「A+」=今節のトップ級と評価しているし、それに見合うだけの実戦足・成績を維持しているとも思っている。
 で、ちょっと不思議なのは、選手もパワーも一流なのに、今節の三浦はちょいちょい人気の盲点になっていたりするのだ。このレースにしても、たとえば1-2-5の10倍に対して2-1-5の50倍は明らかに高すぎる、と私は思う。どうしてエリーのオッズがこれほど高騰するのか、節間に何度か首を捻った次第だ。

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 まさか、2017年から足掛け3年に及ぶ長期休養の間に、第1回のクイーンズクライマックスを制した女王様を多くのファンは忘れた?
 そうではなくとも、その休養期間はボートレースビギナーがこぞって押し寄せた時期と重なるからして、『テクニカルエリー』の真の強さを知らない舟券初心者が多々存在しても不思議はないところ。そんな理由でオッズが不当に跳ね上がってるのだとしたら、もちろん明日のファイナルも舟券的な妙味は尽きない、と私は思っている。あまり言いたくはないけれど、心の広い私はしかとここに宣言してしまおう。
 三浦永理と相棒の64号機は、今節のトップレベルの人機ですよっ!!(photos/チャーリー池上、text/畠山)

付録/今日の団体戦結果と貢献度ポイント

★今日の団体戦ポイント=白組の5勝3敗
★トータルポイント

紅組1821白組
(引き分け1)

★団体戦のチーム貢献度ポイント

【レディース】
      4日間 5日目  合計  備考
高橋淳美   5点 -1点  4点
寺田千恵   4点  1点  5点
道上千夏  -1点 -1点 -2点
水口由紀  -11点  2点 -9点
岩崎芳美   5点  0点  5点
海野ゆかり  0点  1点  1点 団体戦5走・2日目4R転覆
向井美鈴   2点  4点  6点 初日6Rフライング
田口節子   11点  4点  15点 団体戦5走
長嶋万記   10点 -1点  9点 団体戦6走
三浦永理   12点  5点  17点
大橋栄里佳  2点 -1点  1点
落合直子  -6点  3点 -3点
藤崎小百合  3点  0点  3点
原加央理  -4点  0点 -4点
今井美亜   3点  1点  4点 団体戦6走
深尾巴恵  -5点 -1点 -6点 2日目5R不良航法
村上奈穂   8点  1点  9点 団体戦6走
前田紗希  -1点  1点  0点 2日目4R優先艇保護違反
新田有理  -2点  3点  1点 団体戦6走
大山千広   1点  1点  2点 団体戦6走
小芦るり華  0点 -1点 -1点
實森美祐   5点 -3点  2点

【ルーキーズ】
      4日間 5日目  合計  備考
山下流心   6点 -3点  3点
鈴谷一平   5点  0点  5点
上田龍星   8点  4点  12点 団体戦6走
中村泰平   5点  3点  8点 団体戦6走・3日目3R妨害失格
片岡大地   7点 -1点  6点
吉川貴仁   11点  2点  13点 団体戦6走
栗城 匠   2点  5点  7点
宮之原輝紀  5点  6点  11点 団体戦7走・4日目6R責任エンスト
上村宏太  -5点 -2点 -7点 団体戦6走
井上忠政   7点  1点  8点
田川大貴  -10点 -4点 -15点 団体戦6走
宗行治哉   9点  1点  10点
河野主樹   3点 -3点  0点 団体戦6走
宇留田翔平  2点 -1点  1点
高木圭大  -2点  3点  1点
梶山涼斗   4点 -1点  3点
高橋竜矢  -3点  2点 -1点 4日目8R責任転覆
宮田龍馬   1点  0点  1点
荒牧凪沙  -1点 -1点 -2点 4日目10R責任転覆
畑田汰一   8点  1点  9点 団体戦6走
滝沢 崚  -4点  0点 -4点
※特記事項のない選手はすべて団体戦5走

【レディース】1位・三浦永理(17点)、2位・田口節子(15点)、3位・長嶋万記、村上奈穂(9点)、5位・向井美鈴(6点)
【ルーキーズ】1位・吉川貴仁(13点)、2位・上田龍星(12点)、3位・宮之原輝紀(11点)、4位・宗行治哉(10点)、5位・畑田汰一(9点)