BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

宮島TOPICS 4日目②

THE勝負駆け
緊迫の最終バトル!

f:id:boatrace-g-report:20210508184246j:plain

 これぞ「水上の格闘技」。いくつかの重要な勝負駆けを内包していた予選最終日のラストバトルは、期待に違わぬ電撃戦となった。速報でもお伝えしたが、各メンバー(特に4人)の勝負駆け状況をまとめておこう。

12R団体戦予選
①大山千広 1着で準優当確
②寺田千恵 1着で紅組トップ&4着で準優当確
③原加央理
④吉川貴仁 4着以上で上田に先着なら白組トップ
⑤上田龍星 5着以上で吉川に先着なら白組トップ
⑥高木圭大

f:id:boatrace-g-report:20210508184317j:plain

 こんな条件だからして、団体戦の勝利よりも準優~優勝戦へのガチバトルの色合いが濃厚な仁義なき接戦カードではあった。まず、スリットからそれを証明したのが白組で暫定トップの上田龍星だ。「吉川に先着すれば!」という条件を自覚していたであろう龍星は、スタートでやや凹んだ吉川(←起こしから2度ほどバランスを逸したのが痛かった。何があったのか?)を問答無用で絞める絞める!!

f:id:boatrace-g-report:20210508184355j:plain

 4カドの吉川、3コースの原加央理を蹴散らすように絞め込んだ龍星に、今度は2コースの寺田千恵が握って応戦。テラッチは「1着で紅組トップ、大敗なら落選」というもっともシビアな勝負駆けだっただけに、身体が勝手に動いたのだろう。1マークの手前でビリヤードのような衝突追突が連続している間に、メイチ1着条件の大山千広が同じく張り気味に1マークを旋回して準優への花道を突き進んだ。

f:id:boatrace-g-report:20210508184420j:plain

 千広が早々にイチ抜けを決めても、勝負駆けはまだまだ終わらない。第2ラウンドは強引に絞めまくった龍星vsまくられながらも機敏に差した吉川の熾烈なデッドヒート。「先着した方がトップ確定」の白組競りは丸々2周に渡って火花を散らし、わずかに態勢が有利だった龍星が今大会のポールポジションの座を仕留めた。
 さらに後方では、時を同じくして第3ラウンドが勃発。「4着で準優当確」のテラッチは1マークの攻防が響いて離れた5番手に置き去りにされたのだが、前を行く原を追って追って追い回し、最終ターンマークではテラッチにしては珍しい鬼気迫る切り返しまで繰り出したが惜しくも届かず。「トップあり予選落ちあり」の最終バトルは、虚しく後者になびいてしまった。この3つの局地戦を含めてスリットから最終ターンマークまで、瞬きひとつできないガチバトルを演じた勝負師たちに心からの拍手を送りたい。

f:id:boatrace-g-report:20210508184515j:plain

 さてさて、ここからはお約束の団体戦結果へ。今日の6Rは宮之原輝紀のエンスト失格で「同じポイントでの引き分け」(白組が1・3着で16点-宮之原減点2=14点、紅組が2・4・5着で14点)という大会史上初の出来事が発生した。それも含めて、今日の団体戦は白組の4勝3敗1引き分け。4日間のトータル成績も大接戦だ。

団体戦ポイント

紅組1516白組
(引き分け1)

 明日は準優の関係で1~8Rが団体ブロック戦。今日に続いて白組のシード番組が多い編成(5日間トータルでシードは同数!)となっており、白組がさらに突き放すのか。準優の熱戦とともに両チームの健闘に期待したい。

f:id:boatrace-g-report:20210508184545j:plain

 最後に、私なりのチーム貢献度ランキングをば。

★団体戦のチーム貢献度ポイント

【レディース】
      3日間 4日目  合計  備考
高橋淳美   6点 -1点  5点
寺田千恵   6点 -2点  4点
道上千夏  -5点  4点 -1点
水口由紀  -7点 -4点 -11点
岩崎芳美   3点  2点  5点
海野ゆかり  1点 -1点  0点 団体戦5走・2日目4R転覆
向井美鈴   0点  2点  2点 初日6Rフライング
田口節子   10点  1点  11点 団体戦5走
長嶋万記   9点  1点  10点 団体戦6走
三浦永理   11点  1点  12点
大橋栄里佳  4点 -2点  2点
落合直子  -5点 -1点 -6点
藤崎小百合  0点  3点  3点
原加央理  -4点  0点 -4点
今井美亜   1点  2点  3点 団体戦6走
深尾巴恵  -5点  0点 -5点 2日目5R不良航法
村上奈穂   6点  2点  8点
前田紗希  -4点  3点 -1点 2日目4R優先艇保護違反
新田有理  -1点 -1点 -2点
大山千広  -5点  6点  1点 団体戦5走
小芦るり華 -2点  2点  0点
實森美祐   4点  1点  5点

【ルーキーズ】
      3日間 4日目  合計  備考
山下流心   4点  2点  6点
鈴谷一平   4点  1点  5点
上田龍星   4点  4点  8点 団体戦5走
中村泰平   6点 -1点  5点 3日目3R妨害失格
片岡大地   6点  1点  7点
吉川貴仁   9点  2点  11点 団体戦5走
栗城 匠   3点 -1点  2点
宮之原輝紀  8点 -3点  5点 団体戦6走・4日目6R責任エンスト
上村宏太  -5点  0点 -5点 団体戦5走
井上忠政   3点  4点  7点
田川大貴  -3点 -4点 -10点
宗行治哉   3点  6点  9点
河野主樹   2点  1点  3点
宇留田翔平  2点  0点  2点
高木圭大  -2点  0点 -2点
梶山涼斗   4点  0点  4点
高橋竜矢   1点 -4点 -3点 4日目8R責任転覆
宮田龍馬   0点  1点  1点
荒牧凪沙   3点 -4点 -1点 4日目10R責任転覆
畑田汰一   7点  1点  8点 団体戦5走
滝沢 崚   0点 -4点 -4点
※特記事項のない選手はすべて団体戦4走

f:id:boatrace-g-report:20210508184614j:plain

 今日の最高ポイントは、大山千広(団体戦2走)と宗行治哉の6ポイント。7Rの宗行は5コースから展開ズッポリの差し抜けで白組ブレークに貢献。同時に準優に当確ランプを点す一石二鳥にして値千金の1着となった。地元で唯一準優に駒を進めた若武者の、迷いのないファイナルアタックに期待したい。(photos/チャーリー池上、text/畠山)