BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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北陸匠決戦、開戦!

●地元オープニング逃げ!

 1Rは中辻博訓が逃げ切り! 石川真二がピット離れで飛んできたが、インを死守して押し切った。地元ビッグの1R1号艇には特別な思いもあったはずだが、しっかりと結果を出してみせた格好だ。
 レース後の中辻は特に感情をあらわにするというわけではなかった。それでも、次々と関係者の方から声をかけられれば、穏やかに微笑むわけである。ピットで見守った三国の方たちも期待してレースを見守っていたんでしょうね。三国ボートにとっても幸先の良い1勝!

●3本だから!

 レース間スタート特訓から引き上げてきた徳増秀樹が、大笑いしながら声をあげた。
「田頭さん! 3本だから!」
 田頭実もごめんごめんとか言いつつ大笑い。3本って何のこと?

 スタート特訓が3本行なわれる、のである。たしかにピットの掲示板にも「1回3本」と書かれている。実はこれはけっこう珍しく、レース間スタート特訓は2本の場が多い。JLCの中継でもビッグ優勝戦のスタート特訓の模様がVTRで流れたりするが、多くは2本である。というわけで、田頭もそのように思い込んでいたのだろう。徳増たち=4Rの2本目が終わった瞬間に試運転に飛び出したのだった。4R組は「あら? 田頭さんが走ってる」とか訝しんだんでしょうね。ちなみに2R発売中のことであります。

 で、3R発売中のスタート特訓が始まり、試運転の準備をしていた山地正樹に、田頭は得意げに言ったのである。
「山地、3本だから!」
 そのやり取りを見ていたのか、山地もニッコニコの笑顔を返しておりました。

●最も信頼できる存在

 試運転から戻ってきた寺田千恵が、隣の係留所に入った江本真治に泣きを入れる。「1つ半くらいやられた~」。相手は確認できなかったのだが、足合わせでかなり劣勢だったらしい。江本がにこやかに言葉を返していると、そこにやって来たのが立間充宏。江本とは同期で、言うまでもなく寺田の旦那様である。3人でもろもろの情報交換を行なうと、寺田はモーターを始動して回転数をチェック。その様子を心配そうに見守る立間なのであった。最も信頼し合っている存在が戦いの場にいる。お互いにとって、最高に心強いことであろう。これが良き相乗効果となることを願います。

●沸き立つ東京勢

 3Rは角谷健吾が3コースからまくって1着。ピットにあがってきた直後はわりと淡々としていたが、エンジン吊りを進めている間に角谷はもちろん、囲んだ東京勢からも笑顔がこぼれ始めた。そして笑いも起き始めた! 東京勢のテンションが上がっていたのだ。

 2Rでは田中豪が3着。なかなかの混戦を捌いて獲り切った3着で、エンジン吊りを終えてヘルメットを脱いだ田中は顔をくしゃくしゃにして笑っていたし、それを見て濱野谷憲吾らも破顔一笑。東京支部のムードがいいぞ!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)