BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――地元Vへ!

 7R、菊地孝平が早々と予選トップ通過を決めた。5コースからのまくり差し一閃、その足色は明らかに節イチクラス。また、レース後の表情はひたすら力強く、メンタル的にも完全に節イチクラス。心技体さらに機までがもはや高バランスのトップクラスだ。もっとも、1回乗りの7Rを終えたあとには、やはり力強さは感じさせながらのリラックスモード。このあたりの切り替えもしっかりしたものだ。果てしなく死角が見えないのだが、どうか。

 8Rでは丸野一樹が3コースまくり差し。切れ味鋭く先頭に立って、しっかり勝負駆けをクリアした。ただ、丸野自身は仕上がりにまったく満足しておらず、レース後には「ギアケースを交換しました」とさらに整備を行なっている。ひとまず今日はゆっくりして、明日の朝乗ってみて、ギアケース交換の効果を確かめるとのこと。今節は労働量がかなり多いほうの一人であり、ひとまずその成果は予選突破というかたちにつなげてみせた。今日はちゃんと身体を休めて、また準優に全力投球してほしい。

 9Rは新田雄史が逃げ快勝。得点率を7.33にまで引き上げて、準優1号艇の可能性を残している。快勝に気分上々の新田は、レース後しばらく経った頃にはすれ違った丸野をからかう余裕。ふたりで大笑いして、そのままペラ調整室へと向かっている。そう、好結果を導き出したからといって、決して気を緩めたりなどしていない。

 この9Rでは、3周1マークでギリギリ3着に逆転した馬場貴也がなんとか18位に滑り込んだ。今節は新ペラでスタートし、昨日はセット交換と、最近のSGと同様に機力アップに腐心してきた馬場。どうにもSGではモーター運が良くないわけだが、この9R後にはまたもや本体を割っている。交換があるかどうかは現時点では不明だったが、準優を勝ち抜くためにはさらなるパワーアップが必須と感じているということだ。同支部の丸野ともども、明日も必死の調整に励む姿が見られるのだろう。

 11R、原田幸哉が逃げ切って勝負駆け成功! 昨日から整備をしている姿があったわけだが、予選最終走になんとか間に合ったか。ピットに戻ってきた原田は、テンション高し! 仲間との話声は明らかにいつもよりもボリュームが大きかったし、エンジン吊りが終わった瞬間の「ありがとうございました!」はもはや咆哮であった。決して安心感がある1号艇ではなかったんだろうなあ。昨年、名人タイトルを手にしたベテランが、逃げ切った喜びをさらけ出している。どんなにキャリアを重ねても、そんな逃げ切りが時にはある、ということである。

 そんな原田が控室に戻る際に談笑していた相手が中島孝平。5コースから2着で、得点率は7.33でフィニッシュ。今日は2着2本だが、前半がインでの2着だから、決して満足のいくものではなかったはずだ。それでも、ウキウキ幸哉に笑顔で語りかけられたら、笑顔を返すしかないですよね。レース後はどちらかといえば淡々としていることが多い中島の笑顔はなかなかレアで、幸哉は高いテンションでそれを引き出してしまったという次第。まあ、幸哉はそんなことを意識もしていなかっただろうけど。

 12Rは、1着勝負だった守田俊介が、お見事、3コースまくり差しで1着! エンジン吊りに出てきたのはもちろん馬場に丸野の滋賀支部勢。馬場はこの結果でギリギリ18位ということで、3人揃っての準優出だ。エンジン吊りでは、どうやら馬場はまだ自身の状況を完全には把握していなかったようだが、それでも3人がニコニコニコ。ひとまず滋賀支部としては満点の予選道中ということになったか。守田、馬場は準優外枠だが、丸亀の香川素子につづく活躍を丸野とともに見せろ!

 また、この12R3着で、坪井康晴もなんとか17位に滑り込んだ。盟友・菊地が予選トップ通過で、比較すれば大外枠の準優に不満もあるだろうが、ひとまずは地元SGで最低限の仕事を果たしたと言える。状況を知って目を細める坪井、明日もその笑顔を見せられるかどうか。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)