BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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準優ダイジェスト

地元コンビの奮闘

9R
①寺田 祥(山口・34位)08
②土屋智則(群馬・12位)04
③齊藤 仁(東京・39位)07
④篠崎元志(福岡・27位)14
⑤森高一真(香川・20位)10
⑥白井英治(山口・29位)13

 下剋上チャレカの準優一発目、賞金ランク34位の寺田が鮮やかに逃げきった。初日のTOPICSから書き続けてるように、今節の寺ショーは気合パンパン、なおかつ気持ちとハンドルが120%完璧にシンクロしている。

 この正念場の大一番でも2コース土屋の意表のジカまくりにまったく動じず、くるり回って2艇身のアドバンテージを確保した。相棒41号機は日に日に成長して今や文句なしの上位級。リアルタイムで書いているため明日の枠番は不明だが、白でも黒でも赤でも緩むことなくアタマだけを狙って攻め込むだろう。そういう大会のそういう順位だし、なにより地元だし!

 2着争いで惜しかったのはこれまた地元、しかも下関が生地から近いピュアな地元の白井だ。進入では動かずアウトから正攻法で勝負した白井は、5コース森高の気風のいい握りマイにきっちり連動。内の混戦を横目に最内からファイナル街道をひた目指したが、2コースから強気で攻めた土屋にはギリ届かない。

 ならば、と2マークは切り返し気味に土屋の前を握って旋回したが、近年の充実ぶりが半端ない土屋は動じない。しっかり落として白井を行かせてスッキリ差して、まったくスキのない捌きハンドルで逆転の余地を与えなかった。機力の視点でいうなら、このターン回りの攻防でも土屋の出足系統がやや勝っている見え方だった。明日の土屋は外枠を強いられるが、優勝すれば1億2000万円オーバーで住之江GPの2nd組に配属となる。

下剋上ワンツー

10R
①坪井康晴(静岡・45位)08
②菊地孝平(静岡・7位)07
③佐藤 翼(埼玉・19位)02
④吉川元浩(兵庫・21位)03
⑤片岡雅裕(香川・24位)01
⑥瓜生正義(福岡・15位)03

 ここも賞金ランク45位の坪井が、インからキッチリ押しきった。スリット~1マークは10Rの寺田よりちょいと肌寒い展開。特訓から軽快な行き足を見せていた3コース翼11号が、いざ本番でも2コース菊地を叩いてシャープなまくり差しを突き刺した。

 だが、今節の坪井53号機はここからが強い。出口からシュッと抜け出し、その後の押し足も迫力満点に翼の追撃を振り切った。ここ数年の記念戦線の坪井は「行き足から伸びは上位になりやすい代わり、ターン回りで他よりロスが多い」という見え方が主流なのだが、今節は久々に全部の足が強力な坪井を見ている気がする。

 終わってみれば一人旅、明日の坪井は①か②の好枠が約束された。たとえ②だったとしても、1号艇は愛弟子の河合だから坪井にとっては憂いのない5日間と言えるだろう。だがしかし、坪井も河合もGPロードは優勝の一手のみ。明日は師弟の仁義なき戦いの臨むことになるだろうか。

 一方、まくり差しが届かなかった翼にとっても、価値の高い2着GET。明日はたとえ6着でも賞金ランク16位の上條を上回るはずで、2着ゴールの時点でGP当確とお伝えしていいだろう。昨日あたりから相棒の11号機は初日の抜群気配に戻りつつあり、外枠から無欲で臨めるファイナルは楽しみな人機でもある。

師弟の進軍

11R
①河合佑樹(静岡・47位)18
②島村隆幸(徳島・28位)19
③池田浩二(愛知・11位)17
④赤岩善生(愛知・43位)21
⑤平本真之(愛知・6位)21
⑥馬場貴也(滋賀・1位)28

 10Rの坪井に続いて、愛弟子の河合もカッチリ逃げきった。今節、もっとも賞金ランキングが低い47位でファイナル1号艇GET。しかも2号艇が師匠なのだから、心強いポールポジションと言えるだろう。最後に笑えるのはひとりだけだけど。

 勝ちっぷりも見事だった。スタートは全体に遅かったとはいえトップタイミング。1マークもSG初優出への重圧なんぞ微塵も感じさせない完璧なインモンキーで抜け出した。もちろん、その要因のひとつは相棒21号機の鬼足であり、「先に回れば負けるわけがない!」的な自信がみなぎるイン戦だった。

 ピットでは師匠や菊地孝平という同県の頼もしい先輩が取り巻き、相棒は噴きまくり、優勝戦も師匠と内枠独占。パワー面、メンタル面ともに優勝するに最適な環境の下で、この本命は最大の下剋上にチャレンジするわけだ。現時点のV確率は80%あたり。私は勝手にそう値踏みしている。

 2着は3コースから思いきりよくぶん回した池田。いつもの池田より派手に握った見え方だったが、今日の舟の返りはなかなかに絶品。2コースからロスなく差した島村を、出口からスーーーーッと追い抜いたあたり、相棒の66号機は節間でいちばんの仕上がりだったかも?
 賞金ランク11位の池田は、ファイナル3着あたりで5位の峰竜太を超えそうだ(4着は微妙なところか)。5号艇からの3着条件は楽ではないが、百戦錬磨の経験×今日の不気味なパワーがかっちりシンクロすれば、待望のGP2nd入りも十分にありえるだろう。(photos/シギ―中尾、text/畠山)